見出し画像

予知夢?過去視?

 途中まで自分の夢の中にいたとはっきりわかっている。世界が全然違っていたからだ。
 かといって、本当に予知夢なのか過去視なのかはわからないが、寝ている間に起きたことを知っていることがあったので、あながち違ってるとも思えないのだ。

 私は自然あふれる場所で、相棒と一緒に電車に乗ってあちこち冒険して楽しんでいた。
 富良野に一度行ったことがあり、もう一度行きたいなーと思っていたからなのか、ノロッコ号にそっくりな電車に乗り、見たことある風景を楽しんでいた。
 コロナ流行ってるし、ただでさえ患者増えてるから実際にはいけないんだけどね。だからこそ夢で見ていたのだろう。

 いろんな動植物を拝みながら相棒と遊び、同じように自然を嗜んでいる男女の一組と仲良くなれた。どういう間柄なのか知らなかったが、とても仲が良さそうで見ていて微笑ましかった。

 ここから私だけこの夢から引っこ抜かれ、前の職場の飲み会に連れ出されていた。

 景色はガラッと変わり、お座敷というのか、個室というのかよくわからないが、会社の名前でとってある部屋へ通された。
 そこに連行されるまでに、靴が片方隠されたり、性悪ばかりされながらで、随分な嫌われようだなあと思っていたが、まさか会社の飲み会に行く世界だったとは…。

「正直帰りたい」という言葉以外出てこなかった。

 部屋に通されても、入り口でずっと立っていた。社長も社員もみんなこちらに気づかず挨拶もなく、透明人間になったような気分だったので、もう帰っていいかなと思っていると、例の人が声をかけてきた。
 私が辞める決定打になった人だけが手招きしている。

 逃げられないのか―と心で叫びながら呼ばれるままに進んでいく。
 いつものように「どうした?」と「大丈夫?!」を語気強くいってくる。特になにもなく普通にしているだけなのだが、この人は沈黙の後唐突にそう言ってくることがあったなーと嫌々ながら思い出させられた。

 職場のことなんて忘れて、ちょっとずつ鬱っぽい症状も軽くなってきたというのにこんな夢を見せられて最悪以外なにものでもなかった。

 憂鬱とした気分でいると、社長が飲み会の音頭を取り始めた。

「トロールのようなことを2度3度した人もいましたが・・・。」

 これはおそらく私のことだろう。そして私の言葉に変換されているが、本当は違う言葉が当てはまったんだろうなとなんとなくわかる。

 辞めたいと、入社して1ヶ月くらいのときに話し、それから頑張って、信じて続けてきたこともほんのり思い出す。
 しかしやはり耐えられなかったのだ。半ば逃げるようにして、最後辞めたいとお願いした書き置きを残したのを思い出した。
 面と向かってだと、またどっかのお店に連れ込まれて、話を全然聞かないで自分のほうが辛い思いしたんだ、お前はましだみたいなこと言われてるのが見えていたからだ。挙げ句の果てに色んな人に止められてるなんてでっち上げなのかわからない内容を言われる。正直それもうんざりだった。

 しんどいなーって夢の中で思っていると、場面が飛んだ。いくら場面がとんでも、コロナの都合上今年は飲み会ないはずだし、もしあるとしたらこれはどれも過去の話だろうと思わされた。
 みんなお通夜のようにしている飲み会だったが、さらに雰囲気が悪くなる出来事があった。
 パワハラすごい人が社長に誘いをかけだしているのだ。
 みんなが見ていないところでだが、声がだだ漏れ。喘ぎ声までしてくる。

 正直頭を抱えた。
 事務所でもそうだったが、裏でこっそり言ってるつもりなのだろうけど、悪口言っているのが普通に聞こえてくるし、めちゃくちゃ「被害者です」みたいに「水商売でもしろ。お前はそっちの世界の人だ」って言われたと辛そうに、しかも他の人の差し金に違いないと言いつつ、侮辱してきた人のことを「人間として欠損している」と罵倒していたが、なるほど根拠があったんだろうと、夢ながらに思わされた。
 これじゃパワハラ通り越してパワフル、暴力の塊みたいな人だったってことだな。自分でポロッともみ消せるとかいろいろやばいこと言ってたし、やはり根拠になる出来事があったから言われていたんだろう。

 実際はどうだったかわからない。
 私が思うに、ミスが多すぎるーーその癖人のことはボロクソに言うーーし、個人情報の管理もずさん、いろいろなところがいい加減なのに地位が高いからそう思われたのではないかと思っていたのだけれど・・・。実際こういう出来事が本当にあったなら気の毒だな。周りの人間が。

 夢の中でショックを受けながら目が覚めた。
 やはり、なにか理由があって意地悪されるんだなとも思わされもした。必ずそうだとは限らないと私は思ってるけれど、あの人は理由がある側だったんだな。

 もう辞めた会社のことだし、なぜ夢にこんなのが出てきたのかわからないのだけれど、ちょっとずつ、前に進んで忘れたい。
 嫌な思い出は次に活かすために覚えていたほうがいいけれど、ほどほどに、経験としてよかった部分だけで良い。

 あとやっぱ辞めて良かったな―。本当に良かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?