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GWの終盤に人が集まるスポットとは!? 人口増減データでみるGW前半後半の違い


データアナリストの池宮 伸次です。

2023年のゴールデンウィーク(以下GW)は皆さんどのように過ごされましたか? 今年は、新型コロナの5類移行による制限緩和を前に、脱マスクの流れ、海外旅行客の回復、WHOによる新型コロナ「緊急事態宣言」終了のニュースなど、コロナ禍以降、もっとも制限の少ない連休となったのではないでしょうか?
 
さて、GWと一言で言っても、人々の行動は前半(序盤)と後半(終盤)では大きく異なるだろうということは容易に想像できます。一般的に考えて、前半は帰省や観光地への移動といった行動が大きく増えると思われますし、後半は帰宅や期間中の疲れをいやす休息といった行動が増える傾向にあると考えられます。
ただ、感覚的には皆さん同様の印象を持っていると思われますが、実際にデータからもこのような行動が見て取れるのでしょうか?
 
そこでGWの前半と後半でエリアごとの人口の差をみて、どのような傾向が現れるのかを見てみましょう。
具体的にはデータソリューションが提供しているツール「DS.INSIGHT」にて統計化された位置情報を分析する「Place」機能でも見られるエリアごとの人口を、GWの前半(5月3日、4日)とGWの後半(5月6日、7日)で取得して後半/前半で割合を求め、後半にそのエリアの人口が増えたのか減ったのかをヒートマップで表してみました。


その結果からGW前半後半の比較でどういった傾向が見えるのでしょうか?
まずは全国で見てみましょう
 
(図1)全国におけるGW前半後半の人口増減比較ヒートマップ

※集計対象期間:2023年5月3~4日(前半)および5月6~7日(後半)
※使用データ:ヤフーの位置情報(以下同)
 
日本全体で見てみると、大都市圏に赤いエリアが多く、郊外には青いエリアが多いという大きな傾向が見えてきます。つまりGWの前半は帰省や観光・旅行で都市圏外に人が集まり、後半は人々が都市圏に戻ってきたために、前半後半の伸び率を計算するとこのような可視化となったと考えられます。
実際に青が多いメッシュの場所を拡大してみると、有名観光地が多い傾向が見て取れます。
 
では次に関東と関西をもう少し詳細に見てみましょう。まずはGW後半に人が減っているスポットとはどういうところでしょうか?
 
(図2)関東のGW後半に人が減っているエリア

(図3)関西のGW後半に人が減っているエリア

減少エリアの結果はイメージしやすいですね。交通移動の要所となる大きなターミナル駅やその周辺、またはテーマパークや大き目な観光地といったところはGW後半には人が減っているという結果が分かりやすく現れています。
 
では逆に、GW後半に人が増えるエリアというのはいったいどういうところなのでしょうか? 今度はそちらを確認してみましょう。
減少エリアに比べると赤いエリアが広く散っているようにも見えますが、ある程度固まっているエリアを調べてみると、いくつかの特徴が見えてきました。
 
 
(図4)関東のGW後半に人が増えているエリア

(図5)関西のGW後半に人が増えているエリア

データを可視化したことでGWの終わりに人が増えるエリアというのものの特徴が見えてきました。
まず1つ目はショッピングセンター(SC)です。GWもあとわずかというタイミングではやはり遠出は難しいもの。帰省や旅行先からも戻ってきた週末に、近場でかつお出かけ感の高いSCで楽しもうという流れなのではないかと推測できます。
2つ目はターミナルではなく、かつ駅前に商業施設や商店街が多い駅です。こちらもGW期間中にゆっくり買い物などができなかった人たちが地元のショッピングスポットに出かけているという様子を想像することができます。
そして、上記地図では補足を入れていませんが、エリアの人口密集率が高い住宅エリアも、帰ってきた人たちによる人口増として赤くなっているところが多い傾向にあります。
 
このように、GWの前半後半で人々がどこに集まるかによって、GW期間中の王道的過ごし方の流れを可視化することができました。みなさんのGW期間中の行動と比べていかがでしたでしょうか。
 
ヤフー・データソリューションでは、今後も分析に役立てていただける調査レポートの発信をしていきます。
 

※今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。


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