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#37 一億円のさようなら(2020)-夫婦の回想シーンが秀逸!

HP紹介文

つつましく平凡に暮らしてきた鉄平は、妻・夏代が48億円の遺産を相続していたことを知る。なぜ妻はそれを隠していたのか。会社での戦いに傷つく鉄平は人生の後半戦に逆転できるか。極上のファミリーストーリー!

3つのベクトル

ドラマの概要は上記のとおりですが、見どころはみっつあります。
1.会社を追われた主人公(上川隆也)の逆転人生
2.莫大な相続金を隠していた妻(安田成美)の想い
3.夫婦の若かりし頃の回想シーン

半沢直樹レベルの展開を楽しみたい方には「1」を、謎が解けるプロセスを楽しみたい方には「2」を、私と同じベクトルの方には「3」を勧めます。

回想シーンが秀逸

実はこのドラマの大半が「回想シーン」で占められています。何気ない出会いから始まる「ふつうの家族生活」が描かれているだけなのですが、なんの飾り気もない、ふつうで地味で、お互いを信じながら絆を深めてくファミリーストーリーが秀逸なのです。「トラブルに巻き込まれて苦悩する現在」と「素朴で幸せそのもだった過去」がドラマ中で繰り返し交差することによって、家族愛の深みが増してくるのです。

キャスティングも秀逸

上川隆也さんの若かりし頃を演じるのが松村北斗さん(SixTONES)、安田成美さんの若かりし頃を演じるのが森田美智さんです。このおふたりの演技がめっちゃいいのですよ。「うまい!」とかいう陳腐な表現では表し切れないほど、情感に満ちた素晴らしい夫婦を演じられています。私見ですが、主人公のふたりを完全に食っちゃっています。松村さんは「カムカムエブリバディ」同様、実直で誠実な役柄が合っているように思います。森田さんは「妻小学生になる」の恋愛下手の課長、「恋する母たち」のサイコパスOLのほかに、映画「全裸監督」でも爪痕を残されていますが、もっと評価されるべき方ではないでしょうか?ブレイクされる日を楽しみに待っています。



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