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#92 あさが来た(2015)-魅力ある脇役抜きでは成立しない朝ドラ最後の名作

NHK紹介文

幕末、京都の豪商に生まれた、おてんば娘の今井あさ。いいなずけで両替商の跡取りを夫にする。義父や大阪経済界の重鎮・五代友厚から商いを学び、持ち前の負けん気で炭鉱事業、銀行、生命保険事業を起こし、日本初の女子大学の設立にも奔走。幕末から明治の大転換期を生き抜いた女性実業家の物語。原案:古川智映子。脚本:大森美香。音楽:林ゆうき。語り:杉浦圭子。出演:波瑠宮﨑あおい寺島しのぶ玉木宏近藤正臣ほか。

朝ドラ、最後の名作

2010年から始まった朝ドラの復権。「純と愛」「まれ」は論外として、「ゲゲゲの女房」「カーネーション」「あまちゃん」「ごちそうさん」「花子とアン」「マッサン」に続き「あさが来た」でいったんブームが終了。カムカムの放映まで長く感じました。それにしても「あさが来た」は、いろんな意味でメリハリが効いていました。

コンビネーションの妙

九州炭鉱編での新次郎(玉木宏)とサトシ(長塚圭史)の和解。ナツ(清原果耶)を守る亀助(三宅弘城)。つかず離れずの雁助(山内圭哉)とうめ(友近)。すりおろしリンゴをきっかけに結ばれる千代(小芝風花)と啓介(工藤阿須加)。オシドリ夫婦の正吉(近藤正臣)・よの(風吹ジュン)と忠興(升毅)・梨江(寺島しのぶ)。新次郎(玉木宏)・あさ(波瑠)夫妻や、はつ(宮崎あおい)・白蛇はん(柄本佑)夫妻を凌ぐ絶妙のコンビネーションでした。よくぞこれほどの名コンビを集めたものです。

波瑠さんのブレイクのきっかけは?

まずは、宮崎あおいさんでしょう。史実では20代前半で病死するのですが、視聴者からの強い要望を受けて、最後まで登場することになります。「みかんの季節」以降、露出は減りましたが、宮崎さんとのコントラストなくして、波瑠さんのブレイクはなかったと思います。次に、玉木宏さんでしょう。陰になり日向になりあさを支え続けてきた新次郎の最期は泣けましたね。玉木さんの好演なくして、波瑠さんのブレイクはなかったと思います。

亡くなる直前の回

このドラマで異彩を放ったのが千代役の小芝風花さんでした。波瑠さんと実年齢が近いにもかかわらず、子育てに悩む母親と反抗期の娘の関係がしっかり成立していました。「これは即、ブレイクだな!」と信じていたところ、先にブレイクしたのは、テンションがやたら高い親友役の吉岡里帆さんでした。謎です。事務所の力関係でしょうか?

余計なお世話

序盤に登場した新選組の土方歳三(山本耕史)。「へぇ」しか言わないへぇさん(辻本茂雄)。テンションが高過ぎる成沢泉(瀬戸康史)。握手のためだけに登場した生命会社の社長(宮根誠司)。植木を届けただけの職人(山口智充)。嫌味な平塚らいちょう(大島優子)。NHKらしからぬ、忖度起用のイメージを感じました。関連するシーンをすべて削り、はつ(宮崎あおい)や五代友厚(ディーン・フジオカ)の描写に充ててほしかったなぁ。

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