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潰瘍性大腸炎に「尿酸アレルギー」が関与?

40代前半の男性で10年ほど前に潰瘍性大腸炎と診断され、2年ほど前に症状が再燃。約10日前に悪化されたとのことで、当院を受診。医療関係の職業に長らく携わっており、病院での検査や治療、さらには様々な代替療法も受けているとのことでした。

しばらく通院されてから分かったことですが、一時期は命の危険を感じるほど悪化したと、当時の闘病生活の体験を振り返っていました。改善した今だから分かることですが、現在の表情から振り返ると、初診時は、身体がきつそうで、表情が蒼ざめた様子でした。また、腹部触診による圧痛も過敏に反応し、下痢が頻繁にあり、下血もあった様子でした。

腹部の症状以外にも腰痛、頭痛、アレルギー症状など様々な症状などで治療を受けていただきました。施術回数を重ねるごとに潰瘍性大腸炎の症状も落ち着いて、腹部への触診でも圧痛は感じない様に改善しました。しかしながら、下痢症状やガスが溜まるような症状がぶり返すとのことで検査をすると、PCRTでいう大脳皮質系、すなわち「意味記憶」や「エピソード記憶」の反応も示されました。この反応は大腸周辺の末梢からの「誤作動信号」というよりも、中枢の脳からの「誤作動信号」による症状であることを意味していました。

通院されている過程で、アキレス腱部の痛みと腫脹が突然でてきたとのことで来院。検査をしてみると、アキレス腱部や靭帯、骨部に誤作動信号があるので調整。次の来院日には痛みと腫れは軽減したもののまだ症状が残っている様子でした。アキレス腱炎の3回目の来院で、腫脹がぶり返している感じがあったので、もしかすると、痛風ではないかと尿酸のアレルギー検査をすると陽性反応を示しました。患者さんによると、健康診断ではいつも尿酸値が高めではあったとのこと。そして、検査の後で「尿酸アレルギー」の調整を施しました。

すると、次の来院時に、かなり症状が軽減し、それに加えて、便通も改善したと治療後の経過を話してくれました。患者さん曰く、腸と尿酸の関係があったかもしれないと推測されていました。インターネットで検索すると、尿酸と腸内細菌の研究も専門的に行われているようでした。PCRTの臨床研究者の立場からすると、「尿酸」に対するアレルギーで腸内での消化、吸収、分泌などの働きに何らかの誤作動を生じさせていた可能性も考えられます。

「尿酸アレルギー」だけが原因だったとは言えませんが、その調整後に症状が改善したという事実を踏まえると、偶然ではないように思います。通院過程でたまたま発症した痛風症状から思わぬ発見があったように感じます。完治とは言えないにしても、全般的に大きく改善された様子で、ご本人自身も以前に比べるとだいぶん気にならなくなったとのことでした。

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