見出し画像

制作過程の序盤では、言語化がカギとなる!

※毎週木曜日のレギュラークラスでは「ダイアローグ」をテーマに今まで使ったテクニックを用いてレッスンを行っている。

芝居制作の初めにとにかく真っ先にやりたいのが、演出家・スタッフ・俳優が「共通認識」を持つこと。
兎角、俳優は自分のセリフや見え方ばかりに注意が向いてしまうので、芝居に関してどうやって全体像を共有してもらうかが重要である。普通であればディスカッション・脚本読解など行って理解していくのだろうが、私個人としては余計な会話が多くなると思っているので、すぐに話し合いの場を設けることはしない。

今回は「プロット(あらすじ)」を書いてもらい、そのワークを通して話し合いをしてもらった。

◆芝居の視点を定める

『ロミオとジュリエット』を、「恋人同士の恋愛ドラマ」と見るのか、「家族の争い」と見るのか、「運命に翻弄された愛の悲劇」と見るのかで、作品創作の方法が全く変わってくる。

そこで今回使用するスキットについて役者全員で一つのあらすじを製作することにした。

あらすじを作ることは言葉を使う知的な作業ではあるが、芝居の何が面白いのかという本質的な会話ができて、作品に対しての共通認識が得られる有効的な手段である。

もちろん作品の規模やスタイルによってどう作って行くのかは様々であるが、ポイントは「お客に作品を、何を見てほしいのか?」を理解することである。

昨日のクラスでは、役者によってある登場人物を「普通の人」と見ていたり、「上から目線の人」と見たりと全く違った意見を持っていた。こういった意見の違いが後々致命的になってきたりするので、しっかり役者どうしの話し合いの時間が必要となる。

◆いきなり即興でやってみる

今回はかなり短いスキットなので役の目的(いつか説明します)を理解した後は、いきなり全部即興で行う。

セリフの流れに沿って、実際のセリフ、役の内的な声、テンション、感情を使って行う。これによって実際にどんな要素がこの作品には必要で、今の自分たちに必要なものが見えてくる。
昨日も、即興を行った後、役の目的が甘かったり、行動のバラエティが少なかったり、流れが悪かったり結構改善点が見えた。

必ず一回即興が終わるたびに、自分のやったこと、観ていたことに関する意見やフィードバックを言う機会を設ける。この時どれだけ自分の考えや気持ちの機微を言語化できるかが重要になってくる。客観的にいい作品に対してのヴィジョンが見えてくるのである。それによって作品の仕上がりにまで大きな影響が与えられる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?