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実家での6日間❬三日目❭


実家に滞在して三日目、もう定番になりつつある朝の行事のように、母がキッチンに来たら自動的に吠えるワンコのこゆき、私はこゆきを手が痺れるまでずっと抱っこしてなだめる。

そんな時、母は意地悪な性格になり「大変な犬やな!こんな犬との生活耐えられへん、あともうちょっとの我慢や、お前も苦労やな、こんな犬に振り回される人生やもんな」と言う。

もう慣れて来たので、いちいち反応はしなくなって来たけど、やっぱり良い気分にはなれない、それに意地悪を言う母のことも気になるところだ、母は幸せではない状態だから、私に嫌味を言って発散しているのだ、私が滞在している間に出来る限り、ポジティブな気持ちになり、これからの生活を明るい方向に持っていって欲しかった。

そこで私は、母が機嫌がいい時に、私が学んだスピリチュアルな方法で、幸せの方向に軌道修正出来るように、伝授することにした。

ネガティブなことをオーダーするように呟いてしまった時は、取り消します!と宣言するんだよとか、どんなにムカついても言葉は「幸せをありがとう」を唱えるんだよと伝えた。

母は妙に素直な性格なので、わかった、そうする!と従う、でも少しすると完全に忘れて、ネガティブな思考に占領されるパターンを繰り返していた。

だからこゆきが母に向かって吠えまくることは6日間ずっと続いたのだ、母は思考だらけの人物なのだ、休む暇なく何かしらの思考に支配されて生きている、母が唯一無になるのは、寝ている時と大好きな時代劇の水戸黄門を観ている時だと判明した。

そこで娘と私は、夕方母がキッチンにやって来たら、テレビをつけて、BS放送で水戸黄門を映す、すると母はその物語に即座に入り込み、思考を停止して、没頭するのだ、母が穏やかな表情で水戸黄門の世界に入り込んでいる姿を見て、娘と私は目配せして良かったねと言い合っていた。

時間を戻して、その日の午後2時頃、母はスーパーに買い物に行くらしい、足の悪い母は父に車で送ってもらい出掛けて行った。

私たちもこゆきの散歩に出かけた、そして帰って来たが、鍵はかかっていたので、まだ母は買い物から戻っていないようだった、リビングで待っていると、父が買い物の荷物をリビングに運び込み、母も帰って来た、その荷物を私と娘が整理するのを手伝おうとしたら、突然母が「触らんといて!」と叫んだのだ。

ビックリして手を引っ込めた、母は物凄い形相で怒り狂っている!どうしたんだろう!?勿論こゆきは最大級に大きな声で、母に向かって吠えまくる、その事で母は益々狂ったように興奮して怒りを露にしていた。

そしてついにこゆきに向かって母は「このアホ犬!!黙れ!!うるさいんじゃ!」と怒鳴った、その剣幕にこゆきもビックリして黙ったので静まり返った、母は急に大袈裟に笑い出し「やっぱりこんなアホ犬には怒らなあかん!これからは怒ったる!賢い犬に躾たる!」と母、すると突然こゆきが噛みつかんばかりに母に飛び付いた!母は足が悪いので転びそうになる、何とか事故にならずに済んだ。

こゆきは怒って躾るなんて無理なワンコだ、そんな古い考えでは、変えられない、やっぱり大切なのは愛なんだと思う、でも母には通用しないことだった、ただこの時の母は、何かしらの邪気が取り憑いていたとしか考えられないくらい別人だった。

恐らく、思考だらけの母が、スーパーで買い物中、色々ネガティブなことを考え、勝手に苛立ち、怒りを出し、その波動につられて同じ波動の邪気が母に取り憑いて、家までついて来たのだと思われる。

母は毎日、こうして邪気に取り憑かれ、さらにネガティブになり、苦しい現実を生きていたのだ、私は言霊の重要性を、母を見て実感していた。

私と娘がそんな母に楽しい雰囲気で話し掛け、母は少しずつ本来の母に戻って来た、段々と笑顔になってくれたのでホッとした。

そして夕食の準備、また母が不機嫌になる、その時私はいつもなら聞き流すのに、母に対して苛立ちを隠せなくなり、怒鳴ってしまった。

私にも邪気が取り憑いて、怒りが増して来たようだった「なんでそんなに機嫌悪くなるの!?それに私に嫌味言うのやめて!私はそんなに最低な娘やの?私はただお母ちゃんにそのままで良いんやでって認めてもらいたいのに、いつもお母ちゃんは私を否定する!それが我慢できへんのや!」

母も「何を偉そうに言うてんねん!お母ちゃんがおらんかったら何もできへんくせに!今までどれだけあんたの為にしてやったかわかってんの!?」

このままでは平行線なので、私はその場から移動して仏間に行き、荷物を整理しながら頭を冷やすことにした。

幸せをありがとうを唱え、仏壇の御先祖様に手を合わせ「どうか母の為に最善の解決策を教えてください」と祈った。

すると心が穏やかになり、素直に謝ろうと思えた、だからキッチンに戻り、母に声をかけた「ごめんね、お母ちゃんは私の事本当は大事に思ってくれてるんやね、本当は私を大好きなんやね」と言った。

母は最初拗ねていたけど「そうや!お母ちゃんはお前の事大事に思っている!大事な大事な娘なんや!」とハッキリ言ってくれたのだ。

娘が側にいる手前、涙を見られるのが恥ずかしくて、冗談半分に「やっと本音を言ってくれたやん!お母ちゃん凄いやん!」と誤魔化したけど、私はやっと母からの愛情を受け取ることが出来た思いで、嬉しくて心の中では号泣していたのだった。

この時のことを思い返すと、意識したことが現実化するスピードがかなり早まっているのがわかる。

いつもなら、数日かかるほどのタイムラグがあるのに、13日以降は1日のうちに叶ったり、翌日には現実化するような感じになっていた。

だから、母との確執も少し解決して、苦しみが軽減されつつあった、母が私を嫌っているのではなく、私を大事に思うあまりに、色々心配して勝手に妄想して、そのネガティブな思考に支配され、攻撃的になっていたと、ハッキリわかったから。

今後も母には、感情を乱されることがあるだろう、でも根本に愛がある!とわかっていれば、深い溝に落ち込むことなく、速やかに母を許し、母からの本当の愛を受け取れる自分になれる自信が出来た。

そんな私にさらに苦しみが用意されていたとは!ここまできたらありのままに文章にして、本気で手放そうと思います。
次回も読んでくださると、嬉しいです。

幸せをありがとう♡

ここまで読んでくださって感謝します。



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