Dramagaメンバーと見るUTGvsBB Flop CB(2.5bb, 2bb open比較)
はじめに
Dramagaとは
Dramagaというのは、Drama(X : @RiverProbe)が同世代のポーカーが強い人たちを集めて結成した座学コミュニティのことです。基本的に毎日活動していて、活動内容は通話しながら稼働したり座学記事を書いて内部で発表したり、一緒に海外遠征に行ってライブを打ったりなどが主となっています。
メンバーは現在10名で、年齢層は19歳~22歳と界隈の中では比較的若い人が多いかもしれません。構成メンバーは以下の通りです。
・Drama(@RiverProbe)
・むにん(@munin_poker)
・すたあ(@starx_777)
・kar(@kar25k)
・なお(@Nao_KsJs)
・林田(@GoMaHayashida)
・ちゅけ(@Chuke_pokapoka)
・おはりゅー(@oharyupoker)
・シュウタ(@syuta_jokers)
・べっさん(@bessanmk)
主にキャッシュゲームの座学をしているのですが、JOPT Main優勝だったり6000人規模トナメ優勝だったり、なぜかトナメ系の実績が多めです。
本記事の使い方
この記事は、100bb eff. 6max Cash gameのUTGvsBB 2bpのUTG側のCB戦略を2.5bb open, 2bb openそれぞれで比較しながら考察するものになっています。
一度ざっと流し読みをして、あとはTrainerや実践をやりながら該当部分を見返しつつハンドをプレイすると自然と身体が覚えてくるかと思います。左側にある目次から適宜見たいところにジャンプして読んでください。
もともとは座学会の議事録でしたが、記事にするために「UTGのCB戦略をDramagaメンバーと一緒に見ていく」ような構成にすることを心がけました。均衡の内容整理と共に書かれている太文字はDramagaメンバーによるその戦略の解釈です。
筆者(Drama)はこの均衡の解釈をとても重視しており、ただ均衡を暗記するのではなく、なぜそのような戦略が組まれるのかを考えることは他の場面への応用の幅を大きく広げるものだと考えています。
例えばUTGvsBB 2bpでKQ3rというボードが出た際に思考停止状態で33%CBを打つのではなく、相手のレンジに含まれるQx,3xの割合を考えてoverbetを検討できるかは時給に大きく影響すると思います。
本記事ではボードとopen sizeという二つの軸からUTGの戦略を眺めることによって、思考停止から脱却し根拠ある戦略構築を可能にすることを目的としています。
事実陳列と解釈が主な内容ですが、2bb openと2.5bb openのsolutionを並べてみるのは自分でやろうとすると結構面倒なので、この記事一本で戦略の違いが一目でわかるのは便利かなと思います。今月は20部限定販売ですが、好評いただけていたら来月以降も部数制限ありで再販しようと思っています。
以下は目次です。ボード分類はAmuさんのBTNvsBB 2bpの記事を参考にしつつ、戦略の特徴量がうまくスライスできるように行ったつもりです。
使用solution: NL50 simple , 3bet :GTO , open: GTO or 2.5
用語
この手の記事に慣れている人は読み飛ばしていただいて構いません。もともとが内輪の勉強会の議事録なので以下の略称などが登場することがあります。ご了承ください。
SD・FD : それぞれFStraight Draw・Flush Drawの略です。
id : indifferentの略称です。基本的にはcall/fold indifferentを指していると思ってください。
Hi,Middle,Low : Flopの3枚のうちランクが高い順にHi,Middle, Low cardと呼びます。また、Hi-Middle SDなどと書いて、ハイカードとミドルカードの間に発生しているStraight Drawを指します。
BW : ブロードウェイの略称です。A~Tのいずれかのカードを指します。2BWと書いてBW2枚で構成されるハンド(AT,QJなど)を表します。
wheel : A~5の中の2枚を指します。A~5で完成するstraightはwheel straightと呼ばれます。
AML,ALL形 : 9~6のカードをM、5~2のカードをLという文字で表します。例えばA74やA92はAML形、A32やA54のようなボードはALL形に含まれています。
straight/flush comp. : straight, flushが完成しうるボードのことを指します。
Preflop
<2.5x open>
ATo, KJo, QJo, JToなどの2BWがほとんどcallできないことに注意
K4s, Q8s, 階段状のsuited 2gapperたちが大体id
BB 3betのpolar下側はスーコネ周りよりもA,K low suitedに集中している。これは2.5bb openのほうが2bb openに比べてsteel時の獲得potが大きく、3betに抵抗されるA,Kを抑えている重要性が高いことが原因と考えられる。
<2x open>
・suitedはQ2s, 2gapperまでpure callになっている。2xや3xのカバレッジが大きく向上。
・67o, 56oなどの1gapper offsuitまで、AxoもA4oまで頻度callになる。
Class1 Monotone
<2.5x open>
33%betを45%ほどの頻度で打つ。
K~9hiは多少打ちやすい。UTGはAxs,Axoのrange内割合が大きいので、強いドローと強いメイドハンドを持ちやすくなることが要因?
3BWボードはbet頻度がとても低く、特にAhi+2BWのボードは90%近くcheckする。これはsuited面積がUTG側はAxと2BWに集中しているのに対して、BB側はsuited 2gapperなどのlow suitedをdefenseしていることが原因だと思われる。
6hi以下はrange checkでいい。
<2x open>
2.5xと比べて少しだけbet頻度上昇。一般に、2xは2.5xと比べてbet頻度が高くなりやすい。BBのPreflopにおけるodds call rangeが広がっているので、小さいbetで取れるfold%が高くなることが原因だと思われる。
BW+Middle2枚のbet頻度が高くなりやすい。
2.5xと比べて、connectedボードのbet頻度が低くなりやすい。2x openに対しては56o, 45oなどのoffsuit connectorをBBがodds callしているので、それらがストレートになるボードは打ちづらくなっていると思われる。
Class2 Tripled
<2.5x open>
ここから先は
¥ 2,980
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?