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クラブで夜通し遊ぶことが若い世代にはクールではない、という危機

皆様こんにちはDee-Sです。実は先日、noteの記事のネタ収集の一環でこんなpostをしました。

そしたら、予想以上にバズってしまい、スマホの通知が大変なことになりまして…w そして皆様の反応を見ていて、ちょっとガッカリしたというか、建設的な提案がホント少なかったんです。

この「クラブで夜通し遊ぶことが若い世代にはクールではない」理由ってホント沢山有るし複合要因だと思っているんですよ。個人的には「コロナ以降のライフスタイルの変化」が大きく、そこに「EDM流行以降、遊ぶ場所がクラブからフェスに移行した」とか「娯楽の多様化による若者の価値観の変動」とかが理由でクラブで夜通し遊ぶことがクールではなくなったのかな、と思っています。本当に自分が知りたかったのは「じゃあどうやったら若者にクラブで夜通し遊ぶことがクール」という認識になるのか?という事だったんですね。

そのための施策って、時系列にすると先ずはクラブ以外のロケーションでダンスミュージックを聴いてもらう必要があって、ダンスミュージックを聴くこと、踊る事の楽しさを知ってもらって、最終的にクラブに来てもらって「うわ!楽しい!!」という体験の連続で「クラブってクールだ!」と感じてもらうのがゴールじゃないですか。そこで自分は郊外のカフェでクラブ営業ではない時間帯(主に17時から23時)でパーティーをやって、更に気軽に遊べるように入場無料(但しドリンク1杯は必ず注文)と設定して遊ぶことへのハードルを下げて、より多くの方に気軽に遊べる環境を作っているけど規模感が規模感なだけに、この施策を多くの賛同者、協力者を集めて大きな渦としたい、という話をしていたんですが、世界的な現象だと書いているのに日本国内限定の話しか触れていない方が多数見受けられました。

因みに海外のケースで紐解いていくと「コロナ以降のライフスタイル変動」「若者のアルコール離れ」という理由みたいです。確かにイギリスではコロナ過以降にパブが大量閉店の危機に瀕していて、クラブもライブハウスもロンドンオリンピック以降の地価高騰でそもそもの経営が難しくなってきてコロナ前から厳しかった。そこに物価高が襲い掛かり日本でいうZ世代がお金の使い方に慎重になりアルコールを飲む習慣をやめ、結果として若者がクラブで遊ぶ事がクールではない、という考えになったと結論付けていました。

若者がクラブで夜通し遊ぶことがクールではない理由へのご意見

自分のpostに対しての回答を引用して答えて下さった方の意見を抜粋してご紹介していきます。そして回答に対して個人的な感想も以下に纏めます。

「オッサンオバサンばかりの場所で若い世代は遊びたくないでしょう」という意見、少し反論すると自分が若い頃も普通にオッサンオバサン居たけど全然気にならなかったんですよ。それに気前が良かったから飲み代奢ってもらったりする事も結構あったし嫌悪感ってなかったんですよね。それにダンスフロアは「人種、身分、性別関係なく平等な空間でみんなで一緒に楽しくやっていく場所」という認識だったので、随分排他的な意見だなぁ、と思いました。こればかりは個人の感想なので、これ以上言及しませんけど。

「カネが無い」という意見もかなり多かったです。この辺はイギリスと状況が似ていると思うので、これは遊ぶためのコストを下げることで一定の効果が期待できる、解決可能な事かな?と思います。自分が主宰しているパーティーを入場無料として低予算で遊べるようにして実践しています。

「音楽が昔に比べてチープになった」「そもそもダンスミュージックを聴かなくなった」という意見、こればかりは個人の趣味、嗜好に関わる問題なのですが、個人の感想としては昨今のダンスミュージックって以前より洗練されていて聴きやすくなっているし、ポップ系アーティストもアンダーグラウンドの旨味を上手く使って良い曲沢山あるんだけど、それでもやっぱり無理ですか?苦手ですか今の音楽って。だとしたら、少し寂しい話だなぁ。と個人的には思いました。(´Д⊂グスン

「夜通し遊ぶことがそもそもキツイ」という意見。これは自分も正直わかります。ココ数年、クラブ営業(例:22:00 - 05:00)のDJって殆どやってないんです。所謂デイイベ時間帯(例:17:00 - 23:00)は喜んでオファー引き受けるんですが、他に自分も早起き必須の趣味が多い(ロードバイク、ランニング他)ので朝まで現場に居る事が困難なので、オファーをお断わりすることが多いです。

「朝から昼の15時くらいで開催してくれると嬉しい」と具体的な提案を頂けた方がいらっしゃいました。これは個人的にも賛成だし有益なご意見だと感じました。今後のパーティー運営で出来るタイミングが有ればやってみたいです。15時位に終わると、夕方から第2ラウンドで呑めたり、家に帰ってゆっくりゴロゴロする時間も確保出来るし、特にお子様をお持ちの方々には効果が期待できそうです。

我々当事者が今できる事を考える

個人的には「出来ない」理由を考えるより「どうしたら出来るか」を考える方が建設的だと思っています。私も主催者兼DJの端くれですから、以上を踏まえて若い世代が「クラブで夜通し遊ぶことがクール」と感じてくれる為にどのような事が今後必要なのか?を考えてみました。

・クラブの営業時間帯の見直し

いきなり「夜通し遊ぶ」という前提を崩してしまうのもどうかとは思いますが、クラブやイベントの営業時間帯を昼間、ないしは終電で終わることを前提にやると、「夜通し遊ぶことがキツイ」という意見への対応策として有効です。どんなに遅くても終電前に終われば、遊びに行くハードルもグッと下がりますしサラリーマンにも優しい設定になるかと思います。

・チケット代の見直し

これは非常に難しい問題ですが現状の入場料およびチケット代の単価を下げることで「お金が無い」のハードルを取り除くことが出来ます。但し世界的に見ても地価高騰、原材料高騰という大きな問題に直面します。これをどうにかクリアにするには「都心で遊ぶ」ことに執着せず、郊外またはテナント賃料の安い地域での開催にすることで、チケット代を抑えることが今のところ有効な対応策かと思います。

・ダンスミュージックを普段の生活に溶け込ませる

クラブで遊ぶには、そもそもの話でダンスミュージックを好きになってもらうことが大前提です。それにはクラブ以外のロケーションで自然と耳に入ってくる環境を作ることが必要です。普段の生活に必要な場所や遊ぶための施設で聴く機会を設けることで多くの人の耳に印象を残していくことが大事かなぁ、と。例としてスーパーのBGM、大型施設、テーマパーク等。

・意外な場所での開催、意外なロケーションでのDJブース設置

ダンスミュージックを聴く機会として、意外な場所でパーティー、イベントを開催するのも個人的には面白いと思っています。最近自分が面白いなぁ、なんて思ったのが日本酒の酒造での開催。これは個人的に開催場所として候補に挙がっていて現在クラフトビール工場での開催を企画中です。過去に開催した例だと「ラーメン屋」です。これは自分もDJで関わって現在は終了してしまいましたが「柳瀬川ブロックパーティー」で実現しました。

他に結構話題になったのが日本橋浜町にある「コンビニ」。レコードコンビニとして営業しており、普段はコンビニ、夜になるとクラブに早変わりして連日パーティーが開催されています。コレには面を喰らいましたし、自分の知り合いDJも多く参加していてメチャアツいな、と思いました。

昨今では自治体との連携によってイベント開催も増えています。この辺りなんかも普段ダンスミュージックを聴かない、クラブに遊びに行かない層へのアプローチとしてかなり有効な手段だと個人的には考えています。各自治体の皆様、町おこしイベントでのDJブースの設置およびダンスフロアの設定をご検討いただけると助かります。阿波踊り、よさこいに代わる「地域に根差したローカルDJと有名DJによるコラボ」で外からの集客と地域プロモーション施策として導入してみては如何でしょうか。

あと最近スポーツイベントでもDJブースが設置される事も増えてきました。自分が市民アスリートでもあるので気が付きましたが、Adidasが主宰したランイベントでもスタート地点でDJが参加者のテンションを上げるために導入されていたし、自分がコレの為に日々トレーニングしているMt.FujiヒルクライムでもDJブースは設置されていました。この応用でフィットネスジムなんかも有ると面白いですよね。Feel Cycleでは大音量でダンスミュージックを楽しみながらトレーニングをするプログラム、好評のようですので応用としてDJブース設置までやっていただけると嬉しいかな、と。

お店やお客様に期待したい事

ココからは個人的な提案です。既存のクラブ経営者や現在遊びに行っている音楽ファン、クラバーの皆様に若者がクラブで遊ぶことがクールだと感じてもらう為に必要なことを個人的に考えてみました。

・ソフトドリンクの充実

若者のアルコール離れの対策です。例えばハンドドリップで美味しい珈琲が飲める、インスタ映えするクリームソーダをメニューに導入する、世界の珍しいソフトドリンクを輸入して提供する、としてアルコール以外の魅力的な飲み物を提供することによって価値を見出すことも面白いかな?と個人的に思います。これは自分も実は下戸でアルコールは苦手な部類なので、店舗にノンアルコールのメニューが充実していると有りがたいと思っていて。

・クールな年配者としての振る舞い

自分が若い頃、背伸びしてでもクラブに行きたい、と思わせてくれる「粋」なオトナが割といました。バチっとオシャレして立ち振る舞いもキレイで「あぁ、あんな大人になれたら良いなぁ」という存在が必要な気がしています。これは自分も普段から心がけているというか意識をしているポイントで、キチンと身なりも小綺麗にして紳士的な振る舞いに徹します。このクールな年配者とはどんなものか?については改めて記事にしようと考えておりますので、次の機会に。

世代を超えたダンスフロアを目指して

個人的には若者からご年配の老人も一緒くたになって楽しめるダンスフロアが理想と考えています。若い世代と年配層を住み分ける必要性はダンスフロアの原理原則に反していると個人的に思っていて、ダンスフロアは「人種、年齢、身分を全てフラットに、平等に扱う唯一無二の場所」と考えています。個人的にパーティーを開催する際には一緒に盛り上げてくれるDJに若い世代をブッキングするようにしています。全世代が同じ目線でフラットな人間関係を構築することが大原則。音楽の前では誰もが平等です。こういった考えがスタンダードになると、今までの景色とは違う別の世界が見えるのではないでしょうか。ご年配の方々も若い世代を迎え入れる為に必要な事、実践していきたいことを考えて、自分が楽しいと思える理想的な空間作りにご協力頂けると嬉しいです。クラブで遊ぶことがクールだと思う理由を作るにはひとりひとりの心掛けもまた大事だとは思っています。

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