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成人式の思い出


1月10日、この日 奈良市では成人式があるらしい、娘は成人式の案内が届いていたけど、最初から出席する予定はなかったので、ずっと以前にその郵便物を捨てていた。

私は母親として、娘の振り袖姿を見たかったのか?自分に問うと、特にこだわりはなく、それよりも娘がニコニコと笑顔でいてくれる方がいい、と答えが出たので、成人式に出ない、写真も敢えて撮らないことに賛成したのである。

1月9日の夜、娘と成人式について会話をした、娘のグループLINEでは、附属中学校の同級生からの連絡で、成人式の後の同窓会の件でやり取りが頻繁にあるらしい、娘は全く反応せず、他人事のように傍観しているそうだ。

私はそんな冷静な娘に、自分の成人式の時の思い出を語って聞かせた、話しながら、私が成人式に対して余りいい印象を持っていないから、娘が鏡になって見せてくれていることに気づいた。

私はまだ自分の成人式の時の思い出に、悲しい悔しい感情を残している、だからnoteに記して、その感情を浄化しようと思った。

成人式当日、私は母に午前3時半頃起こされ、用意をして、父に軽トラで駅前に送ってもらい、そこから歩いて予約している美容院へ向かった。

その美容院は写真館と提携していて、着付けとヘアメイク、そして記念写真をセット価格で提供していた、先ずヘアメイクからのスタートだった、髪を結い上げる為に逆毛にするのが痛くて、私の担当の美容師さんはベテランの女性だったけど、なんか怒っている感じで、乱暴なのが気になった、やっと出来上がり、メイクも施され、鏡を見せられた、写った自分に仰天した!!

めっちゃブスやん(≧□≦)!!どうしてこんな髪型で化粧になるの!?どう間違っても40歳のオバサンにしか見えない!!これはヤバすぎやで!もう帰りたい!

あまりの酷さに、テンションは爆下がり、それから流れ作業のように着付けコーナーに行かされ、振り袖を着付けてもらった、私はお店の人のお世辞に騙されることなく、絶対こんな私は私じゃない!誰も私を見ないで欲しい!と切望していた。

そして少し離れた写真館に行き、写真撮影、笑って、笑ってと何度も言われたけど、自分の外見にガッカリ来ている私は、全く笑顔になれず、ひきつり笑顔の写真になること確定だった、それもまた落ち込む原因に。

そして待ち合わせの駅前に行く、親友たち3人と合流して、成人式会場までの長い道のりを歩く、もうすでに履き慣れない草履が親指を痛め付けてくるので、裸足になってやろうか!ってくらいに激痛だった。

私はこの世の終わりのように落ち込んでいた、私の初恋のO君に会えるかもしれない、その肝心な日に、私はとんでもない醜い女になっているのだ、絶対に彼に見られてはならない!と心に誓った、だから式の内容もほとんど印象には残らなかった、そして式が終了して、久しぶりの再会に盛り上がる人達には構わず、私は早く帰ろうと思っていた。

親友のMちゃんも、一緒に帰ろうと決まったので、タクシー乗り場まで歩く、もう草履が痛くて限界だった、そしてやって来たタクシーにMちゃんから乗り込んだ。

私達は、運転手さんに行き先を告げると、運転手の初老のオジサンは、突然キレ始めたので、ビックリした。

オジサン曰く「あんたらみたいなチャラチャラした奴等が一番ムカつくねん!浮かれやがって!何様のつもりや!ボケが!着飾ってても大したことあらへん!お前らみたいな奴等がこの国をダメにするんや!」

ずっと延々文句を言い続けるのだ、時々怒りがピークに達すると、運転も乱暴になり、めちゃめちゃ危なっかしい!何でよりによってこんなタクシーに乗るはめになったのか、訳がわからなかった。

そして、親友の自宅付近に到着したので、親友が、「ここで降ります」と言う、タクシーは路肩に停車して、ドアを開けた。

ところが私達は大きな間違いをしでかしていた、先に降りる方が後に乗り込まないといけなかった!親友が先に乗ってしまったので、運転手のオジサンは激怒したのである。

またまたオジサン曰く「アホか!!お前らは!そんな常識も知らんのか!ハア~情けない!さっさと降りろよ!ムカつく!」と散々怒られた。

私はその時、自分もここで降りて家まで歩こうか?迷った、こんなヤバい運転手と一刻も早く離れたい!しかし自分の外見のみっともなさと、草履の痛さの方が勝り、結局タクシーに乗り込んだ、そして気まずい車内、でもどういう訳か、オジサンは舌打ちはしても何も言葉は発しなかったので、助かった。

そして、やっと自宅付近、タクシーを降りた私は、一目散に家に向かった、出迎えてくれた母の姿を見て、やっと緊張が和らぎホッとしたのを今でも覚えている。

その後、母に成人式のことを話し、特に帰りのタクシーの運転手のオジサンのことを話しながら、悔しくて涙が出て来た、母も一緒になって怒ってくれた、私以上に怒りだし、「タクシー会社に苦情の電話するから、どこのタクシーか言いなさい!」と大興奮していたので、慌てて止めた。

私は母が自分のことのように怒ってくれたので、少し気持ちがおさまって、タクシーのオジサンにこれ以上関わる気持ちはなかったのだ。

このようなエピソードによって、私の成人式の思い出は暗い影を落とす結果になっていた、でも今こうして書いていると、レアな体験だったから、ネタになったんだな、とかえってあのタクシーのオジサンに感謝の気持ちが芽生えてきた。

そして成人式に出席する為に、母は私より早起きして、私を起こしてくれた、父はまだ真っ暗な中、軽トラで送ってくれた、美容師さんや写真撮影の人にもお世話になった。

沢山の愛を与えてもらっていたことに、改めて気づいた。

後日写真が出来上がり、受け取りに行った、やっぱりひきつりまくりの私が写っている、このメイクと髪型は絶対私には似合わない、とわかったので、今後の参考にしようと思った、おまけでついていた、小さな写真は、父が財布に入れて持ち歩いていると、後で母から聞いて知った。

あんな姿の娘でも、父にとっては大事な娘なのかな?とちょっとだけ嬉しかった、やっぱり幸せにフォーカスすると、嬉しいことが思い出される。

幸せをありがとう♡

ここまで読んでくださって感謝します。



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