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最新HIPHOPレビュー #33 「MonyHorse / Look Up (Prod. U-LEE)」

今回の『日刊DiGG』は、ステージで見せる顔とは違う、ラッパーの本質が垣間みられる作品を紹介します。

|MonyHorse / Look Up (Prod. U-LEE) |

2021/01/29 公開

ヘッズの中で、このクルーを知らない人はいないだろう。TRAPを日本に拡めた日本を代表するクルーYENTOWN 。その立役者となったMONYPETZJNKMN は、MonyHorsePETZJNKMN の3MCからなるユニットだ。

その1人、MonyHorse(モニーホース)のソロ作品。フィリピン生まれ、東京育ちで、拠点を大阪に移したのは驚いたが、それ以上に2019年12月に発表した楽曲「City」では、TRAPではなくBoomBapでラップしていた事に驚いた。彼の中で、新しいステージが始まっているのだろう。

この曲「Look Up」も「City」同様に「Yentown」のメンバーであり DJ/プロデューサー U-LEE がプロデュース。深く残響音を残したピアノから始まるトラック。オートチューンを用いながらエモーショナルに歌い上げている。

仲間といる時のダークさや煙たさはなく、1人になった時の胸の内を語っているようだ。AbemaTV『MUSIC BOMB』では、"ラッパーKOHHの家に乗りこんでラップを始める事になったのは流れだ"と言っていたように、流れに任せるMonyHorseの本質が垣間みられる。

アニメのキャラクターを引き合いに出し、なんでもできる万能感をパーカッシブなサウンドに乗せてラップしているかと思ったのも束の間。

フックで描かれる空の景色。何もないという開放を感じられるが、同時に空虚感を感じる。私は広い空間でポツンと置いてけぼりな孤独感を感じた。あなたはどのように感じるだろうか?

「Look up sky (何も無い 青い世界)
 無くなる 目眩 
 Look up sky (考えず感じたい)
 広がる 世界」


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▼さらに一曲

|MONYPETZJNKMN / Gimme Da Dope(Prod. U-LEE)|

2019年10月発表作品。JNKMNが刑期を終えたことで、久々にMONYPETZJNKMNでの活動再開となった第一弾シングル。中枢神経を麻痺させる電子音は、Trapの先端をさらに鋭利に尖らせる。「陰と陽の攻防戦」プロデューサーがChaki ZuluからU-LEEに受け継がれた。新しいことが始まる予感満ちている。



HIPHOPを広めたい一心で執筆しています。とは言え、たまにこれを続ける意味があるのかと虚無感に襲われます。 このまま頑張れ!と思われた方、コーヒー1杯おごる感じでサポートお願いします。自信をつけさせて下さい。