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慢性骨髄性白血病を深く知る part 3

これまでpart1で慢性骨髄性白血病の概要(詳しめ)、part 2でチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の副作用について書いてきました。

part 3では、TKI時代における予後について書いていきます。

part 1でも書きましたが、TKIのない時代、慢性骨髄性白血病は5年後に爆発する時限爆弾でした。骨髄移植をしないと長期生きることはできない病気でした。

それが最初のTKIであるグリベックが登場して状況は大きく変わりました。移植をしなくても、グリベックを飲み続けていれば、寿命を全うできるようになってきたのです。

ただ、グリベックでも抑えられない人も中にはいらっしゃったわけですが、その後グリベックより治療効果の高いTKIが登場してきて、さらに治療成績は良くなってきています。

それぞれの薬での治療成績を見ていきます。

グリベック(イマチニブ)

治療目標はまりもっこり、いや、MMRでしたね。ISでいうと0.1%以下です。

グリベック内服中の慢性骨髄性白血病(慢性期)の患者さんで、治療開始から18ヶ月までにMMRを達成した患者さんの5年生存率は100%です。

この結果があって、MMRまで達成すれば、慢性骨髄性白血病で命を落とすことはほぼないと考えています。

逆にいうと、MMRに達成しないと、慢性骨髄性白血病が進行してくるリスクがあると考え、グリベックで無理なら他のTKIに変更してMMRの達成を目指します。

では、グリベックでMMRに到達する人はどれくらいいるのでしょうか。

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