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大城竜流
2014年8月12日 21:30
『焼肉』気が向くと深夜、近所の田んぼ道を散歩する。ときおり、奇妙な“モノ”を見聞きしてしまう。先日は女の笑い声を聴いた。今回は音というより、むしろ匂いである。午前1時すぎ、いつもの散歩コースを半分ほど消化したところで、突然、濃厚な焼肉の匂いが漂ってきた。見回しても闇に沈む田んぼが広がるだけ。周囲数百メートル以内に人家はない。しかも、ほとんど無風だ。たとえ風があったとしても、
2014年8月2日 23:22
『焼却炉の少女』昭和の時代からJ中学校に伝わる伝説がある。ときおり、焼却炉のかたわらで、見知らぬ少女が泣いている。朝、昼、夕暮れ。晴れ、風、雨。時刻も天候も選ばないが、場所は焼却炉のかたわらと決まっていた。目撃した誰もが、その顔に見覚えがないと証言する。J中学の制服を身につけているが、どうやら在校生ではないらしい。それ以前に少女は、目撃した生徒の目の前で、まるで焼却炉へ吸い込まれる