医薬系特許への無効審判請求(新規・確定分、2021/10/25)

特許庁公報第8434号掲載分(2020年10月25日公示)
・新規分
予告登録件数(無効・訂正):39件
医薬系の件数:0件
・確定分
審決の確定件数(無効・訂正):19件
医薬系の件数(無効審判):1件

1.ニプロ v 千葉大/扶桑薬品工業

(1) 登録番号:特 5636075
(2) 発明の名称:安定な炭酸水素イオン含有薬液
(3) 分割出願:有
(4) 審判番号:2017 審800015
(5) 審決の趣旨:訂正を認める。無効
(6) 登録年月日:R3. 8.20
(7) 出訴:有(平30行ケ10165、請求認容(審決取消)、上告受理申立不受理)
(8) 権利者:国立大学法人 千葉大学/扶桑薬品工業株式会社 
(9) 請求人:ニプロ 株式会社    
(10) 請求項:
(訂正前請求項1)
炭酸水素イオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを含有する血液浄化用薬液にオルトリン酸イオンを0.31mg/dL(無機リン濃度換算)以上となるように配合したことを特徴とする、当該薬液の調製後少なくとも27時間にわたって不溶性微粒子や沈殿の形成を実質的に抑制する方法。
(訂正後請求項3)
 炭酸水素イオン、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを含有する血液浄化用薬液にオルトリン酸イオンを2.3~4.5mg/dL(無機リン濃度換算)、ナトリウムイオンを132~143mEq/L、カリウムイオンを3.5~5.0mEq/L、カルシウムイオンを2.5mEq/L、マグネシウムイオンを1.0mEq/L、炭酸水素イオンを35.0mEq/L以下となるように配合したことを特徴とする、当該薬液の調製後少なくとも27時間にわたって不溶性微粒子や沈殿の形成を実質的に抑制する方法であって、
 当該薬液が、下記A液とB液を合して調製される、方法:
  A液:ナトリウムイオン、炭酸水素イオンおよび水を含有する溶液;
  B液:カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよび水を含有する溶液;
 ただし、A液とB液の少なくとも一方がさらにカリウムイオンを含有し、A液とB液の少なくとも一方がオルトリン酸イオンを含有する。

(11) 関連医薬品:
不明

(12) 備考:
本件は、一次審決では訂正を認め、請求不成立審決が出されているが、知財高裁(平成30年(行ケ)10165)で審決が取消され、当該判決が確定している。
本件の親出願(特許5329420号)もあわせて無効審判(2017 審800014)が請求されている。
親出願の無効審判も、一次審決では訂正を認め、請求不成立審決が出されているが、知財高裁(平成30年(行ケ)10061)で審決が取消され、当該判決が確定している。
本件および親出願と関連する知財高裁判決については、以下が参考となる。

医薬系特許的判例ブログ
2020.02.19 「ニプロ v. 千葉大学・扶桑薬品工業」 知財高裁平成30年(行ケ)10165
2019.04.25 「ニプロ v. 千葉大学・扶桑薬品工業」 知財高裁平成30年(行ケ)10061

(最終更新日:2021/10/29)

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