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Emerging marketとFrontier market

11月のCPIの結果を受け、Fed pivotが近いとの見方から、株価の上昇が続いています。
今まで相場を牽引してきた巨大IT企業の成長の見通しは悪く、新たなBull marketにおけるリーダーはどこになっていくのか注目されています。
その中で、Emerging market、Frontier marketが話題に挙がることがありますが、この聞きなれない2つのマーケットはどのような違いがあるのでしょうか。
今回の記事では上記2つのETFを比較しつつ解説したいと思います。

Frontier marketとは

Frontier markets, sometimes referred to as “pre-emerging markets,” are countries with equity markets that are less established.
引用:https://seekingalpha.com/article/888271-3-reasons-to-consider-frontier-markets
この記載にあるようにFrontier marketとはEmerging marketよりさらに経済発展の初期段階にあり、株式市場が整っていない国のことを指し、株式市場に占める時価総額はより小さく、流動性も低くなります。

費用や流動性の観点から、Frontier marketに分類される国や地域の会社に個別に投資することは難しいですが、BlackRockが提供するiShares MSCI Frontier and Select EM ETF (FM)を購入することでFrontier marketに投資することが可能となります。またiShares MSCI Emerging Markets ETF (EEM)を購入することでEmerging marketに投資することもできます。
以下ではこの2つのETFの中身を見ていきます。


iShares MSCI Frontier and Select EM ETF (FM)

2012年9月に設立、ETFの年間費用は0.79%です。
組み入れられている国の割合はベトナムが最も大きく、ナイジェリア、バーレーン、ペルー、ルーマニアと続きます。
セクターとしては金融が40%程度を占めています。
銘柄別にみますと、Ahli United Bankが6.5%を占めており、CashとしてUSドルが5%程度、ナイジェリアの通貨ナイラが2%程度含まれています。
その他に
Safaricom:ケニア、ナイロビに本社を置く、モバイル通信サービス会社
Vietnam Dairy Products:ベトナムの乳製品シェアの50%を占める会社
Dangote Cement:ナイジェリア、ラゴスに本社を置く、セメント会社
などが組み入れられています。

FM 国別割合
FM セクター別割合
FM 組み入れ銘柄

iShares MSCI Emerging Markets ETF (EEM)

2003年4月に設立、ETFの年間費用は0.68%です。
組み入れられている国の割合は中国が最も大きく、インド、台湾、韓国、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカと続きます。
セクターとしては金融が22%、ITが19%、一般消費財関係が13%程度を占めています。
上位銘柄はTSMC、SAMSUNG、TENCENT、ALIBABAなど馴染みのある銘柄が占めています。

EEM 国別割合
EEM セクター別割合
EEM 組み入れ銘柄

まとめ

今回はEmerging marketとFrontier marketのETFを解説しました。他にもFrontier marketに分類されている国の中では、唯一クウェートの国別ETFが存在しています。iShares MSCI Kuwait ETF (KWT)でBlackRockが提供しています。ポートフォリオの中にこれらのETFも組み込むと、よりバラエティのある投資ができるのではないでしょうか。なおETFの組み入れ割合は11月11日時点のデータです。これらの割合は適宜変更されていますので、投資される場合は最新情報を追ってください。


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