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地理試験は不要なのか?

タクシードライバーの参入障壁となっていた、地理試験というものがあります。
これは東京・大阪・神奈川の一部、名古屋・神戸で行われているもので、文字通り地理を覚える試験です。

難易度は、二種免許の学科よりは難しいと言われてます。
タクシー会社によっては勉強会や対策テストを実施しているところもあるそうです。

でもその地理試験が、2月29日付で廃止になったそうです。
おそらく、ライドシェア解禁の影響かと思われます。

地理試験が不要と言われる理由はいくつかあります。


1.そもそもナビがあるから地理を知らなくてもできる

これが一番大きいのかと思います。

でも、地理を知らないドライバーのタクシーに乗りたいと思いますか?
実際にはナビで表示されない場所なども結構多いです。
(これはナビ付きの車で運転経験のある方ならわかるかと思います)

また、いくらナビがあっても、地元の道は覚えなければドライバーは勤まりません。
一方通行の道や時間帯によって進入禁止の道など、色々とあります。
なので、「覚える」という作業はドライバーになってからの方がはるかに多いはずです。

2.地元以外の地理を覚える必要性がない

たしかにドライバーが地元以外に行くことはほとんどありません。

でも地理試験で役に立つことは確実にあります。
これで地元以外のいくつもの道と場所を覚えられます。

何より、「同じ施設の住所・街道名・最寄りの駅をセットで覚える」という思考法を身に付けることができます。

3.難しくて落ちる人が一定数いる

小泉進次郎は地理試験不要の理由として、これを挙げてました。
これは二種免許にも言えることですが、試験なので落ちる人がいるのは当然ですね。

でも、そもそも基礎的な学力がない人がドライバーに相応しいのでしょうか?
ドライバーは地理以外にも、運転しながら渋滞や工事中の道を回避して降車地までの最短ルートを紐づけする、降車地に着けば料金処理しながら次の付け場所を探すなどの、マルチタスクで処理する能力が必要です。

大げさに言えば、二種免許と地理試験ではそういう能力を問われているのではないでしょうか?

・さいごに

ただ、試験自体の難易度と適性は改正の余地があるかもしれません。
たとえば東京都東部の方にとって武蔵野市や三鷹市は不要な知識かもしれません。

あと、地理試験の地域が東京・大阪・神奈川の一部と名古屋、神戸と偏っていたのも問題です。
確かにこれらの大都市圏で覚えなければいけない場所が多いのは事実ですが、これ以外の地域でも同様に地理を覚える必要はあります。(エリア外が降車地になる可能性もありますし)
実際に地理試験がダメでタクシードライバーを挫折する人や、地理試験を逃れるために地方のドライバーになる人もいたみたいです。(その参入障壁がなくなりましたが)

お客さんは降車地や行き先のルートを住所・街道名・建物名などそれぞれ異なる名称で指定します。
ドライバーは基本的に頭の中で迎車地と降車地を紐づけて、最短ルートを導く作業が必要となります。

ドライバーになる前の頭の体操として、そしてドライバーになってから覚える作業に慣れるためにも、地理試験はあった方が良いと考えます。

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