見出し画像

言語聴覚士国家試験 再受験の現実


初めに


初めに言っておきます。
このnoteの内容には楽しい内容はほとんどありません。
人によっては「やる気がなくなる」「絶望する」かもしれません。

「本気で1年勉強して来年の国家試験に絶対に合格したい」


と心の底から思っている人だけ読んでください。

「今回は残念だったけど、1年間あるし来年は受かるでしょ」
ぐらいの気持ちの人は

勉強する気が「0%」
になって、絶望する可能性があるので
気分良く1年間国試勉強をしたい人は読むのをやめた方がいい。

これから話す「再受験の現実」は

嘘偽りのない「現実」です。

なんで僕がこのnoteを作成したのかというと

「再受験の厳しさ」「浪人生の1年」
を本当の意味で理解している人が少ないからです。

先に言います。

「あなたが考えている何倍も再受験者が合格することは難しい」


「1年あるから次は絶対に大丈夫!」
「不合格だったけどあと5点で合格できたんだから、一年で5点伸ばせばいい」
とか考えている人は

「ほとんど不合格になります」


ただ希望が持てることが1つあります。

この「再受験の現実」を読んだ上で

国家試験勉強を頑張ろうと思える人は

来年の国家試験合格のための
「正しいスタートライン」

に立つことができます。

「正しいスタートライン」に立つことが
国家試験に合格するための第一歩です。


多くの人は「正しいスタートライン」
に立てていないことすら気づいていません。

しつこいですが、最後に忠告します。

楽しい内容はほとんどない。

合格するより、気分良く1年勉強したい人は

僕のnoteを閉じて、自分が好きなことをしながら1年間勉強を頑張ってください。


再受験のリアル


国家試験は6割である、120点を越えれば
全員が合格して「言語聴覚士」の免許を得ることができます。

なので、STの国家試験は

「120点を越えればいい個人競技」

という人もいます。

この変え方は「半分正解」「半分不正解」です。

なぜかと言うと
確かに120点を越えれば合格できると言うことは

「個人の努力だけで合格をつかみ取れる」とも言えます。

ただ国試に合格するためには人の力も必要不可欠です。

国試勉強の時

あなたは1人だけの力で勉強していましたか?

きっと答えは

「いいえ」

になります。

学校の先生や同級生などさまざまな人と関わりながら勉強していたはずです。

なんで学校の先生や同級生があなたに協力してくれたかわかりますか?

それは「あなたに協力するメリットがあったから」です。



学校は学費を払ってくれる生徒には
「対価」として授業・国試対策・プリント・アドバイスなど
有益な情報を提供してくれます。

学校のほんとの目的は

1人でも多く合格者を出すこと

これが1番の目的です。

なぜなら合格率が低い学校には誰も入学してくれないから。

だから1人でも多く合格者を出すために
時には厳しく「補講」「課題」など
勉強せざるをえない環境を与えてくれます。

きっと「補講とか課題とか全然意味なかったじゃん」と
今は思っているかもしれません。

でも、再受験の1年を過ごしていくと分かります。

「なんであんな勿体無いことしたんだろう」
「もっと補講や課題をしっかりやればよかった」
「ああ、学校はなんて恵まれた環境だったんだろう」

後悔する未来が待っています。

学校しかあなたに勉強する環境を与えてくれません。

学校もビジネスです。

お金を払っていた生徒だからこそ
あなたの力になってくれていた。

ただ、中には手厚い学校もあり
浪人生にも手助けをしてくれる学校もあるらしいですが
現役生並みに対応してくれることはほとんどなく
「自分で勉強してね」「わからないことはちょっとだけ教えてあげる」
ぐらいのレベルがほとんどです。

手助けしてくれる学校もなかなか多くはないのが現実です。

同級生はどうでしょうか?

同級生は同じ目標を目指す仲間である”あなた”
だったから国試勉強に協力してくれていました。

現役生の最終目標は

「国家試験に合格すること」

あなたと共通の目的があったからこそ
一緒に頑張る価値があったからこそ
国家試験勉強に協力してくれたのです。

でも「合格した同級生」は新しい目標ができた。
新しい目標ができた同級生たちは

「新しい目標」を一緒に目指せる仲間と走り出してしまった。


もうあなたと一緒には走ってくれません。

現役生の時のあなたは自分でも気づかないうちに

チーム競技に参加していた。

学校も同級生もチームになる理由があったからこそ
あなたに協力してチームで国家試験勉強をしていたのです。

でも再受験の1年は全く違う。


学校はほとんど協力してくれない
一緒に勉強していた仲間はもう一緒には居てくれない

今まで当たり前にあった

「アドバイス」「勉強する環境」「勉強の進め方」「励ましの声」「安心感」

はあなたの掌の上からなくなりました。

再受験の1年は

ほんとの意味で「1人だけ」で戦い抜かなければならない


あなたに協力してくれる人は
ほんの一握りだけ


現役生だったあなたは「本当に」恵まれていた。

・あなたに協力してくれる人
・国家試験に関する情報
・国試勉強を進める環境

これら全てが1/10以下になった状態

であなたは2月まで「国家試験勉強」をしていかなければならない。


本当の合格率は〇〇%未満


言語聴覚士国家試験の合格率はみんな知っていると思う。

過去10年の合格率平均は「約70%」


合格率が低い低いと言われているけど、
合格率20%の司法試験や公認会計士の試験に比べれば
めちゃくちゃ高い数字だと思う。

それに10人受けたら7人が受かる国家試験
言い換えると
就職活動で10人受けたら7人が受かる面接です!
と言われたらあまり落ちる気はしないように
70%は低い数字ではない

ただこれはあくまで受験者全体の話。

再受験者であるあなたは

70%とは無縁の世界

にいます。

今から「再受験者の本当の合格率」を数字を交えて説明していきます。


過去11年の国家試験合格率のグラフ
受験者・現役生・再受験生別「合格者数」「合格率」の数値データ


上の図の「灰色」の線が再受験者の合格率グラフ
下の図の「黄色」の枠が再受験者の合格率である

結論から言おう

再受験者全体の合格率は「30%」未満であるが
再受験者の合格率はほんとは30%未満ではない


ん?なに言っているの?
と思う人が多いかもしれない。

今から内容を詳しく説明していく。

読んだ後には
みんなが知らない「再受験者の合格率の現実」を知るはずだ。

再受験者全体の合格率は

「30%未満」

このデータだけは知っている人もいるだろう。

みんながわからないのはこの文章だ。

再受験者の合格率はほんとは30%未満ではない

簡単にいうと

再受験者の中でも合格率は大きく変わる

「国家試験受験者」の中には
「現役生」「再受験生」の2グループがあるように
「再受験者全体」の中にも複数グループが存在している

今からいう話はほとんどの人が知らない話である。

なぜなら誰も調べたことがないし、考えたこともないことだから。

僕がInstagram・Twitter合わせて250人以上に調査した結果を
数人で分析したデータから導き出した内容です。

再受験者の中にはいろいろな分け方ができる。
例えば「受験した回数」「前回の国試の点数」など
今回、分けた分け方は
「勉強できる環境があるか、ないか」

大きく分けて3パターンある

・現役生と同様に勉強できる環境がある再受験者
・勉強できる環境はあるが、質は落ちる再受験者
・勉強ができる環境がない再受験者


・現役生と同様に勉強できる環境がある再受験者とは
「学費を払ってもう1年学校に在籍する」
「ST浪人予備校に在籍する」などである。
現役時代と同様に学習できる環境があり、勉強のアドバイスがもらえる。
学校内の授業にも参加できるため苦手科目の克服や再復習が可能である。
実習がないため、現役生以上に1年間国家試験勉強に費やすことができる。
現役生や同じ再受験する仲間と一緒に国家試験合格を目指していける。


・勉強できる環境はあるが、質は落ちる再受験者とは
「学校の好意で、学内模試や自習室などが時折使用できるが
ほとんど自学自習状態である」などである。
ほとんどが自学自習であり質問を先生にすることは難しい。
ただ、自習室や模試、対策講座などは利用できるため、
勉強する環境や国家試験の情報は得ることができる


・勉強ができる環境がない再受験者とは
「完全に独学で国家試験勉強をする」
「質問できる・相談できる環境がない」などである。
自学自習は当たり前であり、勉強する環境は自分自身で作らなければならない。
質問できる環境がほとんどなく、自分の考えや知識が正しいのかもわからない。
外部模試は学校からしか受けることができないため
新規の問題を解く機会が圧倒的に少なくなる。
勉強の相談やアドバイスをもらうことも難しい。

・① 現役生と同様に勉強できる環境がある再受験者
・② 勉強できる環境はあるが、質は落ちる再受験者
・③ 勉強ができる環境がない再受験者

この3グループの人数比率は
①20%
②30%
③50%

2021年度の受験者で計算すると

・① 現役生と同様に勉強できる環境がある再受験者は
「約140人」(20%)

・② 勉強できる環境はあるが、質は落ちる再受験者
「約210人」(30%)

・③ 勉強ができる環境がない再受験者
「約350人」(50%)

データを分析した結果

この3グループの合格比率は

①70%
②50%
③15%


※細かな数値は四捨五入しています。

分析結果を2021年度の受験者に当てはめると

・① 現役生と同様に勉強できる環境がある合格者は
「約100人」(合格率70%)

・② 勉強できる環境はあるが、質は落ちる合格者は
「約105人」(合格率50%)

・③ 勉強ができる環境がない合格者は
「約50人」(合格率15%)


再受験者の合格者数は「約250人」
データの分析結果の合格者数は「255人」

誤差はたったの「5人」
比率でいえばたったの「1%の誤差」である。

ここまで正確な結果になるとは僕自身思っていなかった。
だが、これが現実である。

データの信憑性は極めて高いと言える。

再受験者全体の合格率は30%ほどであるが

その中には「15%〜70%」もの差が現実的にある

これを読んでいる「あなた」がもし
現役生と同様に勉強できる環境がある再受験者
勉強できる環境はあるが、質は落ちる再受験者
のどちらかであるのであれば50%以上の合格率がある。
もちろん現役生の合格率には劣るが
大いに来年合格できる可能性があると言える。

問題は
勉強ができる環境がない再受験者だ。

繰り返していう
再受験者全体の合格率は30%だけど

勉強ができる環境がない再受験者は「15%未満」だ。

さらに年によっては再受験者の合格率が「13%」の年もある。
そんな年の「勉強ができる環境がない再受験者」の合格率は
「5%」を切るかもしれない。

もっとイメージしやすくしよう。

学年全体の人数は350人いる。
上位50人に入らなければ卒業することができない。

もし、僕のnoteを読んでるあなたが
勉強ができる環境がない再受験者であるならば

あなたは上位50人に入れる自信はありますか?

合格に必要な勉強時間は○○時間以上


言語聴覚士合格者100人以上の
国家試験の勉強時間データを入手することができた。

その結果、国家試験合格者の国家試験対策に用いた
平均勉強時間は

「584時間」

「584時間」が合格するために必要な勉強時間である

※自学自習時間+対策講座など
国家試験に費やした勉強時間だけで算出しています。

数字だけ見るとあまりピンと来ないかもしれない・・・・

一般的な受験生を例に挙げてみる。

アンケートを実施した結果
12月から勉強を本格的に始める人が最も多くいた。
なので12月1日から2月19日の「80日」を勉強日数と考えると

一日 平均「7.3時間」

12月  
平日 「4時間」 土日 「7時間」 
92+56=148時間

1月 
平日 「8時間」 土日 「9時間」
168+90=258時間

2月
平日・土日合わせて 「10時間」
180時間

これで3ヶ月の合計時間が「586時間」です

今回受験した国家試験に費やした勉強時間と比べてください。

もしあなたが上記の勉強時間に達していなかった場合
根本的に勉強時間が足りていなかったかもしれません。

勉強時間を達成している人は

勉強には「勉強時間」だけではなく
もちろんですが、「勉強の質」も重要になります。

質の良い勉強ができているなら
「584時間」より少ない勉強時間で合格できます。

逆に質が伴っていない勉強の場合は
「584時間」以上の勉強時間が必要になります。

勉強時間が多いからといって合格できるとは限りません。

確実に言える「真実」は

最低「584時間」は集中して国家試験勉強に取り組まなければ
国家試験に合格することは難しいことです。


国家試験受験後1ヶ月で

あなたの学力は「〇〇点以上」下がります。 


「国家試験不合格だったけど115点だった」
「1年で5点伸ばせばいいじゃん」

と思っている人
中にはいると思います。

はっきりいうと自分の能力を過大評価しすぎです。

「エビングハウスの忘却曲線」
みなさん知っていますよね?

厳密には節約率を表すグラフですが、今回はわかりやすいように
20分後には「42%」忘れるという「忘却率」として考えていきます。

みなさんの国試勉強の知識は

長期記憶+短期記憶=知識

という内容で成り立っています。

当たり前のことですが

長期記憶=忘れにくい記憶
短期記憶=忘れやすい記憶

国家試験合格には

「短期記憶を長期記憶に移行させる」

これがとても重要になってきます。

簡単にいうと
長期記憶になっている知識が増えるほど
安定して高い点数が取れるようになるということです。

点数で見るともっとわかりやすいです。

130点レベルから
知識が長期記憶に移行している割合が大きくなります。
長期記憶が70%以上
短期記憶が30%以下
長期記憶 > 短期記憶

120以下の人は
長期記憶が50%以下
短期記憶が50%以上
長期記憶 ≦ 短期記憶

きっとこのnoteを読んでるあなたは
国家試験に不合格だった「120点」以下の人だと思います。

1ヶ月経つとあなたが持っている
国家試験に関する知識のうち

短期記憶の知識は23%の知識しか残っていません。

長期記憶の1ヶ月の維持率は約90%と言われています。

国家試験を終えて1ヶ月経つと

せっかく頑張って覚えたあなたの知識は
長期記憶は90%
短期記憶は23%
しか知識として残っていません。

国家試験の点数が「115点」だったなど
120点近く取れていた人でも

1ヶ月後には
「約80点」ぐらいの知識しか残っていない。

あなたが来年の再受験に向けて勉強するときには

最低「30点」以上も知識が低下したところから国家試験勉強が始まるのです。

4月からスタートするときには
あなたの学力は「国家試験勉強」を始める前より
低い知識量になっているかもしれない。

「1年であと〇〇点伸ばせば合格できる」
みたいな甘い考えは捨て去ってください。

その余裕と甘えを持っていると

「1年あったのに成績が全然伸びない」
「むしろ、現役生の時より点数が下がっている」
なんてことが現実的に起こってきます。

ありがたいことに
多くの再受験者と僕はお話しすることができました。
お話しさせていただいた50人以上の再受験者の中で

1年で成績が「50点以上」上がった再受験者は
「たったの1人だけ」でした。

1年で成績が「30点以上」上がった再受験者は
「5人程度」

成績が「20点以上」上がった再受験者は
「8人程度」

その他の再受験者は1年間
確かに勉強したはずなのに
「20点以下」の伸びしか見られずに
中には現役生時代の点数を超えられなかった人も多くいました。

再受験勉強を始める前に
まずはネ○サスの業者模試をネットで購入してみるといい
2019〜2021年の模試をネットで購入することができます。

模試が届いたら
購入した模試を解いて採点してみてください。

「その点数が現在のあなたの学力です」

さいごに


ここまで僕のnoteを読んでくれた
「あなた」にはもうわかったと思います。

来年の国家試験合格するための
国試勉強をしていく道のりが
どれだけ険しい道なのかを

現役生の時と同じ考えをしていては絶対に合格できません。

再受験で国家試験に合格することは
現役生時代の何倍も合格するためのハードルは高くなっている。

なんとなく行けそうな気がしていませんでしたか?
ちょっと頑張れば合格できると思っていませんでしたか?

今ここであなたの
「甘い考え」「甘い気持ち」
を捨て去らないと
来年も同じ結果になると思います。


とても嫌な気持ちになりましたよね?
なんでこんな酷いことを伝えるんだ
知らない方がよかったと思うかもしれません。

僕がこのnoteを作成したのは

「再受験の現実」を知らなければ
再受験で国試に合格することは難しいからです。

僕のnoteを読んで
信じたくない人は信じなくてもいいと思います。

「私は大丈夫」
「私には関係ないこと」
「たまたま国家試験は合格できなかったけど、来年はきっと大丈夫」

と思っている人は自分で1年間
国家試験合格を目指して頑張ってください。

僕から何かいうことや
「アドバイス」をすることは何もありません。

来年合格したら「ヒロのいうことは出鱈目だった」
と僕に連絡してきてください。

でも、もし僕のnoteを読んで
「再受験者の現実」を知った上で

「私はそれでも1年間本気で頑張る」
「絶対に2月までどんなことがあっても合格を目指し続ける」
「来年、国家試験に合格して絶対にSTになるんだ」

と思った人は自分の甘かった考えや気持ちを受け止めて

自分の正しいスタートラインを認識して

これから不安な未来しかまだ見えないけど

それでも前を向いて合格を目指すあなたを

ヒロは全力で応援したいと思います。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?