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【小説】鳥かごの外は。。。#8

アキラは長年ためてきた500円玉貯金箱がいくら入っているのかが気になっていた。
500円玉だけではないので丸々期待した通りの金額が入っているわけがないのだが、それでもそこそこ入っているはずだった。

どうしても会いたい。。。

そもそも片道の代金は。。。空に上がらないと行けない。。。
大手で調べると片道だけども相当かかる。
日帰りで行くには何となくもったいない。

「片道で20,000以上か。。。」

溜息しか出ない。。。お小遣い制のアキラのどこにそんなお金が。。。
しかし、アヤとのことを考えるとあまりランクの低いところに宿泊もできない。
それなりのところと考えると、最低でも1泊10,000円のところを抑えたい。

なかなかに。。。かかるな。。。

空に上がるには高額になるということを決めてつけていたアキラだが、LCCのPRが目に入ってきた。
空に上がるのに信用できないところを使うのは気分が乗らなかったが、試しにみることにした。

アキラは目を疑った。。。さっき見た主要な会社の料金の半額。。。
多少心配はあるものの。。。事故などは聞いたことがない。

片道の料金で往復できるのであれば。。。。

貯金箱をこじ開け、全額を取り出した。
100,000円近くある…下手すれば3回会いに行ける。。。

アキラには「思いとどまる」、という選択肢が無くなっていった。
急いでLCCの予約をする。
アヤは誕生日に会えたらいいなと言っていた。。。
今から予約すればどこの席も選べる。。
ホテルも調べ、比較的新しく開業した、オールデザイナーズルームに格安で泊まれるホテルを見つけ出した。

準備万端だった。

「君の住む町に降り立つよ」

アヤは信じられなかった。
まさかあの距離を飛び越えてくるとは思っていなかった。
当初アヤは、実はリアルに会うことになるとは思っていなかった。

それでも、自分でも驚くほど惹かれてしまい、戸惑っていたのが止めようもなくなり、心がはちきれんばかりに膨らんだからこそ、写真を送り、メールを心待ちにしていたが、まさか実際に会う日が来るとは思わなかった。

それでも、アヤは飛び上がるほどうれしかった。
はるかに年上のアヤに魅力を感じ、あの距離をわざわざ会いに来てくれる。。
うれしさを隠せず、そのセリフにこたえていた。

「ほんとに???本当に会えるの???」

胸の高鳴りが抑えられなかった。

「ほんとうだよ。君に会いに行くよ」

もう二人とも、後戻りできなくなっていた・・・

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