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洗車のたびに、ワックスオフ、ワックスオンのシーンを思い出す「ベスト・キッド」

この映画が公開されたのが1984年。まだ携帯もネットもなく、アメリカ人にとって、日本は今よりもずっとミステリアスな国だったのではないでしょうか。

そのミステリアスさを醸し出しているのが、この映画の空手の師匠、ミスター・ミヤギです。ご高齢にもかかわらず、若者を一撃、弟子のダニエルには空手のトレーニングと称して、洗車や床のワックスかけ、柵のペンキ塗りなどの肉体労働をさせます。

この練習方法は、ひと昔前の日本人なら、「見てまねろ」、「師匠には口答えせずに従え」と言った、ある意味道を極める上での通過儀礼のようなものなので、それほど違和感や抵抗感はなかったと思いまが、当時のアメリカ人はどう感じたのでしょうか。

私がアメリカにホームステイしたオタクでは、その家の小学生の子どもが、”Wax on right hand, wax off, left hand”とミスター・ミヤギのマネをしながら、車を洗っていたので、相当インパクトのあるシーンだったのでしょう。

世界標準としては、こういう効果があるから、今この練習が必要という、教えを請う人に理論的に納得させる必要があります。日本人でも今の若い人ならそうでしょう。誰もわけわからない練習を積極的にやろうとはおもいません。理不尽だとか。パワハラ、ブラックなど揶揄されるかもしれません。

しかしこのミヤギにはそれをさせるだけのオーラのようなものがあり、そして真の優しさがにじみ出ているからこそ、ダニエルもついていったのではないでしょうか。

いずれにせよ、この映画、最後のスカッと感と師弟愛がクセになってしまい、数年に1回は見てしまいます。

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