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球団News!2022.6.25号 第46回全日本クラブ野球選手権大会南九州予選を振り返る【試合写真多め】

2022年6月12日、宮崎市生目の杜運動公園野球場(通称アイビースタジアム)。
ここで、第46回全日本クラブ野球選手権大会南九州予選が開催された。
結論から申し上げると、残念ながら予選通過はならず。
私自身も応援に行けず、柳監督代行にお聞きした話とスコアを参考に、この大会を振り返ってみようと思う。

宮崎市生目の杜運動公園野球場(アイビースタジアム)

大会概要

まず『全日本クラブ野球選手権大会』というのは、特定の企業を母体とせず活動をしている”クラブチーム”のみが出場する大会。

今回の南九州予選には4チームが出場している。
宮崎福祉医療カレッジ、宮崎灼熱フェニックス、薩摩ライジング、そして鹿児島ドリームウェーブ。

この4チームのうち2チームが、九州大会へコマを進めることとなる。

初戦:vs宮崎灼熱フェニックス

本来は6月11日土曜日の予定だった試合は、天候に恵まれず順延。
6月12日の11:30から行われた。

試合前の様子

先発は高卒ルーキー村上月斗[(株)ゼンケイ]。
4月の都市対抗予選では登板なしだったけれど、ここ最近調子を上げてきたということで起用となった。
初回をわずか10球、三者凡退に抑えて波に乗ったようだ。

#41 村上月斗[(株)ゼンケイ]

先攻のドリームウェーブは3回に先制したものの、すぐ裏に四球や二塁打で2点献上。追う展開に。

#24 鳥飼悠斗 [(株)ゼンケイ]
#7 吉田賢太[城山ホテル鹿児島]#23 小園健斗[ケイアイシステム]
#22 馬庭龍也[(株)ゼンケイ]
#55 川口侑宏[(株)ゼンケイ]
#7 吉田賢太[城山ホテル鹿児島]

とはいえ地力に勝るドリームウェーブ。その後はコンスタントに加点し、6回は11点獲得のビッグイニング。
終わってみれば6回コールド16-3という大勝だった。

2回から6回まで、先発村上[(株)ゼンケイ]は毎回奪三振。6回参考ながら8奪三振で、ちょっとしたミスターK状態だったことがスコアブックからも読み取れる。

鹿DW  0 0 1|3 1 11 |16
灼熱        0 0 2  | 0 1  0  |   3

第一代表決定戦:vs宮崎福祉医療カレッジ

6月12日はダブルヘッダー。
14時33分に灼熱フェニックス戦が終わり、15時16分には宮崎福祉医療カレッジ戦プレーボールという日程。

試合前の様子

宮崎福祉医療カレッジは、4月の都市対抗予選でも2度対戦し1勝1敗だった。ただ2試合とも「ドリームウェーブの悪いところが出た試合」だったから、その雪辱を晴らしたいところ。

先発は庵下竜世[ユーミーコーポレーション(株)]。
立ち上がりの制球が定まらなかったか、四球のランナーがヒットで生還し先制点を奪われる。

#25 庵下竜世[ユーミーコーポレーション㈱]

その後もジミ~に追加点を重ねられる展開。
4点のリードを許した7回の裏に3点を返しあと一歩まで行くが追いつくには至らず、3-4で第一代表を逃した。

4月の都市対抗で2度対戦し1勝1敗だった相手。
敗戦したときのイメージを拭いきれないまま試合に入ってしまったのかもしれない。「あのときと似て、一点ずつ取られる嫌な展開だった」そうだ。

とはいえ新人2人が気を吐いた。
この日は1番ファーストで出場の上村大希[ユーミーコーポレーション(株)]と、最近は不動の3番でサードを守る榎並虹太[(株)昴]。

#38 上村大希[ユーミーコーポレーション(株)]
#6 榎並虹太[(株)昴]

2人ともこの日は揃って3安打と好調だったようだ。

#25 庵下竜世[ユーミーコーポレーション(株)]#6 榎並虹太[(株)昴]
#35 埜川希龍[(株)ゼンケイ]
#0 深迫柊摩[太陽運輸倉庫(株)]
#27 山下大輝[鹿児島大学(学生)]

そしてこれは私の印象だけれども、宮崎福祉医療カレッジが今シーズンとてもイキイキしているように感じる。
毎年鹿児島での大会ごとに場内アナウンスで試合に触れるのだが、正直なところあまり印象に残るチームではなかった(ごめんなさい)。でも今年はいいチームだと感じる。それはドリームウェーブの首脳陣も口を揃えていたから、あながち気のせいでもないのだろう。

福祉医療C   1 0 1 | 1 0 0 | 1 0 0   | 4
鹿  D  W     0 0 0 | 0 0 0 | 3 0 0   | 3

第二代表決定戦:vs薩摩ライジング

翌6月13日月曜日は敗者復活戦。
本来ならば宮崎灼熱フェニックスvs薩摩ライジングの勝者と13時から対戦する予定だったが、宮崎灼熱フェニックスが棄権のため薩摩ライジングとの対戦。しかも天候が心配されたため、朝9時を待たずにプレイボールというイレギュラーがあった。

先発はエース今井翔[(株)ゼンケイ]。

#18 今井翔[(株)ゼンケイ]※写真は過日のものです

しかし先頭打者をヒットで出し、バント⇒ヒットで先制点を献上。
またも追う展開に。

前半のドリームウェーブ打線は沈黙、薩摩ライジングのエースナンバー18をつけた久保投手に三振の山を築かれた。

今井[(株)ゼンケイ]が波に乗り切れなかったか、6回から初戦を好投した村上月斗[(株)ゼンケイ]が登板。またもちょっとした奪三振ショーの様相がスコアから見て取れる。

とはいえ打線がつながらず、ぽつりぽつりと2点取ったのみ。
2-5で敗戦し、第二代表も逃す結果となった。

鹿DW  0 0 0|1 0 0 | 0 0 1   |   2
薩摩R      1 0 3 | 0 1 0 | 0 0 X   |   5

まとめ

「初戦の入り方が良くなかったです。
 3試合すべてを通して追う展開になってしまった。
 そのため常に焦って試合をしていたように感じます。
 そのせいで選手たちが普段通りのプレーをできなかった」
そう語ってくださったのは柳綾太監督代行[(株)ゼンケイ]。

出場4チームの中で練習量は1,2を誇るだろうし、スポンサー企業もしっかりしていて野球をする環境は整っている。
だから、正直なところ2チームある代表権を落としちゃいけなかったんだ。
当たり前に、二次予選に進まなきゃいけなかったんだ。

それはしっかりと踏まえたうえで、今大会の収穫をお聞きした。
「ピッチャーの村上月斗[(株)ゼンケイ]は得意球が真ん中ストレートという強気さ。そしてショートの馬庭龍也[(株)ゼンケイ]は自分の役割がよくわかってきた。
 この高卒ルーキー二人は活躍したし、大会を通じてすごく成長しました」

#41 村上月斗[(株)ゼンケイ]
#2 馬庭龍也[(株)ゼンケイ]

そして、上村大希[ユーミーコーポレーション(株)]。
彼は4月の都市対抗から調子を落とすことなくコンスタントに打ち続けている。そして今大会脅威の出塁率、7割8分!(注:筆者算出です笑)

#38 上村大希[ユーミーコーポレーション(株)]

現在の鹿児島ドリームウェーブの選手たち、個々の能力はこの数年で一番高いのじゃないだろうか。
ただ、まだチームになっていないのかな。
誰が何をするか、チーム内での自分の役割を探ってるのかな。

勝敗を決めるのはチーム力であって、個々の能力ではない。
球団ヒストリーを書くためにお話を聴いていても思ったが、今大会でもまた実感した。

そしてこれは改めて確認しておかなければならない。
鹿児島ドリームウェーブが目指すのは、クラブ日本一。
今大会の結果からはそこを目指すチームとは思えないかもしれないけれども、これはブレていないはず。
私のようないちファンも、「こんなもんじゃないよね?」と思っている。

だから、これからが超楽しみだ!
と思わずにいられません。

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