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韓国の放送局事情②_ドラマ市場Labo#D

この記事は、韓国の放送局事情①の続きの記事です。

研究結果

②ケーブル局
日本でのケーブル局に対する感覚と韓国でのケーブル局に対する感覚は異なる。韓国では有料ケーブルチャンネルを契約することが普通である。長年ケーブル制作のドラマは日の目を見なかったが、近年視聴熱が高まり、有名俳優のキャスティング、有名脚本家の起用は当たり前となっている。視聴率も今では地上波のドラマを上回ることが多い。ケーブル局はたくさんあるが、ここではドラマを視聴するなかで目にする3局について解説する。tvN、JTBC、OCNだ。それぞれの局について説明する前に、予備知識として韓国の大手企業CJという名前を知る必要がある。CJというキーワードに注目しつつ以下を読み進めてほしい。
・tvNについて
有名作:応答せよシリーズ
tvNはCJの子会社で、韓国ドラマを視聴するうえで重要となるケーブル局だ。視聴率、内容ともに良い作品がとても多い。tvNのドラマの制作を主に担うのがスタジオドラゴンという制作会社だ。このスタジオドラゴンとは、CJのドラマ制作部門が独立した会社で、現在Netflixと契約を交わしている。そのため、韓国国内でtvNにおいて放送されたドラマはNetflix配信となることが多い。日本の視聴者がtvN作品に触れやすい理由がこれである。また、スタジオドラゴンがNetflix配信を見据えた制作をすることで、面白い現象も起きている。Netflixの高い資金力に基づく制作は、必ずしも韓国国内の視聴者をターゲットとしているわけではない。tvNでの高視聴率を狙うのではなく、初めから世界でヒットさせることを目標に制作している作品があるのだ。この第一の例が「愛の不時着」であろう(韓国国内でも低視聴率ではなかったが…)。高い資金力を背景にスケールの大きい、海外ヒットを意識した作品を提供するため、日本に住む私たちの目にはtvN(スタジオドラゴン)は良作を生み出し続けるというイメージがあるのではないだろうか。
・JTBCについて
有名作:夫婦の世界
JTBCは制作会社ジェイコンテンツツリーを持つ韓国のケーブル局だ。tvNに次ぐケーブルドラマ局というイメージがある。ジェイコンテンツツリーも前述のスタジオドラゴンと同様にNetflixと契約を結んでいるため、Netflixユーザーにはなじみのある局といえるだろう。JTBCはCJの子会社ではない。しかし、CJとかかわりがあるのは事実である。韓国国内では国内のサブスクサービス(OTTという)も一定数発達しているが、そのOTTで有名なものの一つがTVingと呼ばれるOTTだ。このOTTの筆頭株主はCJであるため、tvN作品などの配信が主に行われるが、JTBCの作品もこのOTTにおいて配信されているのだ。それはJTBCがTVingの第2筆頭株主だからである。つまり、JTBCもまたTVingというOTTを介してではあるもののCJと関係を持つケーブル局なのだ。(※TVingが日本においてLINEと提携することが先日発表された。TVingの日本進出も間近では...?もし韓国と同じスタイルで配信がされるとしたら、韓国ドラマという点においては他のプラットフォームの脅威となるはずだ。)
・OCNについて
有名作:ボイス、驚異的な嘘
OCNはCJの子会社である点においてtvNと同様だが、ドラマや映画専門チャンネルという点において他と異なる。OCNはドラマ部門のみで考えると韓国のケーブル局のうち3番手に位置するケーブル局といえるだろう。これまでヒット作はあるものの、視聴率では他に劣るという印象があったが、2020年に「驚異的な嘘」が高視聴率を記録し、日本でもその名前が話題になった。

まとめ

以上が韓国の放送局事情を調べた研究結果である。今回は放送局だけに限らず、制作会社や配信会社についても情報を提供した。ドラマが特定の放送局の放送を越えて様々な形態で楽しまれている現在、その背景についても知識を深めることでより深くドラマを楽しめると個人的には思う。今回触れていない他のケーブル局や韓国国内OTT、Webドラマは今後の研究課題とする。

ある程度の事実確認は姉と行いましたが、私の主観が伴う記事です。
この内容に科学的根拠はございません。
あくまでsisters laboの見解です。

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