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選曲する側の視点…1曲の平均0.5〜3秒の世界?

先日新しい仕事を受けました。内容はシーンに合わせて楽曲の選曲をする音効業務。
普段はクリエイターとして作る側だったんですが、選ぶ側の視点は新鮮で面白くて残酷でした。

今回はその中で新しい発見を3つまとめてみました。
・視聴時間が短い理由
・何に惹かれて選曲するのか
・楽曲で聞くポイント

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・実際聞く部分と視聴時間

初めに曲を選ぶ際にどのくらいの長さ聞くのか。

・聞く部分…曲頭、盛り上がり、ラストの3点
・平均視聴時間…0.5〜3秒ほど

こんな感じです。
曲を作る側からすれば恐ろしいほど短いです。でもそれだけ聞いた時の印象が採用か否かを大きく左右します。

 

・視聴時間が短い理由

理由は2つあるのですが簡潔にまとめると「時間内に膨大な資料から探す必要がある」と言うことです。

1つ目は「資料数が膨大」な点。

Audiostockなどオーディオ素材ではタグやキーワードで分類されてる中で探しますが、ベタなワードほど種類も多いんです。例えば「ダイナミック、ピアノ、迫力、カッコいい」とかのワードで検索をかけると数百曲は出ます。

その中から選ぶ=作業量がえげつない事になる というのはお察し頂けるかと。

ある程度ワードを厳選しても何十曲にもなるので、全部聞こうと思えば1時間はかかります。無理です。

2つ目は「作業時間の制限」です。

クライアントからの委託で受ける以上、納期が必ず存在します。

選ぶだけで良いなら余裕があります。ですがトラブルや予想できる対応を踏まえると、選曲作業はなるべく早めに済ませてその為の時間を作る必要があります。

納期ギリギリでドタバタするのはお互いにデメリットしかないですからね。

 
以上をまとめると
 
視聴時間が短い理由 → 【時間制限がある中で膨大な曲数を視聴する為】

 
素早く多くの作品を確認するには一曲あたりの視聴時間は短くせざるを得ないんです。

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もちろん一曲一曲聞けますが、そこもさらに時短する為に「選ぶポイント」を作ります。

これはクリエイター側から言えば「選ばれる為のポイント」とも取れます。

ではどういった点を見て選んでいるのか?

 
・何に惹かれて選曲するのか

まずタイトルです。
これが使用するシーンのイメージとの関連性が薄いと最悪無視します。

やっぱり曲名はすごい大事ですね。
選ぶ側に曲のイメージを伝える第一歩になるので、難しい言葉や専門用語は避けた方が良い印象です。

 
次に波形が表示されてたら見ます
波形にどのくらい抑揚があるのか否か。そこで「曲に対するイメージ」を自然と予想しちゃいます。

しばらく流しっぱなしにするようなシーンなら抑揚が激しくない方が使いやすいな…とか。

抑揚が極端に着いてると使えるシーンが限られるので、選ぶ側からすると「使いに難そうな印象」にもなります。わざわざ使い難そうなのを選ぶ事はしませんしね。

なので、壮大でドラマチックな展開がウリのオーケストラとかでもない限りは極端な抑揚は避けた方が良さそうです。

最後に楽曲の長さです。

選んでいく中では以下のような印象を感じました。

・短すぎる楽曲は長丁場の再生やループ加工に向いていない
・長過ぎる楽曲は中の展開を確認する上でも視聴する箇所の多さから作業量が増えがちでやりづらい印象です。

 
上記理由を踏まえて主観にはなりますが

比較的聴きやすいと判断する長さは短くても1分半〜長くても3分半 でした。

 

楽曲で聞くポイント

では実際に視聴するときにどういったところを聞くのか。
どういったところで選択肢から除外されるのか。
 
これはズバリ「楽曲の質」です。
実際に作業していく中で再生し始めた瞬間のクオリティでその後を聞くのか否かを決めてます。

つまり出音が安っぽい、クオリティが低い曲は
それだけで1秒も聴きません。

選ぶ側はクリエイターが思ってる以上に冷酷なもんですよ…

今回の話をクリエイター目線でまとめると!!
・タイトルは視聴するきっかけになるのでイメージと関連づける
・専門用語や難解な曲名は避けられやすい
・曲の長さは短くても1分半〜長くても3分半が使いやすい印象
・曲のクオリティを強く意識する(特に曲頭)
・楽曲全体の流れで抑揚を付け過ぎない

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正直ワンシーン(1曲)選ぶのに早くて数曲、長くて10曲以上をサササーっと聞いていくし

選んだ後も全体の流れを見て選び直したりクライアントとのやり取りで別案も選んだりするので、全体の作業時間は想像してるよりも長いと思います。

 
とまぁこんな感じでしたヾ(:3ノシヾ)ノシ

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