脳内の-theme:くせ

気がつくといつも喋っている。
しかも結構強い口調だ。

頭の中の話である。

あ、待って、閉じないで、変な話してるわけじゃないから。


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SNSやブログ、それにラジオで星野源も言ってて、ようやく世の中に一定数いるんだなと安心した。
頭の中で、音楽やつぶやきが垂れ流しになってて止まらない人たちというのが、世の中にはいる。私もそのうちの1人である。
活字中毒で、見ちゃうと読んじゃうんです、みたいな感じと似ていると思う。ちなみに私は活字中毒でもある。
無言でいても、静かなところにいても、ずっと何かが喋っているし、そうでなければ曲がかかっているし、たまに無になれることもあるけど、大体は意思に反してずっと何かが回っている。


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ここまでは、癖というより性質の話なのだけど、
ここからは、癖の話になっていく。いやこれも、性質の話かもしれないけど。
私自身は、そんなに好戦的でもないし、トップレベルの平和主義者と自負しているのに、こういう時頭の中で展開される会話は大体人を人が(おそらく、自分が)言い負かしているやりとりなのである。
多分、直近で頭に来たやりとりを反芻しているのだろうとは思う。それに対して、繰り返し繰り返し頭の中で倒しているのだ。相手は行ってきた人ではもうなく、頭に来ている自分なのだから、倒しても倒しても倒れることはない。無限に続くラップバトルを繰り返し、ちょっとずつ疲れてゆく。

・・・・・いや、好戦的なんだろうか。



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こう言って締めたい、こう言って相手にこういう印象をつけたい、みたいな願望が強いんだろうと思う。
結果、私は脳内で、誰にも聞かれない言い合いをする癖がついてしまった。
一発でパシッと決める人に対する憧れもあるのだろう。
そういえば憧れがちなのも癖の一つである。

(文 sio)

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