処方式のいろは #004

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本誌は、補聴器ハンドブック監訳者でもある聴覚評論家中川雅文と補聴器専門家大塚祥仁の往復書簡のかたちで発行する共同マガジンです。
日本では基礎的な補聴器フィッティングを学ぶ機会が少ないことを危惧したふたりが、1~3年目の補聴器技能者や言語聴覚士の方に向けて、実践で簡単に役立つ知識と事例を月2回のペースで発信していきます。
みなさんとともに補聴器フィッティングの基本をイチから学んでいきます。
ぜひ定期購読でお楽しみください。
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第4回はわたくし聴覚評論家中川雅文が担当します。
第1回と第2回ではUCLの話がでました。
そして第3回では、大塚さんからDSLv5を好きな理由を(つっこみどころ満載に)聞かせていただきました。大塚さんの(初心を思い出しながらぼくにつなぐためなホントわざと地雷をふむように)いろいろ書いてくださっているのには頭が下がります。

さて、大塚さんの記事を読まれた方は、
「ぼくはいつもメーカーのオリジナル処方式で調整しているんだけどそれじゃダメなの?」とか
「DSLって聞いたことはあるけど・・・」などなど
みなさんいろいろに受け止めていることと思います。
なにより、
「アレレ、このマガジンで初心者向けとか言ってたのになんかムズい(;_;)」
と反応しているひともいるかも。

 そこで今回は、バイブル「補聴器ハンドブック(第2版 第10章補聴器の処方303p〜)」をひもときながら、まずは処方式の基本について学んでいきたいと思います。
その流れの中で、大塚さんから投げかけられた質問にも答えていきたいと思います。

それでは今回もみなさんといっしょに学んでいきましょう(^O^)

0.処方せんてなんだろう

処方せんと聞くと、病院やクリニックでお医者さんからこの薬を飲みなさいとお薬の名前と容量と飲み方そして日数が書かれた紙のことを思い出す人がほとんどだと思います。

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