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#69 透明なゆりかご(2018)-コミュニケーションとは何か?清原果耶の代表作

NHK紹介文

1997年・夏。17歳のアオイ(清原果耶)は、アルバイトの看護師見習いとして「由比産婦人科」へやってきた。いきなり中絶手術の現場を目の当たりにし、衝撃を受けるアオイ。院長の由比(瀬戸康史)、看護師の紗也子(水川あさみ)、榊(原田美枝子)らスタッフは、妊婦ひとりひとりにしっかりと向き合い、支えていた。アオイの母・史香(酒井若菜)は不器用でコミュニケーション下手な娘を心配するが、アオイは独特の感受性と根の優しさで、妊婦さんたちの心に寄り添ってゆく。「命って、何だろう…」産まれてくる赤ちゃんの圧倒的生命力にうち震えながら、アオイは自問自答し、少しずつ成長してゆく。

大事な要素が抜けている

よくできた紹介文だと思いますが、正確には「独特の感受性」ではなく「発達障害」ですね。母親とのコミュニケーションさえ上手くいかない看護師見習のアオイが、様々な出産に関わりながら、コミュニケーションの正解を考え抜くドラマです。重いですが、近年まれにみる名作です。

壮絶な人生

看護婦見習いとしてアオイ(清原果耶)が向き合う出産のほとんどが、中絶、性被害、DVなど、望まれないものが多く、妊婦さんやDV夫やトラウマを抱えた子供との対話がこのドラマの核でした。ドラマ前半では、母親(酒井若菜)との意思疎通がうまくいかず、親子関係が崩壊寸前まで進む様子が克明に描かれており、何度か視聴を断念しそうになりました。

テーマはコミュニケーション

ドラマの中盤で発達障害の診断が下されたことで、母親との関係は修復されますが、産婦人科での患者との対話には常に、葛藤がつきまといます。紹介文中の「命って何だろう?」というテーマは確かに含まれていますが、最終回でアオイが発した言葉ー「それでも私は考え続ける」(だったような気がします)から、他者への理解に苦しみながらも、その苦しさから逃げずに向き合い続ける姿こそ、このドラマの真のテーマであるように感じました。

一挙、再放送決定!

偶然とは恐ろしいもので、noteで書き記しているこのタイミングで再放送が決定されました。かなり重厚ですが、インクルージブの重要性が叫ばれる今だからこそ、1月27日、28日、29日の深夜に清原果耶さんの代表作をお楽しみください!

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