地元

前回の記事と内容は被りますが、就活をしていくなかでとある会社の試験で「地元」というテーマで作文を書いたので、記録のためにも以下に加筆修正をして掲載します。


誰にだって地元はある。

人にとって良い思い出のある土地であるか、またはその逆の印象を持つ土地であるかはそれぞれだが、私は自分の地元である札幌が大好きだ。

そうした地元愛を初めて自ら認識したのは小学校三年生の秋のはじめの頃のある日。

その日の朝も、いつものようにクラスメイトと校庭でサッカーをしていた。

一人の友人がゴールを決めてみんなで喜んでいると、ある一人のクラスメイトが空を見上げながら「あ、渡り鳥がいる」と言った。

雲一つない澄んだ空に八羽ほどの渡り鳥が隊列を組んで空を飛んでいる姿に、私たちはサッカーを再開することもなく、みんなでじっと空を見上げるだけだった。

この時に他の友人は何を考えていたのかは知ることは出来ないが、私はあの時、「一生この土地で暮らしたい」と決意したことをはっきりと覚えている。

それは論理的に説明できるものではなく、小学生の自分が心で感じた事であった。

しかし、そんな私の愛する「地元・札幌」にも短所はある。

たとえば雪。

札幌は冬になれば迷惑なくらい雪が降り、雪かきをするたびに私たちは筋肉痛に悩まされる。

しかし、それを上回るロマンチックさも兼ね備えている。

雪のおかげで雪まつりは盛り上がるし、雪が深々と降っている中を寄り添って歩くカップルの姿には、筋肉痛がふっとぶ程の温かみがある。

他には本州に比べて情報伝達の遅さという短所があり、特に若者はそれを嘆く。

しかし、そうした特徴が道民の温厚さ・温和さを生み出していると思う。

以前、私が参加した講演会で、本州から札幌に異動してきたあるテレビディレクターが「北海道は開拓された土地であるからか、無色で開かれた土地だと感じる」と言っていたのが印象的で、私はこれが道民の温和さが生まれた原因だと腑に落ちたように感じた。

私はこれからも「地元・札幌」に誇りを持つだろう。

そして小学三年の時のあの思いを持ち続ける限り、私は地元愛して生きていくだろう。


以上が私の作文です。

当時は制限時間内に書かなくてはいけなかったため、あたふたしながら書いていたが、いま改めて読んでみるといろんな発見があるなあ(笑)

後日談としては、この作文で今回の選考は通過したが、次の面接で落ちてしまいました(笑)

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