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経営紙芝居:給料が安いと嘆く社員にどう対応する?

創業した世代にとってみると、事業はほぼ自分と同じものです。

もちろん、売上や利益は大事ですが、その事業の持つ役割やミッションを達成するために働いているものです。

しかしこれが、経営者が創業世代から、2代3代となり、社員も「給料をもらうために会社に来ている」という状態になると必ず、給料や収入に対して、作業者たちから出てきます。

経営紙芝居

さて、この時何と答えたらいいでしょう?

ということで、今まで見聞きしたことのある回答を載せておきます(いずれも会社の経営層の方の言葉です)

回答1:給料のことを言われたら、大企業にかなうはずないやろ!

もちろん、それはそうですね。日本で活動する企業の大多数がいわゆる中小企業です。一部上場企業とは初任給こそ似通っていても、手当やその後の給料の伸び方が変わるのが当然です。

ただ、社員も、そんな大企業並みの給料を求めているのか? 逆に言えば、大企業で高給を取れる人材を、安い給料で、社会的価値の低い事業に注力させているのなら、それは手放してあげるべきでしょうね。

「うちの会社は給料は安いけれども、大企業にはできない仕事をしとるんや!」ぐらいは言ってほしいものです。

回答2:君たちの仕事は毎日同じことの繰り返しでつまらないと思うかもしれないが、それによって会社の売上が立っているのだ。

個人的には、これは珍回答の部類でした。

まず、これを語った経営者は現場に入ったことがないんだろうなと思ったら、実際現場経験はなしでした。現場の作業って思ったより毎日同じことの繰り返しではないですよ。材料が変わればトラブルも変わるし、同じことの繰り返しで良ければ、トヨタさんのなぜなぜ分析なんて生まれないでしょう。

嘘でもいいから、「君たちの作業は、その先に、その製品やサービスで幸せになる人々の笑顔があるんだ。良いものを作ることで、その笑顔が広がって、そしたら、また内に仕事を任せたいとなるんだ。だからこそ、君たちの日々の仕事が重要なんだ」ぐらい言える経営者であってほしいものです。

回答3:「信じられないなら、だまされる勇気も持ってみないか。だまされたと思ったら、俺を刺し殺してもいい」

これは有名ですよね。

京セラ創業者の稲盛さんが、創業間もないころ、高卒の新入社員たちが労働争議を起こした時の言葉です。

良いか悪いかではなく、そういうカルチャーが根付いていくというのがよくわかるエピソードです。京セラといえば、フィロソフィと徹底した管理会計による経営が有名です。

その中で、全社のベクトルを合わせることが大事とされています。そして、合わない社員には、優秀でも辞めてもらって結構というか、早く辞めてもらった方が、お互いウィンウィンだと稲盛さん自身が考えているのです。

と、3つの回答を上げてみましたが、どれが正解かは正直わかりません。ただ、経営者は、自分がその言葉と姿勢と態度のケツを持ち、社員に示す覚悟がないと、うまくいくものもいかないんだろうなぁと感じます。

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