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#89 流星ワゴン(2015)-際限なく続くタイムリープで取り戻される家族愛

TVer 紹介文(一部)

様々な家族関係を軸に描く、人生の再生と家族愛の物語。リストラと家庭崩壊により絶望の淵に追い込まれた永田一雄(西島秀俊)の目の前に、突如現れたワインカラーのワゴン。乗っていたのは橋本義明(吉岡秀隆)とその息子・健太(高木星来)。一雄は吸い寄せられるように車に乗り込み、やがて、決して分かり合えないと思っていた父親・忠雄(香川照之)が一雄と同い歳の姿で現れ、過去を巡る奇妙な旅が始まる。行き先は、一雄の人生にとって大切な分岐点。後悔の人生をやり直すためのドライブが、いま始まる。

タイムリープで救われる3つの家族

過去と現在を行き来しつつ、良かれと思って選択した行動が思わぬ結果を呼び込み、そのたびにタイムリープを繰り返し、新たな選択を行いつつ、3つの家族が愛を取り戻す繊細な過程を描いた人情ドラマです。いまや定番となったタイムリープもので、バックトゥーザフュ―チャー的な場面が数多くあるのですが、SF色を一掃してしまうくらい、感動的なホームドラマです。

ドラマの核は同年代の息子と父親の友情

このドラマは、人生に絶望し死を迎える寸前だった主人公・一雄(西島秀俊)と、一雄とともにタイムリープを繰り返し、一雄の背中を強く推す同世代の父親・忠雄(チュウさん)(香川照之)のふたりを中心に回っていきます。お互いの人生のやり直しを願い、時に自己犠牲を払いながら、熱く激しくぶつかり合うおじさんふたりの友情は感動的でした。最終回のラストで、父の死に目と向き合うシーンは感涙ものでした。

タイムリープの結果、同世代となってしまった不仲の親子

チュウさん、大活躍

一雄(西島秀俊)が絶望するきっかけとなった妻(井川遥)との不仲を修復する過程で、ちゅーさんが活躍します。また、一雄の息子(横山幸汰)がいじめと対峙し、克服する際にも、重要な役割を果たします。さらに、ちゅーさんたちは、成仏できるまでタイムリープの案内人を続ける親子・橋本義明(吉岡秀隆)と健太(高木星来)の成仏にも大きくかかわります。健太が新たな家庭を持った母親と再会するシーンは可哀そう過ぎました。

盛りすぎたタイトルに振り回されないように(笑)

1 父が自分の年齢の時この苦境をどう乗り越えただろうか!?
2 笑って泣ける親子の新コンビ!土下座愛
3 成功への道〜鉄棒感動物語!奇跡を起こせ
4 夫の愛で妻を救え!妻の秘密?笑いと涙の家族愛!!
5 ママを探しに大奮闘 健太の願いを叶えろ
6 チュウさんVS忠さん 頑固オヤジを倒せ!!
7 健太の別れは好かん 吹雪の肩車で奇跡を
8 チュウさん流で大暴れ!!父の愛
9 妻の本音 君を愛してる!!
10 チュウさんへ感謝 ワゴンの謎、完結!!

TBS日曜劇場ゆえ、盛り過ぎたイメージは拭えませんが、そんなふざけたドラマではなく、戦後、金融業で成り上がった厳格で不器用な父親・チュウさんの魅力で溢れかえった人情ドラマです。さすがは原作・重松清!


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