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Behringer RD-6 レビュー

久し振りの投稿。

Acid Techno好きな私としては、割と前からBEHRINGERのTD-3とTD-6は目を付けていて、今年こそ両方とも買おうなんて思っていたら、ある日突然5千円くらい値を下げていることに気付いて、高い方のRD-6は速攻で注文しました。
その日の午後、クーポンと併せてTD-3も5千円くらいで買えることに気付いて、そっちも注文した次第です。

そんな訳で今回は先行して届いたRD-6のレビューです。

2000年前半に、アナログシンセブームがあって、最初に買っていたのがRolandのSH-101やTR-606でした。
一度手放したが、もう一回買い直して、また手放しているので、TR-606は2回買っていることになります。
ときに懐かしくなってもう一度欲しいなと思ったりもするが、近年のビンテージ機材の価格高騰で気軽に手を出せない機材になってしまいました。
そんな中で、見た目も音もソックリな感じでお手頃なBEHRINGER RD-6が出てきました。(下写真は最も盛り上がってた時代の、私の作業場。TR-606、TB-303、TR-8が見えます)

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記憶の中のTR-606と比較しながらのレビューです。

【サウンド】
ファーストインプレッションとして「似てる」と思いました。
同時に「TR-606と同じ音かといえば違うな」とも感じました。
TR-606の方はよりタンパクというか、カラッとした音だったと記憶。音色は硬めで減衰が短くキレ良く感じます。
RD-6はミッドが豊かで少し柔らかくウェットな質感で、TR-606より良くも悪くも太めな音質で少し減衰が長い気がします。
扱いやすい音はRD-6かも知れないが、TR-606の方はヌケ良く感じるかも知れません。

意外とTR-606の代替品というよりは、それっぽい別物の何か、と思った方が良いかも知れません。とはいえ、音自体は良いのでTR-606を知ってる私でも十分楽しめます。
また、TR-606はバスドラとか特にタイトでミックスに埋もれやすいキャラクターでしたが、RD-6は少し太く響きがあるので、ミックスでのバランスは比較的取りやすい気がします(まだ録音はしてませんが)。
別物だけど、扱いやすい。でも雰囲気はTR-606によく似ている。そんな感じかと思います。

【機能】
キック、スネア、ロータム、ハイタム、シンバル、クラップ、クローズハイハット、オープンハイハットの8種のアナログドラムサウンドを持っていて、TR-606の個性といえるクローズとオープン同時に鳴らすとセミオープンハイハットになるのも同じです。ソフト/ハード問わずでTR-606っぽい製品謳いながら、これを実現してないものは結構多く、私からすれば論外。
ハンドクラップはTR-606には無かった音です。もっとバシッと来て欲しいなとは思いますが、質感そのものは抜かりなく雰囲気は良いです。
トラック的にはシンバルと共用に見え、買うまでどっちかしか鳴らせないのかなと思いましたが、ちゃんとトラックは別れているので両方とも鳴らせます。ただ、ボリュームが共用。
クラップが控えめなキャラクターというものもあり、ボリュームのセッティング的に共用はややこしい。ハンドクラップを大きめに鳴らそうとすると、アクセントの効いたシンバルが「シャーン!!」って感じで鳴ってしまったり使いにくいです。

各トラックは音量の変更のみ。これはTR-606と同じですね(ピッチとかディケイの変更はできない)。
TR-606にないのはディストーションが付いています。ちょっと甘い感じのディストーションなので、場合によってはプリプロ的に使って、録音するときは適当なギターペダルで歪ませるのが良い気がします。

標準での各トラックのパラアウトもTR-606と違って可能です。ハイタム、ロータムのGATE信号出力は本家と一緒。

TR-606にあった乾電池駆動はナシ。TR-606の同期はDYN SYNCだが、こちらはDYN SYNCではなくMIDI、SYNC INまたはUSB経由の同期が可能です。

【シーケンサー】
記憶が確かなら、シーケンサーの操作方法はTR-606と全く一緒。止めることなくパターン選択モードとWRITEモードを切り替えるのも同じで嬉しいです。
パターンのクリアはシーケンサーが止まってるときにWRITEモードでCLEARボタンと消したいパターンのボタン押し。ここも同じ気がします。
このあたりは走行中でもクリアできたらもっと良いですが・・・。

TR-606にないのはパターンのランダム機能。これが割と素っ頓狂でなかなかナイスです。最近だとそれなりに破綻しない範囲でランダムにしてくれるものもありますが、結構マジでランダムなので笑っちゃうような結果になることもあります。
ランダム機能を使うと既存のパターンに上書きしていくタイプであり、フィルイン的には使えないので、レコーディング前に煮詰まった時に遊ぶ機能だと思います。

TR-606内蔵のシーケンサーが持つ独特のグルーヴ感はどうかなといましたが、正直よくわかりません・・・。
どちらかというと音源部の話題になってしまいますが、アクセント入れたときの音色変化はTR-606同様の挙動をしている様子で、癖っぽく変化してくれます。

【デザイン】
TR-606とほぼ一緒。確かに本体は軽い。
並べるとRD-6は少し大きいとのことですが、言われてみるとTR-606よりちょっと大きいかな?という程度です。

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本体の色は10種類展開とのことです。シルバーやイエローが人気っぽいが、私は安くて好きな色のライムグリーンにしてみました。何故か昔のiMacっぽい。Acid Technoのブームってその辺の年代なんでしょうか(90年代半ば)?

ツマミやボタンの質感もよく似てますね。ツマミの重さは少々重めでライブでミュートオンオフ代わりに使いたい場合はちょっとしんどいが、音量の微調整はやりやすいです。

【総評】

細かくいえば出音は違うと思いますが、TR-606が持っていた機能や個性を上手く引き継いで使いやすくしたのがRD-6かなと思います。音の雰囲気も似ていて、TR-606よりちょっとリッチな音がするかな、と思いました。私は気に入りました。

購入を検討している人へのアドバイスとして、TR-606もそうですが、音色変化が効かない上にユニークなキャラクターのドラムマシンなので、使う人を選ぶドラムマシンかと思います。TR-606やRD-6をよく知らない人は、ネットの演奏動画等でサウンドをチェックすることをオススメします。
お奨めポイントとしては、、、

・TR-606持ってたけど、買い直すには高いと感じてる人
・TD-3のお供に
・ソフトウェアやデジタルのドラムマシンと一緒に鳴らしたときのアクセントとして手頃なアナログマシンが欲しい

そんな人にはお奨めです。

・TR-606 vs RD-6
音色は違うが、TR-606を持ったことなくて興味ある程度でしたらRD-6が断然お奨めです。TR-606はMIDIシンクしないし、故障リスク等考えると今の相場は高過ぎると思います。
本物のサウンドキャラクター、グルーヴ感にこだわるのであればTR-606買うしかありませんが・・・。

・TR-06 vs RD-6
ちょっと触ったことないので何とも、、、ではありますが、本家Rolandの復刻版はデジタルで再現したものです。私はTR-8止まりで、TR-8の追加音源だったTR-606はお世辞にも似てなかったのですが、これは音的には良さそう。ただ、アナログの空気感みたいなのはどうしても違ってくるので、キャラクターが似ているのを取るか、アナログの雰囲気を取るかで判断が変わるかと思います。音色のエディットができるそうですが、それならTR-6S(こっちはいずれ買うつもり)の方じゃないかなと思います。RD-6と同じ値段だったらTR-06にしたかも知れません。

・ソフトウェアのエミュレーション vs RD-6
Roland Cloudのは良いらしいですが試していません。それ以外のソフトウェアは幾つか試してみましたが、満足したものは見たことありません。下手なソフトウェアより、TR-606のワンショットサンプリングをサンプラーで鳴らしたほうが雰囲気出ます。か、RD-6でしょう。

・ハードウェアのTR-606っぽい何か vs RD-6
すみません、幾つかハードウェアのTR-606クローンがあるようですが、触ったことないのでコメントできません。

ファーストインプレッション的なレビューは以上となります。
TR-606とちょっと違うサウンドでも、アナログ的な空気感と非常によく似た挙動と機能なので私は大変満足です。近く届くTD-3も楽しみです。

参考になれば幸いです。

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