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コンサルというもの

 こんばんは、Dr FJです。
今日は知床の遊覧船事故にからんで巷を騒がせているコンサルについて、私が思うことを書いてみたいと思います。

 最初にお断りしておくと、知床の事故の原因が何だったのか、本当にずさんな営業をしていたのかなどに関して、私は本当のところは全くわかっていない素人です。本当にずさんだったのかもしれないし、単にマスコミが面白おかしく話を盛って報道しているのかもしれない。こういう事故は、起こったときにはその責任が厳しく追求されますが、それが本当に不運が重なっただけのことなのか、それともきちんと予防策を講じていれば防げたことなのかは、当事者とその周囲の人にしか本当のところはわからないものです。私は医師として日々診療を行っていますが、やはり治療はうまくいくこともあればそうでないこともあります。そして、100%うまくいくということはありえないわけで、一定の確率で良くないことは起こりうるものなのです。

 そして、この事故に関して言うと、有名な経営コンサルがその経営方針に口出ししていたということが問題になっています。このコンサルの方はかなり癖の強い方のようで、内容を見ると何か新興宗教のようにすら思えるほど独自色の強い指導を行っておられたようですね。

 この動画のような挨拶を励行し、トイレの便座を素手で掃除すべしというような話のようです。こういう指導は私個人としては非常に気持ち悪いなという印象を持ってしまいますが、それでも業績が低迷している企業等にとっては良いカンフル剤として機能することもあるのかもしれません。人を動かすと言うのは理屈でどうこうというものではない部分もたしかにあり、ある意味では社員が変に自意識を持つよりは盲目的に指示に従うような状態の方が生産性が上がることもあるでしょう。実際にある程度結果を出した実績があるからコンサルを頼む企業があるというのは、そういうことなんだろうと思います。

 そして、同時に思うのはコンサルが必要ということは、それだけみんな悩んでいて誰かに相談に乗って欲しいということなんだろうなということです。特に、経営者は孤独でいろんな重要な判断を結局自分が全てしなければならないという重圧がかかっているといいます。そんな時に適切なアドバイスをもらえるとなったら、そしてその人のアドバイスでうまく行ってなかった会社が再建されたなんて話を聞くと、すがりたくなるのはよくわかります。同様に、経営のみならず恋愛、キャリア、副業、保険、資産運用、不動産投資、SNS…悩みがあるところに相談のニーズがあり、それはすべてコンサルの対象になるということなのでしょう。

 そんな中、私がコンサルに関して思うこと。それは、『使うのは一時的にして、なるべく早い段階で離れるべし』ということです。確かに自分が詳しくない分野に関して言えば、コンサルが持つ知恵や業界内での経験、様々な関係者とのコネなどコンサル料に見合った対価を得られるのだろうと思います。すべてを独学でやるよりは効率が良いことも多いでしょう。ただ、あくまでそれは一時的なもので、期限を決めて使うべきもの。ずっとそれに頼らなければいけないようだと、それは生殺与奪権を相手に渡しているも同様です。そのコンサル無しにはそのプロジェクトが回らないということであれば、それはそもそも自分の身の丈に合わないことだったということなのです。

 コンサルに頼めるのはあくまで『意思決定の相談』だけ。最終的に決めるのは自分だし、ましてやどこに行くのかを導いてもらう神様でもありません。コンサルに相談するときには、相談した初日からその人の思考パターンを一日も早く自分のものにする気でいくべきということでしょう。

 あ、あくまでこの話は"コンサル"の話ですからね。コンサルの部分を投資塾やオンラインサロン、インフルエンサーとかに置き換えちゃ絶対ダメですからね(笑)

まとめ

  • 宗教的なカリスマコンサルの話を聞いた。

  • コンサル自体は自分が詳しくない業界の情報を得るために有用なシステム。

  • ただ、あくまで期限を切って使うべき。ずっとそれに頼らなければいけないようだと、それは生殺与奪権を相手に渡しているも同様。

  • コンサルに頼めるのはあくまで『意思決定の相談』だけで、最終的に決めるのは自分自身。コンサルを頼んだその日からそのコンサルからの卒業を意識すべし。


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