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長年医療費助成のお世話になってきた話(それが打ち切りになった話😅)

 今日は、なっちがお世話になっている医療と医療費について少し書きたいと思います。

 アンジェルマン症候群はその名の通り『症候群』なので、様々な『症状』を持つ疾患です。

 ・てんかん 痙攣 脳波異常
 ・言語障害
 ・動作や平衡の異常
 ・嚥下の異常
 ・振戦
 ・睡眠障害
 ・多動 過興奮
 ・側弯(成長とともに)
                 などなど・・・

 どれも日常生活に影響するやっかいな症状ではありますが、お薬などで治療できるものは痙攣や睡眠障害以外ほとんどないので、筋緊張や側弯などは今どんな状態かという診察や検査、フォローが主です。

 基本的には健康優良者ななっち。年に一度の脳波検査はするものの、ほかは3か月に1度の県外移動定期受診(京都の病院通っています)が主で、風邪や予防接種などの日頃の受診は近所の障害者や小児神経を見てくださるクリニックにかかりつけています。

 ほかに、4か月に1度の歯科と、4か月に1度の整形外科での脊柱や足の変形のフォロー。

 もちろん、健康な20代の女性に比べたら病院のお世話になっていますが、区分6の最重度障害者としては身体面の問題は軽いほうで、幸いなことに生活に支障をきたすこともほとんどなく過ごしています。

 日本の医療保険や市町村による補助というのは実によくできていて、『お金がないからお医者さんにかかれなかった』『治療が受けられなかった』とはならないように、本当によく考えられています。
 国民が、貧富の差で医療が受けられないことがないように、というのは、日本のお役人さんや政治家さんが一番意識を向けてこられた案件なのだろうな…と思います。今だって新型コロナの医療費は全て国庫負担なのですよ。

 まずは国民皆保険制度。
 そして、高齢者医療費助成制度、生活保護の医療扶助、障害者医療費助成制度、ひとり親世帯における医療費助成制度、高額医療費助成制度などなど…
 難病の場合は研究事業の一環で医療費助成制度があったり、身体障害や精神障害などで心身の障害を除去・軽減する医療について自己負担額を軽減させてくれる自立支援医療という制度もあったりします。

 我が家も、子供が小さいころは、乳幼児医療費助成制度・こども医療費助成制度というのがあり、昔は3歳まで・6歳まで、でしたが、今は中学卒業まで無料のところが多いですね。
 その後も今年の6月までは、一般家庭の我々の世帯収入であれば『障害者医療費助成制度』があるため、1医療機関につき月に2回まで上限600円で診ていただけました。
 1医療機関につき600円、お薬をもらう薬局1機関につき600円。
なっちのアンジェルマン特有の症状の診察、主にてんかんの定期受診は多くても1200円の自己負担で受けることができました。

 ところが。
 今年からなっちの兄が就職し、年間世帯収入が増えました。
 そのために、『障害者医療費助成制度』が打ち切られてしまい、なっちにも夫の共済保険の扶養家族として3割の自己負担が発生することになってしまいました。

 なっちの兄は同居はしているものの妹とは別の人生ですし、我々両親と同等に妹の扶養義務があるというのもなんだかちょっと違う気もしますが・・・。
 実際、市町村によっては本人の収入で判断してくれるところもあるようで、この辺りは市町村格差でしょうか。

 とはいっても、なっちほどの健康体であればまあ、数か月に1度の受診と投薬による医療費もさほど家計を圧迫することはないだろうと半ば諦めておりました。

 が、しかし。

 昨日はじめての『障害者医療費助成制度の受給資格』が切れてはじめてのてんかんの受診。
 受診そのものの費用は1000円程度でしたが…
 薬局で支払った薬代12440円!!!😵
 
 なっちはこんなにも公費に助けられていたのですね…。
 日本の医療費助成制度に心より感謝します。
 でも…この自己負担額が年に4回かかる娘だということですね…💦 ひゃ~
 てんかんの治療だけで年間5万円、それに加えて年に数回の歯科と整形があるとなると・・・なかなかいい金額です^^;
 
 それに、22歳の若い今だからこの程度で済みますけど、年齢を重ねるごとに不調が増えてくるとしたら…?そのたびに医療機関のお世話になるとしたら…?
 自分では不調を訴えにくい子たちですので、医療機関での診察や検査は結構重要なポイントになってくるわけで、我々健常者よりは受診機会が増えます。

 一般的には、健康な20代の女子にこんなに医療費はかかりません。
 そして、万一事故や病気で医療にかかったとしても、たいていは医療保険などにも入れていて医療費がカバーできたりします。
 ところが、生まれつきの障害を持っているこの子たちは当然ですが民間の医療保険にはなかなか入れません。あっても保険料がとても高かったりします。

 でも、こうして医療のお世話になり、検査をしたりお薬を調整していただいたりしながらやっと安心な日常を送ることができるのがこの子たちです。

 今後、生活習慣病などが心配になるお年頃まで、できる限り健康的な生活を送ることができるよう、食事や運動、生活習慣にも十分気を付けて過ごさなくてはなりませんね。

 同一世帯の収入増ということで打ち切られてしまった障害者医療費助成制度。
 夫の定年まで、もしくは息子が何らかの形で別世帯になるまではこのままでしょうか…。
 それだけ世帯収入が多くなったということなので何とかやりくりするしかないですね^^;(実感はないんだけど・・・^^;)

 アンジェルマン症候群の症状に対し医療でできることが少ない以上、人生において多くお世話になるものも医療領域ではなく福祉領域だとざっくり思っていました。

 ところが、やっぱり、病気は病気。なんといっても難病です。就学前の幼いころから22歳の今までずっと、医療にもずいぶんお世話になっていました。今まで市町村や健康保険組合に『お世話になって本当にありがとうございました』という感謝でいっぱいです。

 でも、この機会に、『てんかん』の治療における『自立支援医療』の申請だけは将来の親亡き後のこともイメージして考えたほうがいいのかもしれない…と思い始め、今、手続きのお勉強中です^^;

 いろんな意味で…気づけて良かったです。

笑顔が増えるための活動をしています。 いただいたサポートは、稀少疾患であるアンジェルマン症候群の啓蒙活動、赤ちゃんから高齢者まで住み慣れた地域で1人でも多くの方が笑顔になるための地域活動の資金として大切に使わせていただきます(^^)