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初めての油絵

絵というのはどうにも苦手で避けてきましたが、50歳を過ぎると細かいことは気にならなくなってきます。いっちょ油絵をやってみようじゃあないですか。

というわけで、完成したのがこちら。

「多摩川の朝」

初めてにしては上出来じゃないでしょうか。以下、製作過程を振り返ってみます。

まずはこちらがリファレンス。

これは写真

自分が撮った多摩川の写真の中でもお気に入りの一枚です。これを目指して頑張っていきましょう。

初日

キャンバスはF4という小さめのサイズを選択しました。とにかく写真通りの構図を目指し、水平線を確定させます。

そして適当に筆を動かして、海を描いてみました。油絵というのは、乾いてしまえばいくらでも上から描きつぶせるらしいので、細かいことは気にせず。
が、いやーぜんぜんダメですねこれは。小学生の絵か。
こんなんで大丈夫なのか。不安しかありませんが、初日はここまで。油が乾くのを待たないと、次を描けないんですよね。

二日目

翌日ではなく、数日後です。乾いたようなので、空を塗り、朝焼けの部分を塗ってみます。

この黄色はなかった・・絶望。
しかし空はまあまあ上手くいったような。なるべく筆のあとを残さないよう、叩くように塗ってみました。地平線近くは明るい青にしています。

三日目

事態が好転する展望は見えませんが、適当にがんばります。

放射状に筆を動かしてみました。この素人っぽさ。
しかし海面の右側は、なんか筆を動かしていたらいい感じになってきた気がしますよ。

四日目

空の反射は意外と白いので、白いものを海面に入れてみます。

いや、わざとらしくなっちゃったなあ。海面は前回の方が良かったな。台無しにしてしまった。

五日目

この苦境を打開すべく、海面に細かく筆を入れてみます。

不自然だった黄色も、オレンジにして塗りつぶしました。
しかし海面は、なにかが違う。写実的な方向性を目指していたわけで、こんな海面はない。難しいな。

六日目

筆を大きく動かして、全体的に慣らしてみます。

うん、海面はこのぐらいのほうがリアルに見えそう。良くなってきた気がしますよ。太陽の光が及ぶ面積も増やしてみました。が、調子に乗り過ぎたかも。

七日目

そろそろディテールも入れていこう、ということで雲を描き始めます。

雲の、まず影の部分だけを描く。これが乾いたら、光に反射した部分を描くのです。いまは我慢。

八日目

雲の明るい部分を描いていきます。

おお、ちょっといい感じになってきて、希望が出てきました。色を微妙に変えながら塗っていくのがいいのかもしれない。右側の雲も、わりと上手くいってるような。
この写真は画角広めで撮影しているので、両端は上下に膨らませるように湾曲させるのを意識しています。
しかし海面に反射している雲は、上の部分と完全に対称になっておらず。気になるけれど、もう直せない。

九日目

ついに建物を、地平線に沿って描きます。

油絵の性質上、背景を先に完成させるしかないのですが、制作期間のほとんどで、前に来るものを描けないというのはなかなかのストレスでした。ようやく建物を描けました。
手持ちの筆では太過ぎて、困窮した挙句につまようじを使いながら、どうにか建物と船を描きました。
こうしてみると、全体的に、まずまずじゃないでしょうか!

十日目、完成

最後に太陽を入れて完成です。画像は再掲。右下にサインを入れます。初サインは感動しますね。

以上です。決して順調とはいえない工程でしたが、どうせ趣味なのでね。
地道にやってれば意外と描けるもんだなあ、という感想です。なお、同時に油絵教室にも通っていて、道具の使い方はそこで教えてもらいました。
自作の絵を部屋に飾るのはとても楽しい。

おしまい。

追記

その後、二作目が完成しています。

「石の家」

こちらも色々なドラマがありました。機会があれば振り返ってみたいですね。

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