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知っているようで知らない「きのこ」のこと④~森の成長を支える地下ネットワーク~

前回の【知っているようで知らない「きのこ」のこと③】に続き、今回は「共生」から見えてくるきのこパワーの恩恵のお話です。

きのこは、植物のように光合成で栄養を得ることができないため、他の生物(生きているもの・死んでいるもの)から栄養を得て生命を維持しています。
中でも今回注目するのは、マツタケやホンシメジに代表される菌根性きのこ。生きた樹木に生えて、そこから栄養を得る代わりに、その樹木に土の中の養分や水を届けて「共生」しているきのこです。ところが近年、この「共生」が“きのこ⇔樹木”の1対1の関係に止まらず、森全体に広がっていることがわかってきました。

森の中には日当たりの良い場所もあれば悪い場所もあります。日当たりの悪い場所に生えた木は、まだ樹高の低い稚樹や幼樹の段階では地形や他の木々の陰になってしまい、十分な光合成が行えません。しかも、根もまだ大きくないため、地中の養分を吸収する力も弱い。そこで活躍するのが、菌根性きのこの菌糸ネットワーク!菌根性きのこは、地中に菌糸をめぐらせ森全体にわたる巨大ネットワークを作っています。なんと森の木々は、そのネットワークを使って互いに栄養をやり取りしているらしいのです。つまり、自力で養分を満足に得ることが難しい幼い木があったら、光合成も地中の養分吸収も十分に行えている大人の樹から、地下の菌糸ネットワークを通して養分が送られていくということです。ネットワークは森全体に張り巡らされているので、その木同士が離れていても問題ありません。森全体でその森の木を育てる、すごい仕組みだと思いませんか?

菌根性きのこは、自身が生えている木との「共生」に止まらず、森全体の「共生」にも深く関わっているのです。小さな見た目からは想像もつかないようなスケールの大きさをもつきのこ。これからも、ほししいたけの魅力はもちろん、きのこのユニークな魅力も色々な形で伝えてまいります!

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