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『日常と非日常を行き来する』参加者レポート(13)

レポート作成者:匿名

今回は、大池さん作の戯曲の一部が穴埋めになっていて、そこをグループで考えて、実際の上演まで持っていくという内容でした。

テキストは2つあって、1つ目は待ち合わせをしているAと付き合わされているB、そしてその2人のもとに謎の人物Cが現れて…という内容。
BがAに付き添っている理由、Aが待ち合わせをしている理由、Cの正体がそれぞれ穴埋めになっていました。穴埋めの内容は、かなり短時間で考えたのですが、各チーム、瞬発的だからこそ、何を面白がりたいのかがはっきりと現れている気がしました。
その後、テキストをチームごとに入れ替えて、上演してみました。私は普段、自分の団体で劇作・演出の両方を担当しているのですが、今回は、劇作/演出を切り離す面白さを感じました。なぜかというと、自分のチームのテキストを違うチームが上演した時に、想像と全然違うものが見れたからです。
自由な戯曲の解釈やセリフに身体が伴わないと出てこないような質感、場所の力によってうまれる雰囲気だったりを全部フル活用した上演に思わずドキドキしました。

2つ目は、触覚の生えている女子高生が地球から違う星へ引っ越してしまう日のお話。1つ目のテキストから少し難易度が上がって、短い1シーンを穴埋めしました。情報をどこまで開示するか、観客の想像力を広げるにはどうしたらいいかを考えながら、熟考しました。すると出来上がったのは、言葉数のとても少ないテキストでした。考え抜いた後の余白はいいなあ…と満足したことを覚えています。しかし、演出をつけるという作業にあまり手が回らず、ほぼセッションのような形で上演を迎えました。けれど、始まった瞬間に同じチームの皆さんのオーラが出まくりで、なんだか感動しながら演じることが出来ました。

どのチームの上演もすごく良くて、笑ったり時に感動したりしながら楽しみました。
帰り道に振り返ってみると、大池さんのテキストの力強さを改めて感じたというか、どんな風に穴埋めをしても成立するし、面白いってめちゃくちゃすごいことなんじゃないかなと思って、一人震えました。

大池さんや主催のお2人、参加者の皆さんの自然で柔らかい雰囲気がNOじゃなくてYESから始まる空間をつくり出していて、すごく居心地がよかったです。

ドラマチック界隈ってすごく、いい名前だなと思います。ほんとに、ドラマチックな時間でした。末長く続きますよう祈っております。そして、また参加できますように!

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