思い出の1枚
円盤に放射状に走る虹色の線。
カセットテープの童謡を聞いて育った私にとって不思議の塊だったCD。
ラジカセに秘密があるのかと覗き込んでみたり、分解してみたり、キラキラの円盤の方に細工があるのかと、家族所有のCDを割ったり剥がしたりしてそれはそれは怒られた。
そんな私が、お年玉で初めて買ったCDが、「とりかえっこプリ~ズ」だった。
当時は小学4年生。
ゲームもアニメもポケモンが流行っており、カードゲームまで誕生した。
今では旧裏面と呼ばれているカードを買って、集めたりバトルしたりして遊んでいた。
当時は250円くらいで10枚入で、どこに行っても買えるカードだった。
そのカードのCMで歌われていた「とりかえっこプリ~ズ」がやたらと耳に残っていたことと、アニメのエンディングで流れていた歌が収録されていたのでCDを買ったのである。
8cmのシングルCDで、子供でも手の届く優しい値段設定だった。
歌詞カードの裏に、CMで踊っているダンスの解説があって面白かったのを覚えている。
CD発売が冬だったということもあり、室内でできるカードゲームは重宝した。
友達が遊びに来ると、バトルの度にかけては途中で歌って踊り出して、勝敗がつかずに別れることもあった。
子供ながらに1番衝撃的だったのは、歌っているのは演歌歌手の小林幸子さんだということ。
同年の7月にはポケモンの映画「ミュウツーの逆襲」が放映されて、そちらのテーマソングも小林幸子さんで胸熱で帰宅した。
初めて自分で買ったCDの話を友達にすると変わっていると言われることが多いが、何を気にする必要があるのか。
好きなものを素直に好きと言い、聞きたいものを聞きたい時に聞くことの何がいけないのか。
自分が楽しんでいるのだから外野は引っ込んでいて欲しい。
そして、ポケモンが偉大なのはもちろんのこと、小林幸子さんの歌唱力やトーク力は素晴らしく、ニコニコ超パーティーに呼ばれるほどオタクからの絶大な支持を得ていることを知って欲しい。
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