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スーパータスカン ルーチェとは?その歴史と魅力を徹底解説

ルーチェはイタリアのトスカーナ地方の、有名なワイナリーです。
スーパータスカン(スーパートスカーナ)として、世界中で高い評価を得ています。

今回は次の内容について、詳しく解説します。

●スーパータスカン(スーパートスカーナ)とは
●ルーチェがスーパータスカンになった歴史と理由
●ルーチェの特徴と魅力

記事を読むことで、ルーチェが生まれた歴史と背景を知ることができます。
また、ルーチェの魅力と、ルーチェの3つのラインナップも詳しく紹介します。

イタリアの地で生まれた歴史的なワイン、ルーチェとは

トスカーナ地方

イタリアのトスカーナ地方で誕生し、法律によって決められた格付けにとらわれずに、自由な発想で造られるワインが「スーパータスカン(スーパートスカーナ)」です。

今回ご紹介するルーチェは、スーパータスカンの中でも高く評価されている、屈指のワイナリーの1つです。

ルーチェは格付けを超越したスーパータスカン

ルーチェを解説するにあたり、まずスーパータスカンの歴史を紹介します。
スーパータスカンの歴史を知ることで、ルーチェとの関わりがわかります。

スーパータスカンが生まれたきっかけ

イタリアでは、1963年にワイン法が制定されました。
このワイン法によって、イタリア産のワインは次のいずれかに格付けられました。

1. DOCG
2. DOC
3. IGT
4. Vino da Tabola

このワイン法による格付けには、イタリアワインとしての独自性が重視されます。

上級の「DOCG」や「DOC」の格付けを得るためには、イタリアの固有品種のブドウを使わなければいけません。

しかし、イタリアには、国際品種のブドウである、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどを、使って造られるワインがあります。

国際品種のブドウを使ったワインは、いくら品質が高くても上級には格付けされません。
そのため、テーブルワインのことを指す、「Vino da Tabola(ヴィノ・ターボラ)」に格付けされました。

スーパータスカンの誕生

イタリア国内では、ワイン法にとらわれずに自由にワインを造りたい、という動きが生まれました。

そんな中、トスカーナ地方において、品質の高いワインが次々に造られました。
これらのワインは、国際品種のブドウである、カベルネ・ソーヴィニヨンを使っていたのです。

これらのワインは、世界中で非常に高い評価を受けました。
中には「DOCG」や「DOC」のワインよりも、高く取引されるものもありました。

いつしかこのようなワインのことを、「スーパータスカン」と呼ぶようになったのが、誕生のきっかけです。
スーパータスカンには、「トスカーナ産のワインを超越した」という意味があります。

スーパータスカンの主な条件は、次の通りです。

ワイン法などの格付け基準にとらわれないこと
自由な発想で造られること
トスカーナ地方で造られること
上質なワインであること

スーパータスカン ルーチェの創業

ルーチェは、イタリアのトスカーナ地方で、1995年に創業したワイナリーです。
正式には「テヌータ・ルーチェ」といいます。

ルーチェの創業には、ヴィットリオ・フレスコバルディ氏と、ロバート・モンダヴィ氏の2人のワイン造りの天才が関っています。

2人は、国際品種のブドウである、サンジョヴェーゼとメルローをブレンドして、赤ワインを造りました。
このワインは、スーパータスカンとして世界的な評価を受け、有名になりました。

ルーチェを生んだ理想的な環境

スーパータスカンを造るためには、良質なブドウの栽培が欠かせません。
ルーチェはとても理想的な環境で栽培しています。

良質なブドウを育てるために大切なテロワール

ワインの世界では、フランス語で「土地」を意味する「テロワール(Terroir)」という言葉を使います。

テロワールは、「ブドウが育つ環境」を指します。
良質なワインを造るためには、良質なテロワールの確保が必要です。

ルーチェは、テロワールに大変恵まれました。
そのことが、ルーチェがスーパータスカンとなった一因です。

モンタルチーノにあるルーチェのブドウ畑

イタリアのトスカーナ地方に、モンタルチーノという地区があります。
ルーチェはこのモンタルチーノに、自社のブドウ畑を所有しています。

モンタルチーノの気候は、昼夜の寒暖が激しく、年中日当たりが良いのが特徴。
良質なブドウが育つためには、モンタルチーノの気候がとても合っています。

モンタルチーノにあるルーチェのブドウ畑は、幅広い標高をまたいでいます。
標高の高いところで420m、低いところで350mです。

標高の高いところにある畑は、水はけがよく、有機成分が少ない土壌となっています。
この土壌は、ブドウ品種のサンジョヴェーゼの栽培に適しています。

標高の低いところにある畑は粘土質です。
この土壌の質は、ブドウ品種のメルローの栽培に適しています。

このように、ルーチェは、自社の2種の畑でサンジョヴェーゼとメルローを栽培し、ブレンドして、スーパータスカンを造っています。

ルーチェの特徴

ブドウ

ルーチェがスーパータスカンと呼ばれるのには、明確な理由があります。
その理由は、ブドウの栽培方法と醸造方法への深いこだわりです。

ブドウの栽培方法へのこだわり

ルーチェは、ブドウの収穫量をあえて低く抑えています。
少量であっても、健康で良質なブドウだけを栽培することを重視しているからです。

より良いブドウを育てるために、ブドウの木の間引きや枝払いなどを惜しみません。
経済的な合理性だけを優先することなく、必要な手間をしっかりとかけています。

目先のことだけではなく、良いものを長くつくり続ける「持続可能な生産」を行うルーチェの哲学に基づいています。

醸造方法へのこだわり

ルーチェの原料は、自社栽培のサンジョヴェーゼとメルロー。
この2つをそれぞれに合った畑で栽培し、ブドウが持つ個性を引き出します。

ブドウが熟成し、タンニン、酸味、糖度の3つの要素がそろったら、手作業で摘み取ります。
そして、次の工程である醸造の段階に進みます。

サンジョヴェーゼとメルローは、熟成に要する期間が異なります。
そのため、収穫と醸造のタイミングを調整し、最終的にブレンドするのは11月の終わりです。

ワインは「ルチェンテ」になるものを除いて、24ヶ月のあいだ樽の中で熟成。
熟成の期間中、樽ごとにチェック作業が行われ、優秀なものが選別されます。
チェックによって、優秀とされたものだけが、ルーチェとして選ばれます。
ルーチェとして出荷されるのは、選ばれたワインのなかで、さらに1年以上熟成されたものだけです。

ルーチェの価格帯

「ルーチェ」と「ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ」は、熟成期間の長い高級ワインです。
どちらも15,000円前後で販売されており、ギフトや特別な日のお祝いに用いられることが多いようです。
「ルチェンテ」は5,000円前後で販売されており、ルーチェの中ではお求めやすい価格です。
初めてのルーチェには、最適ではないでしょうか。

ルーチェの当たり年

ブドウは完熟することで、渋みを形成するタンニンの成分が多くなります。
タンニンが多いワインは熟成を経ることで、まろやかで深い味わいになります。

完熟したブドウが収穫された年が、ワインの当たり年です。
当たり年は「グレートヴィンテージ」とも呼ばれます。
ルーチェのグレートヴィンテージは次の通りです。

●2000年代:2008年、2010年
●2010年代:2015年、2016年

ルーチェのラインナップは3種類

ルーチェラインナップ

引用元:https://ja.lucedellavite.com/

ルーチェが造るワインのラインナップは、下記の赤ワイン3種類です。

ルーチェ
ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ
ルチェンテ

ルーチェのワインは、いずれもフルボディで、使われているブドウ品種の、ブレンド比率が違います。

ルーチェ:サンジョヴェーゼにメルローをブレンド
ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ:サンジョヴェーゼ100%
ルチェンテ:サンジョヴェーゼにメルローをブレンド

「ルチェンテ」は、「ルーチェ」と「ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ」と比較して、熟成に要する期間が12ヶ月と短いのが特徴です。

ルーチェ

ルーチェ

サンジョヴェーゼのしっかりした風味と、メルローのまろやかさを、完璧にブレンドした最高峰のワインです。

他のスーパータスカンは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主な原料とすることが多いです。
しかし、「ルーチェ」は原料の50%にサンジョヴェーゼを使っています。

サンジョヴェーゼとメルローを使うことで、トスカーナらしさを残そうという意志が感じられます。

フルーティで柔らかな風味を感じつつも、同時に深いコクを持つ洗練されたワインです。
スーパータスカンの代名詞と言っても、過言ではありません。

ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ

ルーチェ-ブルネッロ-ディ-モンタルチーノ

「イタリアンワインの女王」と讃えられ、世界中のワイン愛好家を虜にしてきたワインです。

「ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ」は、自社で栽培したサンジョヴェーゼを、100%使用して造られています。

情熱的で官能的なテイストの「ルーチェ」に対し、「ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ」は洗練された印象の風味を持っています。

ルチェンテ

ルチェンテ

「ルチェンテ」は、最高品質の「ルーチェ」に準じる品質のセカンドワインです。

セカンドワインとは、最高品質であるファーストワインよりも樹齢の若いブドウや、ファーストワインの基準に達しなかったブドウを使用したワインのことです。

手が届きやすい価格により、スーパータスカンたるルーチェを、手軽に楽しみたい人に広く愛されています。

「ルーチェ」と同じ畑から収穫された、メルローとサンジョヴェーゼをブレンドして造られています。

「ルチェンテ」は、モンタルチーノの樽貯蔵庫で、12カ月にわたり熟成されたのちに出荷されます。

リッチなアロマとボディがありながら、どこか親近感が持てる味わいが魅力です。

まとめ:格付けを超えるクオリティのルーチェを愉しんでみては?

赤ワイン

ルーチェはイタリアで生まれた、歴史的なワインです。

イタリアで制定されたワイン法をきっかけにして生まれたスーパータスカンの中でも、屈指のブランド。

スーパータスカンとは、格付け基準にとらわれずに、自由な発想で造られる、トスカーナ地方の高品質なワインです。

スーパータスカンであるルーチェには、次の特徴があります。

テロワール(良質なブドウを栽培する環境)に恵まれたこと
ブドウの栽培方法に、独自のこだわりを持っていること
醸造と熟成に大きな力を注いていること

スーパータスカン ルーチェには、3つのラインナップがあります。

ルーチェ
ルーチェ ブルネッロ ディ モンタルチーノ
ルチェンテ

格付けを超越したスーパータスカンとして、新しいイタリアワインを代表するのがルーチェです。

自分へのご褒美や、特別な日のお祝いに、ルーチェを味わってみてはいかがでしょうか。

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