Dr.bourbon_ドクターバーボン

日本一の音響・照明機材の総合代理店を創業当初から26年間支えた技術主任。後世への願いを…

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日本一の音響・照明機材の総合代理店を創業当初から26年間支えた技術主任。後世への願いを込めて手帳の中身をここに残す

最近の記事

#003 黒い亀裂 [EVENT / 20/20BASV2]

■症状:発煙した  まず、この状態で電源を入れると危険なので、先ずはメインボードを外して実装パーツを調べてみた。ざっとみた限り焼け焦げた様子なし。ホコリなどの異物や電源付近の接触不良から起因しがちな発火という訳ではなさそうだ。  しばらく調べてみると、微かだが電源回路内の整流用ブリッジダイオード上に、黒く細い線が斜めに入っていた。拡大してみるとフェライト状のハウジングの亀裂であることが判明。少し力を加えてみたところ、その部分からハウジングが2つに割れてポロっと外れてしまっ

    • #002 パイロットランプが点灯しない [EVENT / TR5]

      ■症状:LED単独断線  電源は入りパワードスピーカーとしての動作は正常。しかし、フロントパネルに位置するLEDによるパイロットランプが点灯しなければ、目に付く位置に置くスタジオモニタースピーカーとしてはだいぶ気になる。  検証すると、当然電源回路やアンプ回路は正常。おまけにLED配線も正常であり、しっかりと電圧が来ている。最終的にLEDを外して単独で特性を調べると、LED素子そのものに断線反応が見られた。つまり原因はLEDの単独断線である。  強力な照明などのLEDは

      • #001. ボイスコイルは語る [PEAVEY / IMPULSE1012P]

        ■症状:「アンプが壊れて音が出なくなった。」  検証すると、ツィーターからは正常に音が出ていたが、ウーハーからは全く音が出ていない。12インチクラスのスピーカーは単体でもそこそこ低音が確保できる。そのため、ちょっとした現場では嵩張るサブウーファーを用いずに、これだけでなんとかパワーで乗り切ってしまう場面もしばしば。故に低域ユニットの消耗が激しいように見受けられる。  実際に分解して調べてみると、アンプ側には問題なく、ウーハー側のボイスコイルが焼損断線していた。原因はオーバー

      #003 黒い亀裂 [EVENT / 20/20BASV2]