#13 顔だけ先生(2021)-神尾楓珠と貫地谷しおりのかけあいが絶妙
学校はブラックで良いのか?
当時はコロナ禍ど真ん中ということもあり、ブラックな学園ドラマが多く、先生が引きこもったり、先生や生徒が犯人だったり、凄惨ないじめが描かれたりと、メディアがこぞって「学校=ブラック」の構造を煽りたてていましたが、そんな中、「学校は友だちを作ることろ」「学校は先生と仲良くなるところ」というイメージを植え付けてくれた貴重な深夜ドラマでした。
会話のキャッチボール
人生の岐路に立つ高校生を救うパターンで構成されたドラマですが、その展開を際立たせたのが、主演ふたりが織りなす会話のキャッチボールでした。自由奔放な非常勤講師・遠藤(神尾楓珠)と神経質な学年主任・亀高(貫地谷しおり)による軽妙なトークの応酬によって、家庭の貧困やいじめといった暗いトピックが緩和され、安心して視聴することができました。芸術的といってもいいくらい、高速かつリズミカルな会話でした。
ライトな職員室
職員室の「2年生の島」の空気もライトでした。毎回、島の教員がひとりずつドラマに絡むのですが、回を追うごとに教員間の距離が縮まり、どんどん仲が良くなっていくのです。主演ふたりと絡む5人(八島智人、阿部華也子、和田聡宏、三浦涼介、笠原英幸)のライトな関係性が学園ドラマ固有の暗雲を払拭したと言っても過言ではありません。
個性的な2年B組
ドラマ「3年A組」はすでに有名な役者さんたちで構成されていましたが、このドラマの生徒役は「これから」の役者さんたちで占められていました。櫻井海音(ミスチル桜井さんのご子息)、綱啓永、三浦獠太(キングカズのご子息)、矢吹奈子(HKT)、小宮瑠央、景井ひな等、深夜ドラマによくぞこれだけ集めたもんだと感心しました。
学校は楽しい場所
このドラマの良さはココです。繰り返しになりますが、「学校=ブラック」というイメージを見事に吹き飛ばしてくれました。「こんな学校に通いたい」「こんなクラスに入りたい」「こんな先生と絡みたい」と思わせる魅力があり、高校生にぜひ見て欲しいドラマでした。2021年は、そういう明るい教育ドラマで満たされていましたので、ぼちぼち紹介します。
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