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最も心から見たい「モコミ」が始まった。

2021年1月23日(土)23:00に『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』の第1話が放送された。

小芝風花さんをコメディエンヌとして認識している人には、感情を持たないとされているモノの気持ちがわかってしまう繊細な“感覚”の持ち主である清水萌子美を演じる姿は新鮮だったに違いない。

萌子美は、モノの気持ちがわかる感覚によって工場で不良品のチェックを誰よりも素早く確実にこなす一方、自分の殻に閉じこもりがちでコミュニケーションに問題がある人間という難しい役柄だ。セリフを喋るシーンは少なめで、萌子美の心情は大半を細やかな表情の演技で見せることになる。

そんな萌子美だからこそ、それを演じるのは小芝風花さんでなければならなかった。2020年の『美食探偵 明智五郎』、『妖怪シェアハウス』、『書類を男にしただけで』の演技を思い起こすと、それぞれの役柄のキャラクターを的確に表現する顔つきはもちろんだが、中でも目の演技が絶妙だ。それぞれのドラマで演じた役柄の目のアップを見ただけで、どの作品か恐らくわかるだろう。それぐらいにキャラクターの造形が見事で、第1話からドラマの世界観に浸ることができた。

脚本を手がけた橋部敦子さんも小芝風花さんの演技力を十分すぎるほどわかっていたのだろう。「本読みの時に橋部さんから『もう全部お任せします』と言っていただいて」とインタビューで語っており、全幅の信頼を寄せていることがわかる。

主人公の「萌子美」という名前の由来を見逃しているかもしれないが「モノの 心を 見る」ことができるからモコミなのだろうと思っている。そして、小芝風花さんの出演作を心待ちにしていた自分にとってのモコミは「最も 心から 見たい」ドラマという意味でもある。2021年、また土曜日の夜が楽しみな生活が始まった。

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