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2015年2月の記事一覧
怪談市場 第三十九話
『雪の足跡』
清水君(仮名)から、次のような話を聞いた。
それは高校2年の冬、日曜日の午前中だった。前の晩は夜更かしをしたため、いつもより遅く起きた清水君は、居間の炬燵で向かい合う両親を目にして不安を覚えた。なにかよくないことでもあったのか、声をひそめ、妙に深刻な顔で話し込んでいる。
「なんか、あったの?」
清水君が問いかけると、母親が内緒話を耳打ちするように答えた。
「どうやら親戚に不
『雪の足跡』
清水君(仮名)から、次のような話を聞いた。
それは高校2年の冬、日曜日の午前中だった。前の晩は夜更かしをしたため、いつもより遅く起きた清水君は、居間の炬燵で向かい合う両親を目にして不安を覚えた。なにかよくないことでもあったのか、声をひそめ、妙に深刻な顔で話し込んでいる。
「なんか、あったの?」
清水君が問いかけると、母親が内緒話を耳打ちするように答えた。
「どうやら親戚に不