#001. ボイスコイルは語る [PEAVEY / IMPULSE1012P]

■症状:「アンプが壊れて音が出なくなった。」

 検証すると、ツィーターからは正常に音が出ていたが、ウーハーからは全く音が出ていない。12インチクラスのスピーカーは単体でもそこそこ低音が確保できる。そのため、ちょっとした現場では嵩張るサブウーファーを用いずに、これだけでなんとかパワーで乗り切ってしまう場面もしばしば。故に低域ユニットの消耗が激しいように見受けられる。
 実際に分解して調べてみると、アンプ側には問題なく、ウーハー側のボイスコイルが焼損断線していた。原因はオーバーロードに因る物とみてまず間違いなさそうだ。
 幸いリコーンバスケットタイプのウーハーユニットを搭載していたので、マグネットを残し交換完了。
 ユーザーは何故アンプ側が壊れたと思ったかは定かではないが、ボイスコイルの焼け具合から推察して、オーバーロード気味の状態で、ある程度の時間稼動させていたと考えられる。そうなると、アンプのヒートシンクも相当の温度に達していたはずである。ファンレス仕様のヒートシンクの温度は70℃以上に達することもある。余りにもヒートシンクが高温であった為、アンプの不具合だと勘違いした可能性は高い。


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