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大家塾で集金したくなる気持ち

こんばんは、Dr FJです。

 今日は、ちょっと前の話でもはや完全に乗り遅れた感がありますが、キラキラ大家さんたちが高額塾を開いて課金することの是非について盛り上がった件について、私なりに感じることを書いてみようと思います。

 先日、大家塾への高額課金の是非についてtwitter内でひと悶着がありました。いろんなところでレスバトルが発生し、塾を主宰する当事者たちが一生懸命火消しに走り、一種の祭りのような雰囲気になりました。批判する側の意見としては『FIREしたキラキラ大家がマインドセットについて語り、日々tweetやlineグループで囲い込んでいてけしからん。そんな情報に意味はない…』といった論調で、対する主催者側としては『投資は結局自己責任。自分が必要と思う人だけが塾に来ればいい。全員が成功するなんて誰も言ってないし、中には成功する人もいる。』という主張です。私自身は大家塾への高額課金自体はそれが課金に見合う情報を得る手段として適切なら構わないと思っていますが、私のアンテナが低いせいか、残念ながら今のところそんな大家塾にはお目にかかったことがありません。

両者の主張の中でよく出てくる文言に

『成功しているなら高額のお金を取る必要なんてない』
『やる気と覚悟を示すのにはある程度の課金が必要』
『この情報で得られる利益に比べたら、塾の費用なんてはした金』

なんてのがあります。それぞれにそれなりの説得力があり、どれも100%否定できるものではないでしょう。

 また、高額大家塾には多くのヒヨコ大家、タマゴ大家が加入しているのも特徴です。まだ1棟目の物件を持っていない人、数戸の戸建を買いはしたものの、大きな1棟モノに進出したいと狙っている人、親からの相続で大家になっては見たものの、勝手がわからないから一通りの仕組みを作りたいと思っている人…。知らないことが多い人ほど学ぶべきことは多いので、必然的にそういう構成になります。こういったところは、反対派の人たちからは『右も左もわからないから嵌め込みやすい』『大したことない情報でも有用に感じてくれる』からその辺を狙っているんだろうと責められるところになりますね。

 ただ、私はこのあたりの指摘は本質をとらえていないんじゃないかなと思っています。まず、高額塾なんてやる理由ですが、これは、自分に現金がなくなって新たな融資が引けず拡大できなくなったから、なんだと思っています。銀行の人と話をしていると痛感するのですが、基本的には現在の相場環境では、不動産は買った瞬間から銀行がその値段より低く評価する値段でしか購入することが出来ません。つまり、買えば買うほどマイナスに評価され、ある程度の規模で債務超過に陥ることになるのです。そして、それを解消するためにはせっせとお家賃をいただいて残債を減らしていくしかないのですが、これには何年もの時間がかかる。ましてやCFを得るために長期にローンを引こうものなら、残債も全然減っていきません。さらにはある程度のCFが出るからということで本業の仕事を辞めてしまったりしていたら、その限りあるCFから自分の生活費も捻出しないといけなくなります。こんなことしていたら、いつまでたっても現金は貯まっていきません。

 そんな立場に自分が陥ったら…元手なく現金を稼ぐ方法=高額大家塾を開催したくなりますよね。もちろんターゲットは『まだ融資を引いていなくて与信に余裕がある人達』です。塾の会費で儲けるもよし、業者を紹介してキックバックをもらうでも良し、自分の抱えているイマイチ物件の出口にするもよし…。そうやって現金を手元に持ち、それを使って債務超過を脱して新しく物件を買いたくなりますよね。

 高額大家塾を開いている人たちが決して『自分の成功体験を人にも教えてあげたい』じゃないことは明白ですが、厳密に言えばお金に困っているわけでもないんだと思います。ちょっとずつ返済は進むが長期でローンを引いているので歩みは遅いのが不動産ということで、その遅さに耐えられないというのが本音なのではないでしょうか。そういう背景がなければ、あんな恥ずかしい思いをして派手な服着たり毎朝恥ずかしいポエムのようなビジネスメールやtweetを書いたりしませんよね。

 私個人としては、課金しても全然惜しくないような情報をいただいた方に対しては、何かを返したいなという気持ちを持つことはよくあります。それこそ、高額課金しても全く惜しくはありません。また、高額大家塾の方々が提供されているサービスや情報が本当にその値段に見合うものなのかの是非については私はまだまだ未熟な大家で判断できません。ただ、少なくともどういう動機でやっているかについては正々堂々開示されたらいいんじゃないのかなと思っています。開示したからといってその人たちが教えていることの価値が下がるわけではないのだから。私が塾生の立場なら、むしろどのような利害関係があるのかが明白になる方が信頼度が増して好ましい、とさえ思います。

 このようなことは何も不動産業界だけでなく、医者の中の上下関係、特に働かない上司と部下なんてところには似たような構図があると思います。例えばある程度の技術を獲得した上の人間は、その技術をもったいぶって出し惜しみし、下の子をやりがい搾取的に働かせて楽をするみたいなことです。人の性は本質的にはどこでも変わらないみたいですね。

…ま、あくまで今の私から見える景色の中で感じたことなので、全然見当はずれな意見なのかもしれませんけど。

まとめ

・高額大家塾に対する批判とその反応が話題になった。

・FIREしたキラキラ大家が高額塾なんてやる理由は、自分に現金がなくなって新たな融資が引けず拡大できなくなったから。

・教えることが動機によって毀損するわけではないので、むしろその動機を開示した方が良いのかもしれない。

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