誰も責めることなくきちんと自分の想いを伝えること。出逢い・ご縁・そしてやっと『はじめまして』
私が山本美也子さんに出逢ったのは約8年くらい前だったでしょうか。
夕方のニュースがきっかけです。
最愛の息子さんが飲酒運転の車によって命奪われ、飲酒運転撲滅の運動を一生懸命にされている山本さんご夫妻の様子が放送されていました。
こんな形であっという間に大切な大切な存在を失った衝撃と悲しみは何年経っても癒えることのない辛く苦しいものだと思います。
怒りもあったでしょうし、憎しみだって。
紛れもなく加害者が悪くて、息子さんは被害者で、彼女たち家族は憎んでも罵ってもいい立場です。
でも、そのニュースをきっかけにYoutubeで山本美也子さんの講演映像を見て、『なんでこんなふうに人を責めずに生きられるのだろう』って身体中に衝撃が走ったのです。
山本さんは、飲酒運転撲滅の訴えを一生懸命にする彼女らに、『飲酒運転なんか無くならん!』人生の先輩である年配の方々には特にそう言われたとおっしゃいます。
そんな社会に対し、どうアプローチしていけば飲酒運転は無くなるんだろう、と山本さんが続けてこられた運動は、『思いやりで社会を変える』ということ。
誰も責めず、かと言って、伝えたい思いは精一杯伝える。決して躊躇しているのでも遠慮しているのでもない。
《なぜ飲酒運転をするのだろう》という社会背景的な問題にも目を向け、《なぜ飲酒をしたら運転してはいけないのだろう》《飲酒をしたら人間の脳や判断能力はどうなってしまうのだろう》《人によってお酒に酔いやすい人酔いにくい人がいることを実験してみよう》などということを科学的にも研究し、講演の中でお酒に酔った状態を作り出したり擬似体験したりする時間を設けて、お話を聞いた皆さんに飲酒運転がなぜいけないかをご自身でわかっていただく方法をとったりもしていらっしゃいます。
お酒は悪くないし、車も悪くない、一人一人の人間も凶悪犯でもなんでもない。
《飲酒運転》がいけないのです。
誰かの大切な人に思いを馳せ思いやりを持って運転し、正しい知識と想像力をもって考える。
ただひたすらにそのことを訴え続けておられる姿がそこにはありました。
当時私は、障害者問題や障害児福祉問題など、なんとかもっと世の中に娘たちが置かれた現実に目を向けてもらいたいと行政や障害者団体、議員さんや福祉施設などいろんなところで声を上げはじめていました。
話の通じなさに声を荒らげることもありましたし、自身の不甲斐なさや悔しさに涙することもありました。どうしてわかってもらえないんだろう、なぜたったこれだけの権利が私たち家族や娘にないんだろうと怒りを向け、一見正当と思われる意見をガンガンぶつける日々でした。
自分で言うのもなんですが、私は正義感が強くて曲がったことがなかなか許せない性格です。だから真正面から正しいと思うことをぶつけてしまうきらいがあります。
でも、いくら真っ当で正当な意見でも、責め立てるようにぶつけられたらぶつけられた方はたまったもんじゃないですよね。
そんな方法ではわかっていただいたり、共感していただいたりすることはなかなかできませんでした。
それでも、そんなふうになかなかわかってもらえなくても、社会と【闘う】しかないんだと思っている私がいました。
そんな私に、山本さんの誰も責めずに世の中を変えたいという思いは眩しすぎるくらいの大きくて強い光となって、降り注ぎました。
私にとってこのご縁はまさに私の革命に繋がる出逢いとなったのです。
そして、居てもたってもいられず、山本さんにお便りを差し上げました。
私の一方的な出会いから少し経って、山本さんの立ち上げておられるNPO法人『はぁとスペース』の種々の活動も知りました。障害を持った子どもたちのスポーツを支援する活動、地域の中の居場所作り、など、共感するものが沢山あって、いつもSNSやホームページなどを興味深く読ませていただきました。
関西在住の私にとって福岡の山本さんの活動に直接触れる機会はなかなかなかったのですが、離れていてもできる活動、飲酒運転撲滅のステッカーなどを購入してちょっとだけお手伝いさせていただいたりもしました。
そして、その出逢いから数年経って、ここ3年ほど私もちょっぴり講演や講義をさせていただく機会に恵まれるようになったのですが、その時に一番最初にお手本にさせていただいたのは山本さんのご講演でした。
いつもまっすぐな瞳で、笑顔で、まごころを込めて。
彼女のように、人様の心に届くお話ができるようになりたい。
いつもそう思っています。
その後、ずっとインターネット上やお葉書のやりとりはあったもののなかなか直接お会いできる機会もないまま月日が流れました。
ところが今年の初め、年賀状に『博多に行く機会があるんです』と書いたことに山本さんが答えてくださり、初めてお目にかかることになりました!
カフェで1時間と少しくらいの時間でしたが、初めましてとは思えないほどの共感の時間が流れ、たくさんたくさんお話しすることができました。コロナ禍で講演活動などはなかなかできなくなっておられるでしょうが、できる活動に思いを巡らせ、いつもアクティブな美也子さん。
文章や動画でお目にかかった時に感じた通りの温かさと意志の強さ、そしてホッとする安心感に包まれたひとときでした(^^)
山本さんもまちかど図書館という地域の集い場をされたり、カフェをされたり、なんとなく方向性も近くて、これからもたくさん刺激をいただいてお勉強させていただきながら私も頑張ろうと思います。
不思議なご縁での巡り逢い。
幸せなご縁です。
住む場所も経験もこんなに違うのに、あたたかく心を通わすことができる…。
その幸せをあらためて噛みしめています。
笑顔が増えるための活動をしています。 いただいたサポートは、稀少疾患であるアンジェルマン症候群の啓蒙活動、赤ちゃんから高齢者まで住み慣れた地域で1人でも多くの方が笑顔になるための地域活動の資金として大切に使わせていただきます(^^)