認定補聴器技能者、言語聴覚士、補聴器相談医の役割とは・・・#008

プロローグ

前回の大塚さんのお話、まずは楽しく読ませていただきました。そして、おおいに同意できる部分と
「えっ、まじ😓」
という思いがありました。

耳鼻咽喉科医が考えている理想とかなり温度差あるな〜。
というのが正直な印象です。

大塚さんの記事(#007)を読む前に(2020.10.17)、
こんなツイートを見ていたことが原因でそんなふうに感じてしまったのかもしれません。。

だすまんちゃん@dasmanchan さんの「別ジャンルの専門家だと思う。」のフレーズ。このことばがグサッときてたわけです。
技能者、言語聴覚士、相談医の関係って別ジャンルの専門家なのに、その根本が大塚さんもわかってないんじゃないのと思ってしまったのです。

実は、だすまんちゃんのツイート。ぼくは彼女が医学生な頃から読ませてもらっています。彼女のリアルな医大生としての悩みや研修医になってからの臨床の現場で時に立ち止まる姿が目に浮かぶそのツィートを読むのが楽しみになっています。
教員として学生さんに接する時、あるいは指導医として研修医に接する時、彼女のつぶやきをふと思い浮かべながら指導するなんてこともしばしばです。
なにより、初心に返るというか、原点に立ち返るきっかけをくれるような新鮮なツイートにこころ惹かれるからついつい見てるのかもしれません。

「技能者、言語聴覚士、相談医の関係って別ジャンルの専門家」という視点を大塚さんでさえも、見失いつつある。


なぜでしょう😓😓😓😓😓😓


んなわけで、
今回は、大塚さんに一発ジャブを入れるべく、カウンセリングの話は横に置いておいて、技能者、言語聴覚士、相談医の役割について講釈たれることにします。


1. 技能者、言語聴覚士、相談医って何なんだ!

技能者、言語聴覚士、相談医は、それぞれに高い専門性を持って、患者さん(クライアントさん)の「Life with Better Hearing.」を実現できるよう 助言し、対処し、支援する仕事です。誰かひとり欠けてもこの「Life with Better Hearing」は成立しえません。

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たとえば、医師は診断と助言(安全管理も含めて)、技能者は販売と対処(ディスペンサーでありフィッターである)、言語聴覚士は訓練と支援(リハビリ、装用訓練、カウンセラー)というふうな役割を担っています。3者が連携することではじめてクライアントさんはパーフェクトなきこえを手にすることができます。しかし、今の状況では、クライアントさんが、シームレスかつワンストップにこうしたサービスを受けることはかないません。認定技能者さん、言語聴覚士さん、補聴器相談医が、別々の場所でそれぞれに仕事をしているからです。

だから、大塚さんのようなベテランはついつい、クライアントさんの不便を考えたら・・・

「お店だけで、完結させてあげたい。」

となってしまうのかもしれません。

しかし、認定技能者さんひとりで「診断、助言、安全管理、リハビリ、訓練、カウンセリング」のすべてをこなせるわけがありません。

餅は餅屋。
お互いがその互恵関係の上で、相互信頼の上で、アウトソーシングし合う。
そんな体制を取ることではじめてクライアントさんにとって最も良い結果をもたらすことができる。
そのことを今一度きちんと認識してもらいたい。そんなふうにぼくは感じました。

ワンポイントアドバイス①
認定技能者さん、言語聴覚士さん、そして補聴器相談医の3者は、アレクサンドル・デュマの『三銃士』よろしく「One for all, All for one」な関係でなければならない。

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