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5. ダイアトニックコード(メジャースケール編)

YouTubeで「クリエイターのためのポピュラー音楽理論」講座を動画で始めました。こちらでは先に始めた「雑ギター講座」と共にフォローコンテンツやレジュメなどを書いていこうと思います。

ちょうど 動画の「ポピュラー音楽理論」も「雑ギター」もトライアドからメジャーダイアトニックコードの話に差し掛かっているので、前回トライアドをやってますので今回はメジャーのダイアトニックコード、つまり7thまでを含めた四声のコードの話を書いていきます。

クリエイターのためのポピュラー音楽理論:第3回「コード基礎。トライアドとメジャーダイアトニックコード」

ギターの人はこちらをもどうぞ。
【雑ギター講座】第21回「ダイアトニックコード入門。4和音のコードネームと構成音」

ダイアトニックコードとは?

ダイアトニックコードというのはダイアトニックスケール上に立てられる各音をルートにしたところから三度積み(ドミソシなどの音程一つ飛ばし)のコードを指します。キーがCメジャーなら(この講座ではまだ転調の話をしていないので基本説明はキーをCとして説明します)以下の7つになります。

C△7 Dm7 Em7 F△7 G7 Am7 Bm7b5

これらのコードは
△7 … メジャーセブンス
m7 … マイナーセブンス
7 … ドミナントセブンス(調性の5番目のコードの場合)、もしくはセブンス
m7b5 … マイナーセブンフラットファイブ、もしくはハーフディミニッシュ
と呼びます。それでは次にそれぞれのコードがなぜそのコードになっているのか?と、コードの記号について説明をします。

メジャーセブンスコード

メジャーセブンスコードは記述としては△7もしくはmaj7と書きます。トライアドの説明の時に大文字アルファベット一文字はコードのルート、長3度、完全5度を指しますので、それに対して新しく記号として△7と言うのが付きます。

ここではキーCに対しての1番目のコードを見てみましょう。以前、度数の話を書いた時にドレミファソラシドはそれぞれ、ルート、長2度、長3度、完全4度、完全5度、長6度、長7度ということを説明していますが、先程のダイアトニックコードの説明で「各音をルートにしたところからの3度積み」と合った通りに見ていきます。C△7(この講座ではこちらの記述を使います)はルートがC、つまりドですからそこから3度で音を選んでいくと「Do Mi Sol Ti (ドミソシ)」と音を選ぶ事が出来ます。この時のルートからみた音程はどうなっているかと言うと、「ルート、長3度、完全5度、長7度」です。Cは「ルート、長3度、完全5度」のトライアドを示していますが、それに7度がどうなっているか?を△7で示しています。つまり△7は長7度を示すものになります。

次に同じメジャーセブンスコードがメジャースケール上にもう一つ出てきます。F△7です。この時の度数はどのように見れば良いかと言うと、基本は先程のC△7と同じように見ます。

まずF△7の構成音をかんがえます。Cメジャースケール上でFから3度ずつ上に積んでいくと「Fa La Do Mi (ファラドミ)」となります。この度数の考えかたもC△7と同様です。ただしルートがFなので各音の度数はFからみた度数になります。

Cから始まるメジャースケールは、
Do Re Mi Fa Sol La Ti 
となります。これをFから始めると、以下のようになります。
Fa Sol La Te(bシ) Do Re Mi = キーFのDo Re Mi Fa Sol La Ti 
このようにメジャースケールのルートを動かし別のルートのメジャースケールとしてドレミファソラシドと読むことを移動ド、階名といいます。逆にピアノの鍵盤よろしく全ての音名を固定して読む事を固定ド、音名と言います。つまり上のFa Sol...で書かれたFメジャースケールは固定ド表記であり音名です。それをDo Re Miで読み替えた物は移動ド表記で階名ですね。

このFのメジャースケールの固定ド表記上で、F△7の構成音をみると「Fa La Do Mi (ファラドミ)」全てが含まれている、つまり度数はC△7と同じく「ルート、長3度、完全5度、長7度」と言う事がわかります。

マイナーセブンスコード

次にマイナーセブンスコードを見ていきます。マイナーセブンスコードはCメジャースケール上には、Dm7, Em7, Am7の3つがあります。これらの構成音と度数の見方は先程のメジャーセブンスの時と同じように見ていきます。各コードのルートはD E AからRe Mi Laということがわかります。それらからCメジャースケール上に3度積みで音を積んでいくと次のようになります。

Dm7 … 「Re Fa La Do (レファラド)」
Em7 … 「Mi Sol Ti Re (ミソシレ)」
Am7 … 「La Do Mi Sol (ラドミソ)」

です。次に先程のメジャースケールの同様それぞれのルートからのメジャースケールを考え、そこから度数を見てみましょう。各メジャースケールは次の通りです。

Dメジャースケール … Re Mi Fi(#ファ) Sol La Ti Di(#ド)
Eメジャースケール … Mi Fi Si(#ソ) La Ti Di Ri(#レ)
Aメジャースケール … La Ti Di Re Mi Fi Si
(音名/階名はなるべくDo Re Mi Fa Sol La Tiを使っていきます。読み方がわからない場合は下記の記事を参考にしてください)

この各メジャースケールを先程の各コードの構成音を同じルート同士で比べてみましょう。Dm7の場合は、違いはFaとDoがDメジャースケール上にはありません。DメジャースケールはそれぞれFi, Di(ファ#、ド#)です。それに対してFa、Doはそれぞれの音が半音低くなります。これはFaは、FiがDメジャースケールの長3度なのに対して半音低い短3度で、Doは、DiがDメジャースケールの長7度に対して、半音低い短7度になります。つまり度数は「ルート、短3度、完全5度、短7度」です。Dm という表記はDのマイナートライアドですので、そこに追加されている記号は7です。この7が「短7度」の構成音を含むことを示しています

同じようにEm7, Am7も見てみれば構成音が同じ「ルート、短3度、完全5度、短7度」であることがわかると思います(それぞれやってみてください)。

ドミナントセブンスコード

次にG7を見ていきます。G7はCメジャー上の5番目(ローマ数字でVと示します)で、この5番目のセブンスコードはドミナントセブンス、と呼びます。さてここでのコードの構成音と度数の見方は上記までと同じように見ていけば良いのですが、上記二つのルールからもっとコードの記号から構成音と度数を考えてみましょう。先ほどまで周りくどいやり方をしてるのはその派生を覚えることで自分で導き出せるためで、最終的にはこちらの見方がどんなコードでも出来るようになるのが目標です。

G7は二つの記号に分けることができます。G と 7です。GはGのメジャートライアドであることを示しています。つまりSol  Ti  Re (ソシレ)です。そこに加えられた7は短7度であることを示しています。オクターブ上の Sol から下がってみれば、Sol>Fi>Faこれを移動ドで読むならDo>Ti >Te  ですからFaは G メジャースケールの中では短7度になります。これで G7 の構成音「Sol Ti Re Fa(ソシレファ)」は「ルート、長3度、完全5度、短7度」ということがわかります。

この長7度だと△がつく、というのが慣れるまでややこしいですが、これについては記号の使い方なので覚えてしまいましょう。

マイナーセブンフラットファイブコード、またはハーフディミニッシュコード

最後に残ったのが Bm7b5です。このコードの読み方は「マイナーセブンフラットファイブ」または「ハーフディミニッシュ」と呼びます。トライアドの時はBをルートにしたトライアドは Bdim で構成音は「ルート、短3度、減5度」でした。ダイアトニックコードとして3度積みしていくと構成音は「 Ti Re Fa La(シレファラ) 」になります。このときG7と同じようにコードの記号から見ると Bm7b5 というのを、 Bmと7とb5 の三つに分けます。 Bm はBのマイナートライアド、7は短7度を指します。これでBm7のマイナーセブンスコードが出来上がりますが、そこにつくb5 ことで Bdim の減5度を指しています。このようなイレギュラーな形は他には sus4 や Aug などがありますが、実はここでのイレギュラーはコードの中では記号的にもっともめんどくさい(面白い?)のです。

ではそのめんどくさい(面白い)ところを見ていきましょう。上記から Bm7b5 の構成音 は C メジャースケールを B から3度積みするので Ti Re Fa La (シレファラ)です。この時の度数は「ルート、短3度、減5度、短7度」です。で、Bのトライアドが Bdim だったのですからそこに b7 がつくということで Bdim7 と書けば良いんじゃないか?と思ってしまいますよね?ところがこの Bdim7 というのは別のコードを指し示し、そのコードを「ディミニッシュセブンスコード」と呼びます。

m7b5 コード(ハーフディミニッシュコード)は、それとは違うコードになります。では、最後にメジャースケール上のダイアトニックコードには含まれないコード(ノンダイアトニックコード、と言います)であるBdim7 をBm7b5との対比をし、どう違うのかを説明をします。

ディミニッシュセブンスコード

ディミニッシュコードというのはその構成音が「ルートから短3度ずつ積んであるコード」のことを指します。ルートから短3度というのは例えば Bdim7なら「ルートがTi > 短3度がRe > 減5度がFa > 減7度 のLe(bラ)」となります。この「減7度」というのは短7度がさらに半音下がった音=ダブルフラットの7(bb7) のことを言います。そしてそれぞれの音から次の音への度数は全て短3度(半音4音= Ti Do Di Re,  Re Me Mi Fa, Fa Se Sol Le, Le La Te Ti)となります。これは均等にオクターブのクロマチックスケール12音が4等分されていることになります。ということは、 Bdim7 は Ddim7, Fdim7 Abdim7 と同じ構成音になりますし度数関係も一緒の転回形になります。さらにCdim7もその構成音からそれぞれの同じ構成音を持つディミニッシュコードを作ることができますし、Dbdim7 も同じように同じ構成音を持つディミニッシュコードを作ることができます。

このディミニッシュコードに対してBm7b5 は「半分だけディミニッシュ」という意味(というよりも不完全なディミニッシュ、くらいの意味なんだと思いますが実際どうなんでしょう?知っている人がいたら教えてください)で、「ハーフディミニッシュ」という呼び名で別のコードを指し示しているわけです。

 Bdim7 はディミニッシュでその構成音は「R  b3 b5 bb7」
 Bm7b5 はハーフディミニッシュでその構成音は「R b3 b5 b7」

となります。

これでメジャーのダイアトニックスケール上のダイアトニックコードはわかるようになったかと思います。引き続き他のダイアトニックスケールであるナチュラルマイナー、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーを見ていきたいと思います。

YouTubeの方で動画で先行して進めていくことになると思うので、チャンネル登録と面白いなと思ったら「イイネ」を押してくれると嬉しいです。引き続きあまりマニアックになりすぎず必要なところを抑える形で進めていこうと思っています。

それではまた次回!!

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