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地獄の歩き方

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あなたがいつかは行かねばならない死出の旅に備えた現代人のためのガイドブック。 なかでもとりわけ面白そう(?)な地獄の特集です。
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#知のびっくり箱

<地獄の歩き方> 第1回 地獄は壮大なテーマパークだ!

<はじめに>  あなたが亡くなったとき、もしくはあなたが喪主となってご家族を弔うことになったとき、ご自身やご家族が熱心な仏教徒でないとしても、仏式で葬儀を行われる可能性が高いのではないでしょうか。お坊さんがやってきて、お経を詠んでくれたり、残った家族にお話をしてくれます。その有り難いお話によれば、われわれは死後、極楽または地獄へ行くということです。  しかし、あなたはそこがどんなところでどんなしきたりがあるのか、ご存知ですか? 初七日とは、四十九日とは? 死後の旅に関係す

<地獄の歩き方>第2回 さあ、旅に出よう!

 旅行はなにも決めずにブラリといくよ、と無計画に出かけるのがお好きな方もいらっしゃるかも知れませんが、大概は飛行機や電車のチケットを取ったり宿泊予約を取ったりする関係から、旅程ができます。死出の旅では、あなたが知っていようといまいと、すでに旅程表が作られています。死んだらあなたはどうなるのか、詳しく見てみましょう。 【旅程表 : ITENARARY】  現世から、旅の終着地点まで、49日がかかります。これを冥途といいます。冥途というのは、来世のことでなく、その間のことなの

<地獄の歩き方>第3回 地獄へのチケット

 さて、だいぶ地獄にご興味が沸いてきたのではないでしょうか?  しかし前回でご説明したように誰でも、地獄へ行けるというわけではありません。この世での大罪が、地獄へのチケットになります。しかも各地獄へ行く為の条件があります。八つの地獄のどこに落とされるかは、生前に犯した罪の種類で決まります。下層の地獄ほど苦しい刑罰が行われていて、罪の重い罪人はより下層に割り振られます。 【8つの地獄】  生前の罪と落ちる地獄は以下の様に対応してます。  無間地獄はもっとも重い罪を犯した人

<地獄の歩き方>第4回 八大地獄案内1

 ではいよいよ、八大地獄のそれぞれについて、どんな刑罰が行われているのかどんな場所なのか見ていくことにしましょう。 1、等活地獄  互いに憎みあい、傷つけあう地獄です。  この地獄に落ちた罪人は、鉄のような爪を持ち、罪人同士が出会うと、その爪でお互いの身体を引き裂き合い、血肉がなくなって、骨になるまで戦い続けます。また、地獄の獄卒(鬼)が、鉄の杖や棒で、罪人の身体を頭の上から足の先まで、徹底的に叩き潰します。または、鋭い刃物で、細切れに一寸刻み、五分刻み、にされます。  

<地獄の歩き方>第5回 八大地獄案内2

八大地獄案内の後編です。 4、叫喚地獄  ここでは獄卒(鬼)が牛頭馬頭以上にパワーアップします。  牛頭馬頭ではなく、金色の頭をして、眼の中から火を放つ、赤い衣を着た鬼です。この鬼は手足が長くて、風のような速さで走り、大声で罪人を追い詰めます。罪人は、鉄棒で頭を殴られて、熱い鉄の地面を走りまわらされたり、熱い鍋で繰り返し炙られたり、お茶を煎じるように煮られたりします。また、金はさみ(やっとこみたいの)で口をこじ開けられ、熱く溶けた銅を流し込まれます。内臓が全て焼け爛れて、