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【エッセイ】僕の大好きなソングライター② レノン&マッカートニー

2019年に公開された『Yesterday』という映画で「もしもビートルズがいなかったら」という世界が描かれていましたが、ビートルズの楽曲が存在しないあの世界では、僕は間違いなく全く別の人間になっていると思います。
それぐらい彼らの楽曲から僕は自分の人格形成に決定的な影響を受けました。
では、僕にとって何がそんなに決定的なのか。

まず、彼らの楽曲の魅力の本質を僕なりにまとめると、「相反する要素の奇跡的な調和」という事になります。

「シンプルなのに複雑」

「楽しいのに哀しい」

「古いのに新しい」

彼らの楽曲の素晴らしさを語ろうとすると、こんな表現が浮かびます。
こんな正反対の特徴が見事に溶け合って最高の効果を挙げているのがレノン&マッカートニー作品の特別なところだと思うのです。

もちろん、素晴らしい芸術は多かれ少なかれ上記のような魅力を兼ね備えているものです。
ただ、レノン&マッカートニーの場合、楽曲の素晴らしさもさる事ながら、稀に見る好対照の偉大なアーティストによる世紀のコラボレーションが、どこにでもいる近所の悪ガキのような二人によって実現したところが、僕の胸を深く、強く打つのです。
つまり、アーティストとしての在り方に感動するのです。

十代で母を失ったという共通の深い傷とロックンロールへの情熱で心を通わせた2人は、学校の授業をサボって、ある日はポールの実家の居間でくすねた父親のタバコを燻らせながら、またある日はジョンの実家のポーチで少しまどろみながら、ギター片手に芸術家気取りで作曲に勤しんだそうです。
そして、出来上がった曲のコードを書き留めたノートブックの表紙には「レノン&マッカートニー オリジナル」と誇らし気に記さてれいたそうです。

そんな2人が作った曲が世紀の名曲として半世紀以上聴き継がれているなんて、
なんか素敵じゃありませんか?

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