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言葉の掃き溜め【言葉にならない】

君からの深夜の着信
解してあげるその悩み
いつもと同じはずなのに
いつもと違ったあの日
海に行きたいと言った君
そのまま夜明け 朝の7時 
待ち合わせた大船駅
佇む君の髪が揺蕩う
君の目には眩しすぎる
陽の暖かさが心に満ちる
小さな身体の見えない傷
必死に隠して君は生きる
性格が似すぎた俺と君 
微かに白く染まる吐息
この続くはずの無い恋に 
今日は溺れるのもいい

*Hook
過ぎていく時間 変わらぬ距離感
この気持ちは言葉にできない…
過ぎていく街 変わらぬ2人
この想いは言葉にできない…

いつも降りていた北鎌倉 
通り過ぎて着いた鎌倉
ホームに風が運んだ春が 
持って行き忘れた肌寒さ
忙しない改札を抜け 
2人は歩く海のほうへ
引き寄せたその腕 
こんな毎日が俺の夢
歩調を合わせて歩いていく 
犬の散歩が通り過ぎる
君は好きな犬を見ている 
無意識に溢れていた笑み
この時間がすごく楽しい
少しずつ近づく浜辺 
微かに優しく香る潮風

由比ヶ浜は今日も長閑で 
ぼんやりと眺める君の傍で
きっと心の何処かで 
終わる予感がした 此処で
遠い空には鳥の群れ
お互いに涙が溢れ
ぎこちなく繋いだ手と手 
照れくさく合わした目と目
白い砂浜のベッドで 
優しく聞こえてくる波の音
無言の会話が繋げる何か 
次の言葉を探るその間
波間に彷徨う この愛が 
報われることは無いが...

初めての出会いは高一
紹介したのは共通の友達
「まともな恋愛をしてほしい」
そう言われて出会った君
すでに色々と訳ありだった
それでも笑顔が可愛かった
あの日から何度も惚れてる
好きな気持ちで心が焦げてる
思い出を2人で紐解く
その度に昔に戻る
俺の役目は一つだけ
言葉を遮る冷たい風
長い沈黙 切り出せない
お互いに言い出せない
寄せては返す漣
煌めく水面は穏やかに

震える唇と小さな声
その口からゆっくり溢れ
「好きな人ができたんだ」
そう言って君は泣いた
砂浜に滲む 涙の雫
本当の愛に気づく
「応援する」と言いながら
優しく手を乗せた君の頭
君の代わりは君だけだし
今ではとてもかけがえない
だからこそ願った幸せ
その答えはここで手離れ
感謝している今まで 
君は俺の隣にいただけ
それだけが俺の幸せ 
この先も好きなのは君だけ

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