20200815(普及版)終戦の日 各政党談話総括(産経新聞より)

産経新聞がいい仕事していて、各政党ごとの終戦の日の談話を掲載してくださっています。

各政党のリンクを貼り付け、それぞれについて簡単に総括しておきます。

自民党:特筆すべき英霊という言葉(与党:衆院284議席)

特筆すべきは主要政党の中で唯一、「英霊」という言葉を使用している点。他党は「犠牲になられた方」や「戦没者」という言葉を使っていますが、1行目から際立った差が現れています。後半では憲法範囲内での専守防衛に則った安全保障にも言及しています。

ただ、「死者を弔うことが宗教とは切り離すことができない」という原理原則と政教分離という戦後に生まれた特殊規則の矛盾に向き合う覚悟が現れていると思います。

公明党:米中対立を解消する要役が務まるか?(与党:衆院29議席)

近年の具体的取り組みをあげつつ、特筆すべきは、米中の対立に対して信頼醸成の要役を担うことにたいして、「でしょうか。」という弱い提言をしていらっしゃること。公明党の母体である創価学会と中共は基本的に友好関係なのですが、それでも強く言い切ることができない点で、情勢の変化が伺えます。

立憲民主党:平和の継承の前に過去の反省を(野党:衆院55議席)

内容としては、戦後左派の流れを継承しているので、特筆すべきところはありません。ただ、与党が触れていない、周辺諸国への損害と反省が平和の継承よりも先に出てきているのが、印象的です。

加えて、与党が現在の国際情勢を多かれ少なかれ含んでいたのに対して、「国際強調」という言葉のみで、現状を分析していない部分は不足を感じました。

国民民主党:先人への感謝と敬意という言葉に共感(野党:衆院40議席)

与党の言葉になかった、先人への「感謝」と「敬意」に共感を強く感じました。加えて、戦後の復興を支えた人々も含まれている点が特徴的です。

国際情勢にかんしても一定の見解が含まれ、合流話が出ていた立憲民主党とは全く色合いの違いが出ていますので、分党という決断は唯一かつ合理的決定だったかと思います。

共産党:確かな野党の盲点・北東アジアの緊張と世論調査(野党:衆院12議席)

確かな野党である共産党はぶれずに、侵略戦争という言葉も使い、護憲・反核を叫んでくれています。ただ、盲点が2つあります。

まず、「軍拡競争の悪循環を生み、北東アジアの緊張をさらに激化させ」とありますが、海上保安庁による尖閣諸島沖での漁船衝突事案VTRのリーク以降、東シナ海・南シナ海は日本の意図と関係なく緊張が激化していますから、ここの部分は疑問に思う方も多いはずです。

加えて、核廃棄条約への参加を、日本の世論調査の数値を持ち出し「国民の声」と言っていますが、これは諸刃の剣です。世論調査で憲法を変えるのが体勢を占めたときどうするのか。筋の通った左翼である、共産党にしては初歩的なチョンボだと思います。

日本維新の会:憲法のあり方について言及した唯一の言葉(野党:衆院11議席)

「感謝」「敬意」という言葉は用いていないものの、「先人たちの犠牲の上」という言葉を用い、その上に自分たちがいることを意識しているのは国民民主党に近いニュアンスです。

特筆すべきは最後に、憲法9条のあり方に触れていること。改憲を党是とする自民党が憲法を遵守しと書いているところを見ると、やはり日本維新の会は自民党の思想的補完の役割があると思います。

社民党:死者の記憶をどう継ぐのか(野党:衆院2名)

社民党も共産党と同じくブレることない論調をつらぬていくださっています。特筆すべきは、詩人の方の言葉を引用して、「死者の記憶」を使っていることです。

自民党が「英霊」という言葉を使っていることに対して、私は「死者を弔うのに宗教を切り離せない」という原理原則を申し上げましたが、社民党がこれから、「死者の記憶」を戦後のやり方でどう継いでいってくださるか、期待を込めて注視します。

NHKから国民を守る党:平和は希求するだけでなく不断の努力で得るもの(野党:衆院1名)

こちらは、なぜか産経にリンクなかったので、オフィシャルから。

短い文章ですが、特筆すべきは、「平和は希求するだけでは得られません。それを守るための不断の努力が必要不可欠だと我々は考えます。」と憲法の言葉を使い述べているところ。

意外とこのワードは、近隣諸国で民族浄化や人権弾圧が行われている中、日本国民が憲法と向き合うべき部分ではないかと思います。

れいわ新撰組:(共産党+立憲民主党)➗2(野党:衆院ゼロ議席)

内容的には、(共産党+立憲民主党)➗2というイメージ。

主だった政党は以上になります。

各政党の色が見えて参考になると思いますので、皆様も読み比べどうぞ。

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