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都市部以外、クラブやDJBar以外で活躍するローカルDJ、箱番DJの重要性

はい、皆様こんにちはDee-Sです。今回は都市部以外、クラブやDJBar以外で活躍するローカルDJや最近殆ど絶滅危惧種と言っても良いくらいの箱番DJ(お店に常駐勤務もしくは長期間お店の顔として存在するDJ)の重要性について、お話しようと思います。

これは日本に限らず世界中のリスナーに共通して言えることですが、メディアで紹介されるDJは当然ながらヒット曲を生み出したDJや週末の都市部主要クラブでレギュラーでパーティーを開催しているDJです。この事実は揺らぎようがありません。但し、そのDJ達がイコール「上手い」とは限りません。それこそEDMフェスのように予め事前に作成されたDJmixを垂れ流してステージでパフォーマンスしているようなDJも居ますし、単なるファッションアイコンのようなDJも存在します。中にはDJブースの下から影武者が出てきて本人はやってない言わばFake DJも稀にあります。

Paris HiltonのDJ中に出てきた影武者

勿論ステージ演出上でそれがOKとされて、リスナーもそれでOKという事であれば、それはそれで良いのかなぁ… と考えてしまいますが、自分も30年以上DJをしている立場上、何だか腑に落ちないところではあります。こうしたFake DJも後を絶たない現状にあーだこーだ言っても仕方ない、というかフェスやイベントで遊ぶリスナーが大枚はたいてチケット買って「いやぁ、楽しかったね」という方が大多数なので今回はこの話を深堀りせず、華やかな舞台で活躍しているその一方で、地道に郊外や地方都市のお店、クラブやDJBar以外で活躍する言わばローカルDJ、お店に常駐して活躍する箱番DJがいかに大事なのか、またそういった方がシーンの下支えをしていることをより多くのリスナーの方に知ってほしいな、と。

実は20年以上前から、この都市部以外、クラブやDJBar以外で活躍するローカルDJ、箱番DJの重要性を個人的に考えているのですが、なかなかDJ同士でも理解が深まりません。例えば日本なら「東京一極集中」で有名になりたいなら先ずは東京進出、と目論むDJが大多数を占めています。これは勿論現時点で正解だと私も思います。しかしながら、東京は主要クラブのほかにも中小規模のクラブ、はたまたDJbarがひしめき合う激戦区で、かつDJの数も星の数ほど存在しますが果たしてその中でお店が全面的にDJをバックアップして、いわばお店とDJがタッグを組んで素晴らしい一夜を演出しよう、という気骨あるクラブが存在するのでしょうか?

少し辛辣な言い方になるかもしれませんが、ハッキリ言って今の東京の主要クラブは「イベントを開催するスペース」としか個人的には見えていません。もしかしたら個人的な勘違いかもしれませんが、第三者が見たときにそのハコにふさわしい、その箱のコンセプト、ブランドイメージに沿ったパーティーしかやっていない、というクラブが果たしてどれだけあるのでしょうか?特定の色がついていないハコがかなり多い印象で、ハコ側もまた「取り敢えず客が入ればオッケー」のようなパーティーブッキングが多いように個人的には感じています。

そういうご時世なので、自分は箱ごとに音楽ジャンルやパーティーの色を考慮して開催する場所を変えて対応していますが、本来であれば箱番DJのような立ち位置が性に合っているので、現在の柴崎Campick Stand & Factoryという郊外のBarで箱番的な立ち位置でDJやらせてもらっています。このハコは昼間はカレー屋、週末はBar営業でたまにライブやパーティーを開催出来るハコでそれこそ15人以上入ると「あれ、今日は人が多いな」というような小さなハコですが、音響設備も年を追うごとにバージョンアップしてくれたり、何よりハコ側が全面的に自分が主宰するパーティーをバックアップしてくれる心意気に感謝しているので、信頼関係で続けています。

では本題に入ります。なぜ都市部以外、クラブやDJBar以外で活躍するローカルDJや箱番DJの存在が重要なのか?それは普段クラブミュージックを聴かない、クラブミュージックを知らない「地元の方」に知るキッカケを提供する立場なので、言ってみればリスナー分母を増やす役割を果たしている可能性が高いからです。ローカルDJや箱番DJの選曲は、通常の思考能力があれば、ほぼオールジャンルで満遍なく良い曲をセレクトして、さらに一般リスナーが「よくわからないけど、この曲イイね!」と感じてくれそうな曲を選んでプレイしている筈です。いわば「広く浅く」な選曲で耳障りの良い、酒がすすむ雰囲気を演出していると考えます。

そしてDJというのは箱で常駐すると常連の方の顔や好みを把握していきますので、「ここまでなら今日は少し冒険した選曲もアリかな?」なんて考えるので少しアンダーグラウンド路線を混ぜつつ振り幅を少しずつ大きくします。コレを繰り返していくうちに気が付けばアンダーグラウンドな曲でも盛り上がる下地が出来ていきます。お客様の理解がどんどん深くなっていくと最終的には「あそこでクラブっぽい曲を聴いてきたし、ちょっと時間が出来たら都心のクラブで遊んでみようか」「自分もDJ面白そうだしやってみたいかも?」という心理がリスナーに徐々に芽生えてきます。

はい、もうお分かりですね。都市部以外、クラブやDJBar以外で活躍するローカルDJや箱番DJは目立たない存在ですが「影のインフルエンサー」なのです。そもそもクラブミュージックに最初から興味があるリスナーは、何の躊躇もなくクラブやDJbarに遊びに行くんですよ。都市部以外、クラブやDJBar以外で活躍するローカルDJや箱番DJは言ってみれば、ゼロベースからリスナーやDJを産み出す存在なのです。こういう方々が居るからこそ、クラブミュージックを知らなかった層が時間をかけてクラブに遊びに来てくれるお客様へとなってくれたり、DJを目指して頑張ってくれる方が増えていくのです。

リアルな話、氷河期世代の自分以降、子供の数は目減りして今では新生児が毎年100万人を割り込む程に人口は減少しています。絶対分母が減る一方の状況でクラブミュージック・リスナーの獲得は既存のクラブやDJbarで営業するのは限度があり、より多くのリスナーを獲得するにはそういったクラブやDJbar以外の場所で開催する必要があります。大げさに言えば街のいたるところでクラブミュージックを耳にする機会創出をしなければ、人々の興味をひくことが出来ないと個人的には考えています。そして、こういった危機感を共有できる「ご近所DJ」と横の繋がりを構築していくことで、先ずは街レベルから裾野を広げる活動でシーンを構築して、将来的には点と点を結べていければ、より大きな渦になるのではないかな?なんて考えています。

多分、自分みたいなことを考えている郊外のDJは多いと思います。すでに実践されているDJも表面化されていないだけで相当数居ると思います。そういった下支えをしているDJにもリスナーの方々が気が付いてくれると、日本のクラブシーンはまだまだ伸びしろが十分あると自分は考えています。ぶっちゃけた話、自分の住んでる街でパーティーが有って、そこそこ遊べちゃうのってラクだし最高じゃないですか?わざわざ都心に出て遊ぶのもアリですが、それこそ近所に気軽に飲んで遊べる場所があれば、メチャ便利じゃないですか? この記事を読んでいただいた方は、今一度ご近所でそういった場所が有るか検索して散策してみるのも良いのではないでしょうか?もしかしたら、お気に入りのDJに出会えるかもしれませんし、自分にとって最高の遊び場かもしれませんよ!

それでは☆

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